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自分の経験を我が子の「今」に重ねない。息子のケガを通じて感じた事

自分の経験を我が子の「今」に重ねない。息子のケガを通じて感じた事

サカママ・サカパパの皆さまこんにちは。ライターのYUKARIです。前回の記事は、息子が春合宿から帰宅して間もない頃に配信されましたが、その後色々な展開があり現在息子はケガの療養中。とはいえ、練習や試合にも足を運び、見学という立場ではありますが、筋トレやチームメイトのフォローをしながら復帰を目指して頑張っています。

今の環境に落ち着くまで色々とありました。親として反省することも…。今回は息子のケガを通じて親として色々と考えさせられた事を綴りたいと思います。

息子から発せられた「腰が痛い」というSOS

それは息子が春合宿に行っている時でした。合宿中はほとんど連絡のやりとりはしないのですが、夫の携帯に「腰痛いからストレッチ教えて」と珍しく息子本人からメッセージが届いたのです。続けて「今日の練習はきつくて死にそうだったけど頑張った」とも。

日頃からストレッチの重要性を説いてはいましたが、これまで実践することがほとんどなかった息子が、自らストレッチの方法を聞いてきたので、夫と二人「練習での疲労をストレッチで解決しようとするなんて、やっとその大切さがわかったのかな」と、息子からのメッセージをむしろ微笑しく思ったくらいです。

この時はハードな練習による腰の疲れ、くらいに思っていたのですが、今思えばあの時の「きつくて」という言葉は“練習がきつい”のではなく“痛みがきつい”という意味だったのでしょう。

結局、合宿中はストレッチや湿布でなんとか痛みをごまかしたようですが、帰宅してからも腰の痛みが引かなかったようで、普段からお世話になっているスポーツ整体院で鍼の治療を受けるなど、痛みの緩和に努めました。

息子から発せられた「腰が痛い」というSOS

これはいつもとは違う。とどめとなった公式戦

鍼治療を受けた後は、なんとか痛みも和らいだようで「だいぶ楽になった」と言っていた息子ですが、考えてみれば春休みに入ってすぐに連日練習があり、さらに合宿もあったことから、身体への負荷や疲労が一気に腰にきたのだろう、とこの時もまだそこまで深刻にはとらえていませんでした。ただ、時折歩くのも辛そうにしていることがあり、そんな時は「次の練習は無理せず見学した方がいいよ」と休息を促す声かけをしていたのですが、「大丈夫!」と本人が言うので、中学生の親としてもそれ以上は踏み込めず息子のやりたいようにさせていました。

そんな時に迎えた公式戦当日。ベンチ入りメンバーに選ばれていた息子でしたが、前日の練習明けで朝からかなり腰が痛そうだったので、さすがに心配になり急遽整体の先生に少しでも負荷が軽くなるようにテーピングをしていただき、試合に臨みました。

春合宿中から腰の痛みはあったものの、プレーとしては調子が上がってきていたそうで、この日も観戦に行くとコーチに呼ばれる息子の姿が。いつもなら我が子の公式戦出場に親として嬉しく思うところですが、むしろこの日は「あんな状態で走れるのかな…。痛くないのかな…。」と心配をする気持ちの方が大きかったのを今でも覚えています。

ですが、いざピッチに出ると普通に走っているし、時折腰に手をあてている様子はあるけれど、家を出る前に訴えていたほどの痛みではなさそう。テーピングが効いて良かった、と思わせるほどの健闘ぶりだったのです。

試合後は歩けないほどの痛みに

車で観戦に来ていても普段なら先に帰る夫と私も、腰の痛みもあるだろうからと息子と待ち合わせて一緒に帰ることに。いざ車に乗り込もうとした息子の様子は本当に痛みに限界がきていたようで、サッカーバッグも背負えないほどの状態でした。聞けば試合前のアップから痛みがあったようなのですが、試合に出たい一心でコーチにもその事を伝えずに試合開始。試合中はとにかく我慢して走り切ったそうです。

「試合中、普通に全速力で走ってなかった?」と思わず聞いてしまった私ですが「いや、そこは頑張るでしょ。走るでしょ。すげー痛かったけど。」とあっさり。アドレナリン効果とはこういうものか…とむしろその気合に感心してしまったくらいです。でもやっぱりこの痛みの様子は単なる「腰痛」ではないかもしれない。神経や筋肉の問題はなく骨に何か異常があるのかも…。

翌日は学校でしたが、歩く事すら辛そうだったので、登校前に整形外科で診察を受けることにしました。

試合後は歩けないほどの痛みに
今は毎日コルセット生活

骨盤にヒビ?あまり耳にしない診断結果にモヤモヤ

特に予約もせず、当日の朝飛び込みで診察を受けたのは自宅から一番近い整形外科。かかりつけ、というわけではありませんでしたが、まずはレントゲンを撮ることで痛みの原因が骨にあるのかどうかくらいは分かるはず、という判断からでした。

