10歳次男、2度目のスペインへ挑戦 〜KAIHAN CUP 2025〜
皆さまこんにちは!
2025年3月。我が家の次男(10歳)がスペイン・バレンシアで開催された「KAIHAN CUP 2025」に挑戦してきました。
今回のスペイン遠征は、セレクションに合格した選手は渡航費用が全額無料という夢のようなプロジェクトでした。
2月に行われたセレクションは、一次審査の書類選考を通過した全国から集まったハイレベルな選手達が集まりました。二次審査→最終セレクションと二日間に渡りたくさんのコーチが見守る中でのセレクションでした。U-8・U-10共に23名ずつが選ばれ、各カテゴリー2チームずつに分けられました。
次男にとって、スペインは2度目の地。8歳の頃、兄とともにマドリードへ短期留学したことがありましたが、今回はお兄ちゃんなしの単独挑戦です。小さな体に大きな希望と少しの不安を詰め込んで、スペイン・バレンシアへ向かいました。
遠征準備は前回の教訓を活かす
前回、大きいスーツケースだと子ども一人では運ぶのが大変かなと思い、次男のスーツケースはMサイズにしましたが、結局お土産などが入らず長男のスーツケースに入れてもらったり、手荷物で持って帰ってきて大変だった様子でしたので、今回はLサイズの大きめのスーツケースを購入、さらにスーツケースの外側から荷物やペットボトルを置ける仕様のものを購入しました。
背番号入りのリュックも届き、当日はユニフォームや練習着などたくさん用意していただきましたが、全部入れてもスーツケースの片側はほぼ空いている状態でした。
羽田空港での華やかな見送り
出発前、羽田空港のホテルにて壮行会が開かれました。
サプライズゲストで現れたのは、オリンピック金メダリストの吉田沙保里さん、そして人気芸人ぺこぱのシュウペイさん。笑顔とエールに包まれながら、子どもたちの士気は一気に高まりました。
さらに、羽田空港の出発ロビーには「KAIHAN CUP」の大きな広告が掲げられ、驚きと共にプロジェクトの大きさを実感。
その光景を見たときの次男は「すごい!」と嬉しそうに目を輝かせ、あらためて「やってやる!」と気を引き締めている様子でした。
いざ、バレンシアの地へ
まさかのキャプテンに任命!?
スペイン・バレンシアに到着した初日、地元チームとの親善試合が行われました。
次男はキャプテンに任命されたようで、キャプテンマークをしている動画を見て、日本から「がんばれ・・!」とエールを送っていました。
移動後すぐの親善試合で3ゴール1アシストと勝利に貢献し、最高のスタートを切りました。
初日の夜「ボランチやった! たくさんゴール決めたし楽しかったよ!」と、日本と違うポジションでも良いプレーができて嬉しそうでした。
ビタミンを摂る!
滞在中は、バレンシアの海の近くのホテルで。食事はホテルのビュッフェ。
前回は8歳だったので、何も考えずに好きなものばかり選び、乾燥するスペインでくちびるがガサガサになり、帰る頃にはタラコくちびるになっていました。
普段からくちびるが荒れやすい次男は学習したようで、今回はフルーツを意識して食べ、ビタミンを摂り、リップクリームもこまめに塗るように意識したおかげで、乾燥を防ぐことができたようです。
写真で見るパエリアや生ハム、本場のバレンシアオレンジはとても美味しかったようでした。
滞在中、タイミング良くバレンシア最大の祭り「ラス・ファジャス(火祭り)」の開催時期にも重なり、街中は爆竹と花火で大賑わい。夜遅くまで続く祭りに、皆とても良い経験ができたようでした。
音信不通の3日間
まさかの体調不良に
一方、こちらの不安は募っていました。
出発にあたり、次男にはスマートフォンを持たせていましたが、現地到着初日は連絡が取れたものの、その後3日間まったく連絡が取れず、既読にもならない状態でした。
Instagramのストーリーズで現地の様子は断片的に見られるものの、海での集合写真には、なぜか次男の姿がありませんでした。
「もしかして体調崩したのかな・・」と思い、LINEしましたがやはり既読にならず、嫌な予感が胸をよぎりながらも「きっと元気にやっている」と自分に言い聞かせるしかありませんでした。
知らされた高熱の事実
ようやく次男と連絡が取れたとき、判明したのは驚きの事実でした。
火祭りの影響で街中が煙に包まれ、煙を吸いこんだ影響もあったのか、次男は高熱を出して寝込んでいたのです。
「ママの声が聞きたかった」と連絡が取れなかった3日間、普段は連絡を忘れてしまうくらい自立心が強い次男も、体調を崩したときは急に心細くなり、夜は寂しくて涙が出たそうです。私もその話を聞いて涙し、久しぶりの次男との電話でお互い泣きながら「応援しているから、残りも頑張っておいでね。大好きだよ」と伝えました。
過酷な大会、そしてヨーロッパの洗礼
無事大会初日の朝に熱が下がった次男。
次男の他にも体調不良や怪我人が続出する中、ぎりぎりの人数で25分×5試合をこなす過酷な日程に挑みました。
次男たちは必死に食らいつきましたが、結果は全敗。とにかく相手チームのサッカーが上手い。次男たち2チーム、一緒に参加した日本の強豪チームは3チームとも下位リーグへ。世界の壁は、想像以上に高く厚かったです。
翌日は下位リーグ同士でもう一つの選抜チームと対戦し、敗戦。結局大会では1勝もできなかったので、「本当に悔しかった」と次男は帰国後に何度も口にしていました。
かけがえのない仲間
体調も万全ではない中、次男はチームメイトや家族にたくさんのお土産を選んで持ち帰ってくれました。
長男には一番いいものを選んでいたのが微笑ましかったです。
「チームのみんな喜んでくれるかな?」と、誰かを思いながら選び両手いっぱいにお土産を持っていたようです。
もう一つ、驚いたことがありました。現地で高熱を出し、観光もお土産も買えなかった仲間に次男はバレンシアのキーホルダーを買ってその子に渡したのです。
今回の遠征で初めて会って、10日間過ごして仲良くなった仲間。お互いの家は新幹線の距離なので普段なかなか会うことはできないけど、「すごく仲良くなって友達になったんだよ」と話していた子でした。嬉しそうに受け取ってくれて、また絶対会おうな! と言葉を交わし別れました。
関西の強豪チームの子たちとも仲良くなり、サッカーを続けていたらきっとまた会えるねと、次にグラウンドで会えることを楽しみに帰路につきました。
小さな挑戦者へ
「楽しかったし、悔しかったけど、いい経験ができた」
次男の短い言葉の中には、現地で味わった喜びと悔しさ、そして成長のすべてが詰まっていました。
そして、かけがえのない仲間ができたことも次男にとって宝物になりました。
小さな体で一歩踏み出したその勇気は、きっとこれからの彼の人生に、大きな力を与えてくれるはずです。
また一歩、大きくなった次男の背中を、これからもずっと見守っていきたいと思います。
感謝の気持ちを込めて
今回このような貴重な経験をさせていただけたことに、心から感謝しています。
KAIHAN CUPプロジェクト関係者の皆さま、素晴らしい機会を本当にありがとうございました。
そして、現地で子どもたちをサポートしてくださった総監督・田中隼磨さん、アドバイザーのドリブルデザイナー・岡部将和さん、スタッフ・コーチの皆さま。
慣れない土地での体調管理や、精神面でのサポートまで、とても温かく、そして力強く支えてくださり、本当にありがとうございました。
次男だけでなく、家族全員にとっても、一生の宝物になる素晴らしい経験でした。
あらためて、深く御礼申し上げます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。