「第49回 全日本U-12サッカー選手権大会出場チーム」のカントク!教えて!子どものサッカー力を伸ばすには?
子どもたちがサッカーを通して成長していくには、なんと言ってもサカママのサポートが肝心。そこで全国大会出場チームの監督に、ジュニア時代に大切なこと、親の関わり方について聞いてみました!
「ポジティブサポーターになってほしい」

荒木亮次監督(サガン鳥栖U-12)
ポジティブなコミュニケーションを取れば、子どもは大人が想像する以上の反応や成長を見せ、逆にネガティブに接すると、やる気やテンションは低下してしまいます。些細なことでも何かしらの達成感を味わって1日を終えることが、次の日への活力や行動意欲につながるのです。良かったことを見つけたり、聞き出す会話ができれば、それが褒めるきっかけとなり、子どもは達成感を味わうことに。子どものやる気スイッチを毎日押せるよう、親御さんが最も身近なポジティブサポーターになってほしいと思います。
「自分で物事を考え、諦めない心を養うこと」

広川靖二監督(ソレッソ熊本U-12)
ジュニア時代はサッカーを楽しむこと、技術を向上させることはもちろんですが、子ども一人ひとりが自分で物事を考えられる力やどんな場面でも諦めない心を養っていくことが大事。親御さんは、子どもができたことはきちんと褒めてあげ、辛いことや悔しい出来事があったときには「あれをしなさい」「これをしなさい」などと責めず、子どもに寄り添ってあげるサポートが大切です。
「サッカーから頭を切り替えられるサポートを」

篠田裕也監督(カティオーラフットボールクラブU-12)
サッカーに全力で取り組む時間とそれ以外の時間のメリハリの確保、サポートが大事だと考えています。具体的には、家でのサッカーの話は子どもからの自主性に任せ、サッカーから頭を切り替えられる環境づくりを心がけてほしいと思います。目の前の結果だけでなく、将来的な成長につながるかどうかの視点を持ち、努力の過程に対する声かけを。
「子どもの判断を尊重してほしい」

平木良樹監督(アルティスタ浅間U-12)
サッカーというスポーツは瞬時に判断して実行することの連続です。周りから見ていると簡単そうに見えても、ピッチ上にいる子どもたちはむずかしい選択を繰り返しているのです。それゆえ親御さんは、子どもたちの判断を尊重し、温かく見守ってほしいと思います。とくにジュニア時代は体格差など個人差が顕著に表れますが、選手が無理をしないようピッチ外となる日常の様々な面でマネージメントしてあげることも大事です。
「上手くなることの楽しさを知ること」

乾 良祐監督(ディアブロッサ高田FCU-12)
ジュニア時代は、上手くなることの楽しさを知ることが大切です。その楽しさを知ると、もっとサッカーが好きになり、成長するスピードも速くなるでしょう。親御さんは、目先の結果だけではなく、将来を見据えて一歩下がったところからサポートしてあげること。そうすれば、子どもなりに考えて自らサッカーに向き合っていくはずです。
「努力している過程を褒めてあげて」

近藤俊輔監督(ベガルタ仙台ジュニア)
ジュニア時代は、将来、どのレベルやカテゴリーでプレーしても、サッカーが楽しめる技術・戦術のベースを作り、何よりもサッカーが大好きな気持ちを育んであげることが大事です。親御さんはプレーの結果に対する評価ではなく、努力している過程や小さな変化を褒め、見守ってほしいと思います。
「仲間と切琢磨し、多くのことを共有してほしい」

伊藤 豪監督(青森FC U-12)
日本サッカーにおいても、原点にあたる小学生は一番重要な時期。子どもたちは、たくさんのことにチャレンジし、仲間と切磋琢磨し、楽しさも悔しさもたくさんのことを共有できる喜びを知ることです。親御さんは、あくまでもサポート。子どもの感情を超えないように。
「“自分の未来は自分でつくる”という気持ちが大切」

前田 玄監督(モンテディオ山形ジュニア庄内)
プレーするのも成長するのも、そして夢を叶えるのも自分次第です。だからこそ、「自分の未来は自分でつくる」という強い気持ちを持って日々のトレーニングや試合に取り組むことが大事。栄養バランスのとれた食事、十分な休息、ストレッチなどのケアは、チームとしてサポートしきれない部分でもあるので、ご家庭で意識を高く持って取り組んでほしいと思います。
「上手くいかなかったときは、話の最後を工夫して」

大橋正博監督(ヴァンフォーレ甲府U-12)
ジュニア年代は、個人のボール扱いなどのテクニックの向上、良い習慣と良い考え方を身につけていくことが大切です。プレーに関しては上手くいかないことの方が多いと思うので、その都度子どもの話をしっかり聞いてあげて、最後は良かったプレーや次につながる内容で終わるような関わりをしてあげるといいでしょう。
「失敗を自分で乗り越えていけるようサポートを」

那須川将大監督(鹿島アントラーズつくばジュニア)
大人が全て準備して指示するのではなく、子ども自身が判断し行動できるようになることがジュニア時代には大切です。子どもにはたくさん失敗させて、それを自分で考え乗り越えていけるように寄り添うサポートを。
「子どもの失敗に一喜一憂せず、解決策を一緒に考えて」

山元信一監督(FC.CAMPIONE福岡)
ジュニア時代は、基本的な技術はもちろんですが、練習や試合の中でたくさんの「トライ&エラー」を繰り返し、中学年代以降どこでも通用するような引き出しを持つことが大事になってきます。親御さんは、目の前の子どもの失敗に一喜一憂するのではなく、解決策を一緒に考え、長い目で温かく見守り、どんな些細なことでも褒めてあげてほしいですね。
「サッカーを通して自己表現ができるように」

若山聖祐監督(FC TRIANELLO Machida)
親御さんには、子どもにスポーツ選手を目指す上で睡眠や食事の大切さを伝えてほしいと思います。試合の結果に一喜一憂せず、子どもに安心感を与え、純粋に応援することが大切です。子どもたちはサッカーを通して、挨拶や礼儀を学び、自己表現がしっかりできる人間に育ってほしいと思います。
イラスト/アキワシンヤ