サッカー少年!! 成長期に訪れる「クラムジー」をご存じですか!?
努力しても思うような成果が得られない。このように悩んでいる子どもは多いのではないでしょうか。そのような時期は、成長過程で誰もが経験する可能性があり、壁にぶつかることがあります。
それを知っておくと、気持ちが少し楽になるかもしれません。
努力が報われないと感じる時期の背景
子どもが一生懸命練習しても成果が見えにくい時期は、「クラムジー」と呼ばれる成長過程の一部かもしれません。これは、身体の成長と運動能力のバランスが一時的に崩れることで、パフォーマンスが低下する現象です。この時期は誰にでも訪れる可能性があり、焦らず見守ることが大切です。
「クラムジー(Clumsy)」ってなに??
成長期の子どもに見られる一時的な運動能力の低下を指す言葉で、スポーツの現場では「思春期不器用」とも呼ばれます。特にサッカーのような走る・蹴る・バランスを取る動作が多い競技では、この現象が顕著に現れることがあります。例えば、身長が急に伸びることで手足の長さが変わり、これまでの感覚で動かすことが難しくなるのです。このため、以前はできていたプレーが突然うまくいかなくなることがあります。
どのくらいの年齢で起こるのか?
クラムジーは、一般的に小学校高学年から高校生の間に起こることが多いとされています。特に男子では、1年間で10〜15cmほど身長が伸びることもあり、身体の成長に対して神経的な適応が追いつかず、「身体を持て余した状態」になることがあります。
クラムジーのサイン
以下のような兆候が見られる場合、クラムジーの可能性があります:
・以前はスムーズにできていたプレーがぎこちなくなる
・短距離走のタイムが落ちる
・体が硬く感じられる
・ジャンプや走る動作が多いスポーツでパフォーマンスが低下する
努力の価値とその先にあるもの
努力がすぐに結果に結びつかないことは、サッカーだけでなく、人生全般においてもよくあることです。しかし、努力を続けることで、困難を乗り越える力や自己成長が促されます。ジュニアサッカーの指導者の中には、「努力は報われないこともあるが、それでも努力を続けることが大切だ」と教える方もいます。
また、サッカーの楽しさを忘れずにプレーすることも重要です。「サッカーが好き」という気持ちが、困難な時期を乗り越える原動力になります。
子どもがサッカーを楽しむ姿勢を持ち続けられるよう、サポートしていきましょう。
心理学の観点から保護者としてのサポート方法
①感情を受け止める
子どもが悔しさや不安を感じているときは、その感情を否定せずに受け止めてあげましょう。「頑張っているね」「気持ちはわかるよ」と共感することで、お子さんは安心感を得られます。
②成長の過程を伝える
努力がすぐに結果に結びつかないこともあると思いますが、それが成長の一部であることを伝えてあげてください。「今は成長の途中だよ」と励ますことで、お子さんのモチベーションを保つ手助けになります。
③楽しさを重視する
結果だけでなく、サッカーを楽しむことの大切さを伝えましょう。「サッカーが好き」という気持ちを大切にすることで、プレッシャーを和らげることができます。
④努力の過程を認める
試合の結果だけでなく、練習に取り組む姿勢や努力の過程を褒めてあげてください。「毎日練習を頑張っているね」と声をかけることで、お子さんの自己肯定感が高まります。
子どもが努力しても報われないと感じる時期は、成長の一環であり、将来的には大きな飛躍につながる可能性があります。保護者として、子どもの気持ちに寄り添い、サッカーの楽しさや努力の価値を伝えながら、温かく見守ってあげましょう。
クラムジーは、成長期の子どもにとって避けられない一時的な現象です。この時期を乗り越えることで、さらなる成長とパフォーマンスの向上が期待できます。
子どもの努力が実を結び、サッカーを通じて素晴らしい成長を遂げられることを心より願っております。