スポーツ中におけるケガの特徴と適正な応急処置とは?
サカママの皆様、昨年に続き今年は隔月ではありますが、ライターとして活動させて頂きますので、よろしくお願い致します。
先日はチームの初蹴りに親子で参加させていただきました。息子は小学6年生なので、在団生としての参加は最後となるため、卒団が近づいているのだなとしみじみ感じました。OBのみなさん(中高生の現役選手でJ下部Jrユース、ユース、高校サッカー選手権出場選手など)も参加し、6年生との対戦ゲームを行いました。先輩方の素晴らしいプレイを目の当たりにしながら子どもたちや保護者も楽しめた有意義な時間でした。
参加しているOBの中には、ケガのため残念ながらゲームには参加できないという子もいたりして、スポーツを続ける上では避けては通れないものだと改めて思いました。そこで今回は、普段の生活やスポーツ中などで発生した、ケガの応急処置やケガの予防などをお伝えしたいと思います。
「スポーツ外傷」と「スポーツ障害」のそれぞれの特徴とは?
スポーツにおけるケガには大きく「スポーツ外傷」と「スポーツ障害」の2種類があります。スポーツ外傷は、強い外的ストレスが生じて起こる身体の異常と言われています。アクシデントによって起こることが多く、打撲・捻挫、骨折・脱臼・筋断裂などがそれにあたります。
スポーツ障害は、同一部位に小さなストレスが繰り返し加わり積み重なって起こる身体の異常と言われています。日々の蓄積により突然の痛みに繋がっていきます。疲労骨折・関節炎・腰椎椎間板ヘルニア・野球肘などがそれにあたります。
スポーツによって身体にかかる負担を把握しておこう
みなさんもご存知の通り、サッカーはコンタクトスポーツで身体の衝突があるなど、プレー中に腰から足にかけての負荷がとても大きく、外傷も障害も起きやすいと言われているスポーツです。
我が家の息子も過去にオーバーユース(使い過ぎ)による腰痛、接触プレーによる打撲により膝痛が出現したため専門医に診て頂き、安静指示が出たこともあります。私としては子どものケガに対して、どのように対応するかを改めて勉強する機会にもなりました。
サッカーのケガは、打撲・捻挫はもちろん、骨折や脱臼も起こりやすいです。更には走り込みなどの練習も多くシンスプリント(急性骨膜炎)などの障害も起きやすくなります。ケガによっては今後の競技生命を左右する事にもなります。
サッカーは、ボールを繰り返し蹴るので捻挫や肉離れが発生しやすいスポーツですが、捻挫や肉離れと同じぐらいに発生しているのが股関節や腰の慢性的な痛みです。
- 全身の柔軟性の低下
- 身体の歪み
これら2つのことから体の使い方が変わり、身体の一部に負担をかけてしまうことが理由として挙げられます。ケガの前後で早い対応をすることで回復するまでの期間も大きく変わってくる事があります。対応が遅くなるだけで、ケガの回復が長引いてしまう可能性もあります。
適正な応急処置「RICE処置」とは?
ケガ予防としてストレッチや準備運動をすることを日常的に取り入れることも大事です。運動やスポーツを始める前には、ストレッチや準備運動を行うことで筋肉や関節をほぐすことができます。急な体の動きにも対応しやすくなって、ケガを予防することに繋がります。後にもストレッチを行うことで、疲労した筋肉を回復することができます。
ケガをした時に、直ちに適正な応急処置を行うことは、ケガを悪化させないためにとても大切なことです。応急処置をすることで、ケガの回復が早まることが期待できます。「RICE処置」というそれぞれの処置名の頭文字をとって呼ばれている応急処置があります。
Rest(レスト):安静
試合中などのプレイ中にケガをした時は、安全な場所に移動し患部を動かさないように安静にしましょう。
Ice(アイス):冷やす
患部を氷嚢・氷の入ったビニール袋・アイスパックなどでアイシングします。冷やすことで腫れや痛みが抑えられます。
Compression(コンプレッション):圧迫
患部が動かないようにして内出血・腫れを予防するために患部を圧迫します。強く圧迫しないように注意してテーピング、包帯などで圧迫します。
Elevation(エレベーション):挙上
足の場合は、寝る姿勢をとり足の下に枕を入れるなど、布で足を吊るなどで安静にします。患部を心臓より高い位置に挙げることで、腫れを予防することができます。
スポーツをするにあたりケガはつきものですが、子どもたちが受傷した際には、大人が慌てず正しい方法で対応することが子どもの不安、痛みも軽減できるのではないでしょうか。とは言いつつ我が子のケガ、痛がる姿を見てしまうと慌ててしまいます。嬉しい時は、子ども以上に喜び(笑)ピンチの時は、焦らずに見守れるよう今年もサカママ頑張ります!
※本記事は、看護師としての経験や知識をもとに書かれているものです。
体の部位、ケガの程度によって対応は違ってきますので、必ず専門の医療機関をご受診ください。