足首の捻挫はクセにさせない!痛めたときの程度別にトレーニング復帰までの段階を知っておこう!
皆さんこんにちは!スポーツ看護師の金子会里です。春休みも早々に終わり、4月から新たな環境に身を置く子どもたちも多いと思いますが、ここからの一年間でまたどんな成長を各所で見せてくれるか今からとても楽しみです!
年度の初めは、子どものサッカー中に起こりやすい「足首の捻挫」について、正しい対処法と自宅でできるケアのポイントをお伝えしていければと思います。
そもそも足首の捻挫とは?
足首をグキッ!とひねって痛めてしまうことを「捻挫」といいますが、そもそも「捻挫」とは、足首の関節を支えている靭帯が緩んだり痛んだりする状態を指します。多くは内側にひねってしまったときに足首の外側のくるぶしの前や下に痛みが起こりますが、意外と放置されやすいのが心配なところ。内部の靭帯部分は目に見えるわけではないので、症状から程度を見極めないといけません。
ケガの程度によって対処法は異なる
捻挫(靭帯損傷)の程度
- Ⅰ度:①前距腓靭帯の部分損傷
- Ⅱ度:①前距腓靭帯の完全損傷
- Ⅲ度:①前距腓靭帯と②踵腓靭帯の完全損傷
Ⅰ度とⅡ度の捻挫はよく行われるR.I.C.E処置(安静・冷却・圧迫・挙上)を行いサポーター等の固定で数日様子をみますが、Ⅲ度の捻挫ではR.I.C.E処置とさらに2〜3週間のギプス固定が必要になります。損傷の具合によっては剥離骨折や軟骨損傷を伴っていることもあり、長引く痛みを放置すると将来、変形性足関節症になる恐れもあるので注意が必要です。
痛めた後に体重をかけることができない状態や、腫れや皮下出血がひどい場合は、病院で検査を受けてしっかり治療してください。子どもの場合では小さな骨折を伴うことも多く、骨片が遊離したまま固まると痛みをぶりかえすことも。レントゲン検査で見つからない骨折は、MRI検査で発見されることも多くあります。
捻挫後からトレーニング復帰に向けて
捻挫直後は症状がこれ以上ひどくならないようにR.I.C.E処置を行うのが基本ですが、急性期の痛みがなくなってきたら、捻挫によって硬くなった足首周りを柔らかくして動きをよくしていきましょう。安静期間によって衰えた筋力を取り戻すために、タオルギャザーなど自宅できる足の運動を行うのも効果的です。
また、足の関節周りの筋力強化と足首バランスの安定を図るため、バランスボードを使うのも簡単でおすすめです。急性期の痛みを過ぎ、徐々に体重もかけられるようになり、全力で疾走できるぐらいになれば、トレーニングも少しずつ再開していけます。
一度伸びてしまった靭帯は元には戻らないと言われています。捻挫をしにくい足にするには、足首周りの筋力強化やストレッチなどでクセにさせないことがやはり大切です。足裏とかかとを地面につけたままスッとしゃがめますか? かかとが上がってしまう場合は足首が硬くなっているかもしれません。大切な足を守るため、足首周りのケアもぜひ日頃から気にかけてみてくださいね。
コラムも1月からスタートし、早くも4回目を迎えました。あらためてサッカーを通して広がるつながり、成長し合える仲間とのご縁に感謝しながら、新年度もスポーツにおける安全安心のための、さまざまな情報をお届けできたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!
参考:日本整形外科スポーツ医学会
※本記事は、看護師としての経験や知識をもとに書かれているものです。 捻挫が疑われた場合は、必ず専門の医療機関をご受診ください。