押さえておきたい!!成長期のケガと予防法
soccer MAMA WEB で全3回行ったオンラインイベント「成長期におけるケガ予防講座 presented by ニチバン」。その中から押さえておきたいポイントをピックアップ。足のストレッチやテーピングを取り入れて成長期におけるケガ予防に役立てましょう。
低学年頃から発症するケガも!早めの予防・アプローチが大切
ケガは、繰り返しのストレスで起こる「障害」と、1回の外力で起こる「外傷」に分けられます。成長期の子どもに起こる代表的なケガは、踵に痛みを生じる「シーバー病」、膝に起きる「オスグッド病」、腰に生じる「腰椎分離症」です。このようなケガを成長期のスポーツ障害と言うこともあります。一般的にシーバー病は低学年の頃から、オスグッド病は高学年頃、腰椎分離症は高学年〜中学生に多く発症します。どのケガも女子より男子に発生しやすいと言えるでしょう。
ケガにおいて大切なことは、自己判断するのではなく、必ずなるべく早い段階で医師の診察を受けること。9歳から12歳頃は「ゴールデンエイジ」と言われ、スポーツ特有のスキルや動作の基礎を築くためにとても重要な時期です。誤った判断や解釈によって、必要以上にサッカーができない期間が伸びてしまうと、子どもの将来のサッカー人生に大きく影響してしまう場合も。そうならないためにも、早期発見・早期アプローチが重要です。
■ケガが発症しやすい年齢
シーバー病 | 8~12歳頃 ※10歳頃の 男子に多い |
オスグッド病 | 10~14歳頃 ※女子は男子より 約1~2年早い |
腰椎分離症 |
12~14歳頃 ※14歳頃の 男子に多い |
シーバー病
十分な強度ではない成長期のかかとの骨を、硬くなったふくらはぎの筋肉と足底筋膜が引っ張り続けることでかかとに炎症がおきるケガ。初期はかかとを押した時、運動時や運動後に痛みが生じます。少し悪化すると、運動後、かかとが腫れたり熱を持つことがあり、この場合は必ずアイシングが必要。悪化すると日常生活でも歩行時に痛みが生じ、かかとを浮かせ、つま先で歩くように。シーバー病を防ぐには、ふくらはぎと足底筋膜を柔らかくしておきましょう。
ふくらはぎが硬いとシーバー病の原因に。柔軟性Check!
■ヒラメ筋(ふくらはぎの深層にある筋)
■腓腹筋 (ふくらはぎの表層の筋)
予防法「ふくらはぎのストレッチ」
■ヒラメ筋
■腓腹筋
予防法「足裏のエクササイズ」
シーバー病のテーピング
使うのはコレ!
バトルウィン™ セラポア™ テープ撥水50mm 1,045円
[準備]マスにカットしたテープを3本用意。テープの四隅は丸くカットしておく。
①1本目はかかとの裏側からテープを少し引っ張りながら、膝の下まで貼る。
②2本目は1本目のテープからやや外側にずらし、ふくらはぎの内側に貼る。
③3 本目は1本目のテープからやや内側にずらし、ふくらはぎの内側に貼る。アキレス腱の部分で3本が交差するように貼るのがポイント。
オスグッド病
太ももの前の筋である大腿四頭筋が骨を引っ張り続けることによって、骨の付着部に牽引ストレスが掛かり、骨が炎症を引き起こす障害。サッカーでは、キック足である利き足よりも軸足に発生しやすいのが特徴です。初期は、運動後に軽く痛みがあり、少し腫れる程度ですが、押した際の痛み(圧痛)は顕著。悪化すると骨の盛り上がりを確認でき、痛みによってプレーに支障が出る可能性も。予防するには、太もも前の筋肉を柔軟にしておくことが大切です。
太もも前が硬いとオスグッド病の原因に。柔軟性Check!
子どもがうつ伏せに寝た状態で、親が足を持って膝を曲げていく。かかとがお尻につけばOK。お尻が上がったり、お尻にかかとがつかないと太もも前の筋肉が硬い可能性大。
予防法「太もも前のストレッチ」
片膝立ちの姿勢になり、床についている膝は股関節より後ろに引く。片手でかかとをお尻に引き寄せ、腰を反りすぎないように太もも前を20~30秒伸ばす。反対の足も同様に行う。
オスグッド病のテーピング
使うのはコレ!
バトルウィン™
Wグリップ™ 50mm 1,045円
バトルウィン™
セラポア™ テープFX 50mm 1,078円
①膝の痛い部分の圧迫と皮ふを保護するためにWグリップを2~3周巻く。
②その上からセラポアテープを巻く。前側は強く圧迫するように、後ろ側は軽めに2~3周巻く。
腰椎分離症
腰の前側のカーブが強くなり、腰の骨である腰椎にストレスが掛かり続け疲労骨折を招くケガ。初期症状は腰を反った時に痛みがあり(安静時やスポーツ中に痛みはなし)、コルセットを用いて約3ヶ月程度固定すれば骨がくっつく確率は約90%。進行すると安静時でも痛みを生じ、しゃがむなどの日常生活の動作にも支障があり、約6ヶ月間コルセットでの固定が必要です。予防するためには、腰や股関節、太ももまわりの筋肉を柔軟に。
股関節の前側&太ももが硬いと腰椎分離症の原因に。柔軟性Check!
■股関節の前側
仰向けに寝て、片方の膝を曲げて両手で抱える。反対側の太ももが床についていればOK。
■太ももの裏側
子どもは仰向けに寝て、膝を伸ばして片足を上げる。親が足を持って支え、80度以上足を上げることができればOK。
※太もも前は上記を参照。
予防法「股関節前のストレッチ」「太もも裏のストレッチ」
片膝立ちの姿勢になり、床についている膝は股関節より後ろに引いて、手をできるだけ高く上げる。腰を反りすぎないように20~30秒伸ばす。反対の足も同様に行う。
片膝立ちの姿勢になり、片足を前方に出す。背中を真っ直ぐに保ちながら股関節から曲げ、太もも裏の伸びを感じるころで20~30秒静止する。反対の足も同様に行う。
※上記にある太もも前のストレッチも行いましょう。
腰椎分離症のテーピング
使うのはコレ!
バトルウィン™ セラポア™ テープ撥水50mm 1,045円
[準備]マスにカットしたテープを2本(A)、5マスにカットしたテープ(B)を4本用意。テープの四隅は丸くカットしておく。
①中央の背骨から握りこぶし1個分外側(右側)の筋肉に沿って腰の下側からテープ(A)を貼る。
②同様に背骨の左側の筋肉に沿ってテープ(A)を貼る。
③テープ(B)を左側から斜め上に貼る。
④テープ(B)を右側から斜め上へ、背骨の上で交差するように貼る。
⑤ ③のテープに1/2重なるように、テープ(B)を貼る。
⑥ ④のテープに1/2重なるように、テープ(B)を貼る。
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ニチバン株式会社 ヘルスケア営業統括部
☎ 03-5978-5632
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