足のキズは最速キレイに治す!家で出来るウェット(湿潤)療法のすすめ
みなさんこんにちは! スポーツ看護師の金子会里です。自宅で出来るホームケアの一つに「ウェット(湿潤)療法」というものがありますが、キズができてしまった時に試してみたことはありますか?
最近ではドラックストアでこのウェット療法に使う物品が手軽に購入できるようになり、病院で使っているものと大差はないので、自宅で出来るキズのケア方法としてぜひこのウェット療法を正しく知っておいてほしいと思います。
この治療法のすごいところは、キズの痛みを軽減し、早く、キレイに治すというもの。今ではさまざまな病院で推奨されているケア方法です。キズは「消毒してかさぶたができるのを待つ」というひと昔前のケア方法から、アップデートしていきましょう!
消毒不要!キズ口は流水でキレイに洗い密閉した状態へ
ちょうど先日、膝の下に大きなキズを作って帰ってきた長男ですが、その日はサッカーの練習があるにも関わらず靴下を履くことすら痛がる様子でした。突発的な「痛い!」は本当に毎回ヒヤヒヤしますが、このウェット療法で今回は乗り切ることが出来ました。
早速ドラッグストアへ行き写真の物品を購入
■キズパワーパッドの大 (張り替え用に2箱)
■透明のフィルム (カットして使用・1箱)
キズ口についた砂や汚れを流水でやさしくキレイに洗い流し、きれいなタオルで周りの水分をふき取ったあとに、キズパワーパッドでしっかりキズ全体を覆い密閉します。そしてさらにフィルムでその上を覆いしっかりと固定します。
キズを覆い密閉した状態にするとしばらくして滲出液が出てきますので、キズパワーパッドの端っこから液が漏れてくることがあります。なので、このフィルムで覆うという作業は実は大事な処置だったりします。
密閉した状態でしっかり固定したことでレガースもしっかり当てることができ、無事にその日の練習を終えることができました。
※滲出液が漏れ出なければ、1〜2日に1回の張り替えで大丈夫です。張り替える時は毎回流水でキズ口をきれいに洗い流して下さい。
ウェット療法の原理・メリット・注意点
原理
キズ口から出てくる滲出液には、組織を修復してくれる成分が含まれています。密閉して湿った状態を保つことで自らの力で皮膚の修復を早く促してくれます。
※消毒液などでの消毒は、キズ口の細胞を破壊してしまうこともあるため、流水でやさしく汚れや異物を取り除きます。
メリット
- 乾燥による刺激を防ぎ、キズ口がくっつかないので痛みを軽減することが出来る。
- 滲出液による自己回復能力で、キズ口を早く治すことが出来る。
- かさぶたが出来ないので、キズ跡が残りにくくきれいに治すことが出来る。
注意点
- キズ口が深く、出血が止まらない時は避ける
- キズ口に膿が出ていたり、感染がある時は避ける
- キズ口がかさぶたでふさがってしまった時は避ける
さまざまな環境下で行うサッカーの現場は、キズ口も泥だらけになりがちですが、流水でキレイに洗い流しウェット(湿潤)療法を活用することができれば自らの持っている免疫力と生命力で「早くキレイ」に回復を促すことが出来ます。
痛みを少なく、やさしいケア方法を正しく知っておくことで、突発的なケガへの対処も慌てず対処できるようになると感じます。ホームケアに役立つさまざまな情報をこれからもお伝えしていければと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
参考:日本外来小児科学会 〜キズにやさしい「ウェット療法」のはなし〜
※本記事は、看護師としての経験や知識をもとに書かれているものです。