「チェックしたことありますか?子どもの足裏」アメリカ少年サッカー記29
夏休みが始まり、終日のサッカーキャンプに参加しました。あいにく、その週は猛暑が続き、3日前は過去150年間で州の最高気温でした。こんなに暑い中、一日中サッカーをするのは大変だと感じましたが、キャンプを終え帰ってきた息子を見てびっくりしました。両足を引きずり、ボロボロの姿だったのです。
足を引きずっていたのは、両足の足裏に水ぶくれができてしまったからでした。地面を踏むたびに、痛みで顔が歪みます。以前もちょっとした水ぶくれにはなりましたが、ここまで悪い症状は初めてでした。
この足裏の水ぶくれ、サッカー少年少女はなりやすいと言われています。スパイクのサイズが合わないことが原因になる場合がありますが、この日は履き慣れたスパイクで特別なことは何もしていません。それでも、こんなに酷い水ぶくれができたのは何故でしょうか?
今回は、実は夏に起こりやすい水ぶくれの謎に迫ります。
ご注意!夏に多く発生する足裏の水ぶくれ
水ぶくれやマメとして知られる皮膚の症状は、英語では「blister」と呼ばれます。症状は、足の裏の部分的な腫れや皮膚の下の水疱、さらには赤くなったり、痛みを伴ったりします。
サッカー選手は水ぶくれを起こしやすく、その原因としてスパイクの硬い靴底が関係するようです。息子の水ぶくれができた“ホットスポット”を見ると、足を踏み込む時に体重がかかる母趾(ぼし)の付け根と、踵(かかと)に現れていました。つまり、力が入りやすい箇所が硬い靴底と擦れて、水ぶくれができたのです。さらに、母趾の付け根の水ぶくれは、スパイクのポイントの位置とも関係していました。
驚くことに、この水ぶくれは暑い日に発生しやすいようです。息子が参加したサッカーキャンプの日は、日中の気温がトリプルデジットと呼ばれる華氏100度(摂氏38度)を越し、フィールドの人工芝がものすごく熱くなったそうです。この人工芝の熱も足の裏には大敵で、夏に多くのサッカー少年少女が「熱水ぶくれ(heat blisters)」と呼ばれる症状を起こします。
今回のサッカーキャンプは高校生向けで、筋肉が発達途中の中学生の息子には負荷が高く、さらに長時間の運動であったことと、記録的な暑さまで加わり、水ぶくれができたようでした。
痛みを伴う水ぶくれでのサッカー練習をどう乗り切る?
ひどい水ぶくれの後は、1週間ほど運動を休めると良いのですが、実際は練習を休むのが難しかったりします。そんな怪我を負いながらもトレーニングを続けたい時に、簡単な対処法があります。
知り合いの医師とトレーナーに教えてもらった対処法は以下の通りです。
- 傷口を洗って清潔にする
- 軟膏を塗り保湿する
- 大きいパットのバンドエイドを貼る
- 足裏がクッションになっているサッカーソックスを履く
これは回復を早める治療というより、これ以上傷を悪化させない対策です。それでも、バンドエイドや厚みのあるソックスは、傷口への直接の衝撃を抑え、痛みを和らげる効果もあります。
果たして水ぶくれは防げるのか?
怪我の程度としては軽く、練習も試合にもでられる水ぶくれ。それでも、地面を踏むたびに痛み、パフォーマンスも低下するので、できることなら水ぶくれは避けたいものです。
スパイクのサイズが合わないために水ぶくれが発生する場合は、スパイクの買い替えや、そのスパイクに履き慣れる必要があります。また、猛暑の人工芝で運動する時は、スパイクの靴底の温度上昇を抑えるインソールが開発されているので、それを使用することで熱水ぶくれを防ぐ効果があるかもしれません。
しかし、長時間の運動や負荷の高い運動による水ぶくれは、防ぎようがありません。それでも、水ぶくれができた初期の段階で上記の対処をすれば、皮膚がまだ傷口に残っているため、傷の治癒が早いようです。
今回は、一日のキャンプで、皮がペロリンと取れ、赤い皮下組織が露出し、かなり痛そうでした。こんな症状でも足を引きずりながら練習に通い、1週間経つ頃には皮膚がかなり再生されました。
結局のところ、子供の回復力は非常に早いので、水ぶくれ程度の怪我は気にしなくても治癒していくようです。今回のように大きな水ぶくれの次には、もっと軽い水ぶくれになり、数回繰り返した後、足の裏の皮膚組織は硬くなっていくようです。