診断結果は「骨盤にヒビが入っているかもしれない」ということ。「まずは安静にして、痛みが引かないようだったらMRIを検討しましょう」という医師の話もあり、その週の練習は見学での参加とし、痛み止めを服用しながらしばらく過ごしていました。ただ、医師からの「かもしれない」という診断のままではその後の治療も方向性がはっきりしません。

「安静」という、言葉にすると簡単な療養ではありますが、身体を動かす事を中心とする毎日を過ごしていた息子にとっては一番先の見えない治療法です。その後の診察でもその医師からはMRIの提案が出ることがなかったので、セカンドオピニオンとして別の整形外科を受診。そこで改めてレントゲン撮影をした後に言われたのが「MRIを撮りましょう」という医師の判断でした。

その後はトントン拍子に予約や検査が進み、MRI検査を受けた結果わかった診断名が「腰椎分離症」でした。この年代、特に重点的にスポーツをする子によく見られるケガだそうで、一般的には「疲労骨折」と言われる事もあるとのこと(担当医師説)。 「まずは3ヶ月無理をしないように。」という医師からの言葉に「夏には復帰できるから良かった」と思った私と、「3ヶ月って普通にやばいよね」と呟いた息子。ここに大きなモチベーションのズレが生じました。

親の経験談は時に障害に。我が子は「今」を精一杯頑張っている

息子にとって、日々ベンチ入り争いが激しいチームに身を置く中、ケガで3ヶ月も安静にしなくてはならないという事は絶望感しかなかったようです。「これが3年だったら本当に色々と悩んじゃうけど、まだ2年だし、むしろ今でよかったよ。このままきちんと直したら合宿には間に合うよ!」と励ましたつもりが、息子から返ってきた言葉は「何言ってるの?もう2年じゃん。絶対に無理じゃん。」という言葉

中学・高校と体育会系の部活で骨折での入院とリハビリ期間を経験しながらも、最後までやり遂げた私にとっては、この先がまだあることが経験上分かっていたため「3ヶ月我慢すればいいだけ」という感覚でしたが、中学年代の3年間を捧げると決めて入団したジュニアユースでの「3ヶ月」という離脱期間は、息子にとってとても大きいものだったのでしょう。

親の経験は時に役立つ場合もあるかもしれませんが、「今」を精一杯頑張っている息子にとっては私からみた時間軸が全く違う。「僕の立場になって考えてみてよ」という気持ちでいっぱいだったと思います。

親の経験談は時に障害に。我が子は「今」を精一杯頑張っている
こんな風に思いっきりプレーできる時間が早くきますように

親にありがちな「自分(経験)軸」で判断してしまうことの盲点

はっきりとした診断結果がわかったので、息子もチームの監督に状況を報告しました。監督もこの年代にはよくあるケガだけど、今は無理をせずしっかり治すことが先決。練習や試合に参加できなくても、チームメイトのフォローや腰に負担のない筋トレなど、今しかできないことをやって復帰を目指すよう励まされ、息子のその言葉に救われたのかGW中の大会合宿にも参加し、チームのサポート役にまわりながら、さらに連帯感も深めて帰宅しました。

今回息子のケガを通して、親として反省した点は主に2つ。

  • 「腰が痛い」という息子のSOSを「練習による疲労」「普段ストレッチをしないから」と判断してしまった。
  • 「3ヶ月の安静」ということについて、「この時期の3ヶ月ならそんなに落ち込むことはない」という判断で息子を励まそうとした

このどちらも、息子の立場に立っているようで、実は自分の経験値だけに頼った主観的な判断によるものだった、ということが1番の反省すべき点だと思いました。自分も経験しているからこそ息子が置かれた状況やその気持ちを理解できる場合もある。とはいえ、息子がその時置かれた自分の状況をどう判断し、どういう気持ちになっているのか。それは本人にしかわかりません。

親として大好きな事に向かって頑張っている我が子の様子を一番近くで見守り応援しているからこそ、その気持ちに寄り添い一緒に乗り越えていくサポーターでいたい。息子のケガを通じて、改めてそう思いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。私の経験談が、誰かのお役に立てることを願って…。

WRITER PROFILE

YUKARI

中3サッカー男子とこの春中学生になった女子のママ。サカママ歴9年。
夫は息子が所属していた地域の少年サッカークラブでコーチをしています。生後半年からスタジアムでサッカー観戦をしていた息子もいよいよ受験生になり、「サッカーも勉強も頑張る!」と現在はジュニアユースで奮闘中。母はそんな息子を誰よりも信じるサポーター第1号として、日々奮闘中です。

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