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スポーツで頭を強く打った時に注意したい脳振とうについて

スポーツで頭を強く打った時に注意したい脳振とうについて

みなさんこんにちは。新学年となり新しい環境、カテゴリーでのサッカーの活動が始まり親子ともドキドキワクワクですよね。

サッカーのように激しいボディコンタクトのあるスポーツでは、さまざまなスポーツ外傷を負ってしまう事があります。先日もこどもの試合に付き添った際に、試合中頭を打ったらしい選手が救急車で運ばれる姿を目にしました。

このような状況で大人はどのように対応するのが良いのか?今回は、看護師としての知識・経験も踏まえた上で、脳震とうについてお話ししようと思います。

頭を強く打った場合に疑われる症状とは?

頭を強く打つと、頭の外側・内側に出血を起こしたり、脳震とうを起こしたりすることがあります。外側の出血は観察して分かりますが、頭の中での出血は観察しただけでは分かりません。脳外科のドクターでも頭の内側の出血は、外から見ただけでは判断できないほどです。

脳震とうとは?

頭、体に強い衝撃があった時に脳が揺さぶられひずみが生じて軽微な損傷を負った状態、CT、MRI検査などの画像検査をしても異常所見がない状態です。

脳震とうの主な症状として

  • 一時的に意識がなくなる
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 目がちかちかする、霧がかかったような見え方になる
  • ふらついて普通に歩けない
  • 手足に力が入りにくい
  • 舌がもつれて話しづらい
  • 会話が上手くとれない

これらの症状があったら、すぐにプレーを中止させ頭部をできるだけ手で固定し、頭や首をねじらず体を動かさないようにして安静に過ごしましょう。声をかけた時に、「大丈夫!」「やれます!」という本人の返事だけで、プレーを続行するのは危険です。

  • 意識が戻らない
  • 繰り返す嘔吐
  • 激しい頭痛
  • 手足が動かない
  • けいれん

これらの症状はとても危険な状態なので体を動かさずに直ぐに救急車を呼びましょう。

選手同士の接触プレイでも生じる可能性もある?

 

脳震とうは、必ずしも頭と頭がぶつかった時に生じるだけでなく、選手同士のからだの一部(膝、肘など)が強く接触したり、強く蹴られたボールを直接頭で受けたり、ゴールポストなどに頭を打つ場面などで生じる事があります。

場合によっては直接、頭を打たなくても体への強い刺激によって脳が強く揺さぶられることによって生じる場合もあります。例えばスライディングをした際に、相手選手の膝やスパイクが下あごに入るなどがあります。

セカンドインパクト症候群とは?

脳震とうに関連してセカンドインパクト症候群という注意して欲しい疾患があります。セカンドインパクト症候群とは、受傷後の短期間で2回目の衝撃で引き起こされるものです。

例えば、脳震とうの症状が回復したので一時的なものだろうと判断してプレイを続行した、受傷日は安静にしていたが翌日は症状がなかったため通常と同じようにプレイした。その際に再度、脳に大きな衝撃を受けた場合に、急性硬膜下血腫など脳出血が起こり生命にかかわる事になります。

頭部外傷を受けたにもかかわらず、脳しんとうと診断されなかった場合でも、受傷後24時間くらいは時々起こし寝ているのか意識がないのか注意するようにしてください。

少なくとも1〜2日は安静にし、単独で行動することも避けるようにしましょう。頭痛、吐き気やいつもと違うような症状などの様子がみられた場合は、すぐにもう一度ご受診してください。

ケガをした際の状況は確認しておく

転んだ、ぶつかったという状況をその場で見ていれば受傷後の症状を予測できることもあるかと思いますが、親が付き添えなかった時に、チームメイトの親御さん、コーチから「今日こんなことがありました」と連絡があると安心ですよね。

帰宅後に子どもに症状があっても、頭をぶつけたことを知らなければ、「疲れているのかな」と見過ごしてしまうことになります。そのような事を防ぐためにも、練習や試合で子どもに何かあったら親のもとへ報告が入るようにしておく事が大切です。

いずれにしても、子どもの様子が普段と違っていて、不安があればためらわずに受診しましょう。


※この記事は個人の感想です。脳振とうが疑われた場合は、必ず専門の医療機関をご受診ください。

参考:サッカーにおける脳振盪に対する指針

https://www.jfa.jp/medical/b08.html

WRITER PROFILE

chie
chie

サカママ歴6年のママです。
看護師、食生活アドバイザーからの視点で、サカママとして気をつけている事をお伝えできたらと思います。
子どもたちが夢中になっていることを全力で応援しともに楽しむ!
そんな時間を作るべく日々奮闘しています。