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燃え尽き症候群でサッカー嫌いにならないために親子で実践したいこと【Monocular#19】

燃え尽き症候群でサッカー嫌いにならないために親子で実践したいこと【Monocular#19】

サカママの皆さん、いかがお過ごしでしょうか? サカママライターのマツユミです。暑さが本格的になり、屋外スポーツであるサッカーにとって過酷な季節になってきましたね。連日強い日差しを浴びながら、ボールを追いかける子どもたちの心身の健康が気になる時期でもあります。

熱中症の対策はもちろん、練習時間や試合回数が一気に増す夏休みを前に「こころ」の健康対策も忘れずにいたいですね。そこで、今回のコラムでは、いわゆる「燃え尽き状態」に陥らないために、日々できることをみなさんと考えていきたいと思います。

燃え尽き症候群とは?

さて、「燃え尽き症候群」とは、別名はバーンアウトとも言われています。スポーツ選手にとってのバーンアウトとは、「スポーツ活動や競技における意欲を失い、文字通り燃え尽きたように消耗・疲労した状態」(上田ほか 2023)と言われています。

サッカーキッズに置き換えてみると、「心身ともにサッカーから離れたい、サッカーを嫌いになる、サッカーをやめたいという感情」と言い換えることができるでしょうか。燃え尽きてしまう原因は様々ですが、主に過度のトレーニングや疲労回復の遅れ、プレッシャーや対人関係の悩みなどが挙げられるようです。では、子どもたちが「サッカーなんてやりたくない!」と心の悲鳴をあげる前に、私たちサカママができることは何でしょう。

サッカー詰めの日程は危険?

 
熱中症対策に効果抜群の冷凍あずき羊羹を補食にします。

多くのサッカーキッズはとにかくボールが大好き(笑)。サッカーが大好きだから、サッカーが楽しい、だからサッカーをやりたい!と思う子どもの心は正直です。もっと上手になりたい、チームの主力選手になりたいなど、一人ひとりの選手にそれぞれの目標がありますね。

ついつい練習は長時間になり、休息を十分に取れないまま次から次への試合に出ていきます。週末はお弁当を持参して、丸一日試合に出ることはもちろん、夏休みは遠征や合宿などサッカーで盛り沢山です。サッカーでギュウギュウに詰まった子どもたちの日常に、バーンアウトの危険が潜んでいます。

日本と海外では練習時間や夏休みの過ごし方が違う?

以前のコラムで紹介した「スペインへのサッカー遠征」に綴ったように、サッカー大国スペインの子どもたちは、「長時間練習」も「丸一日試合」もやっていないということを私たち親子は海外遠征という経験から知りました。スペインのサッカーキッズが行う日々の練習は1時間30分程度、週末試合も半日まで、夏休みは1か月程度サッカーから離れています。

それでも、力のある選手は育っていますし、何より大人になってもサッカーをやめることなく、それぞれのペースで楽しくサッカーを続けています。一方、日本では、夏休みの間に練習をやらないチームは聞いたことがありませんね。だからこそ、保護者がブレーキをかけることが大切だと感じています。

 
真夏の人工芝対応の靴底が白いスパイク

体の疲れと合わせて心の健康状態もチェック

 
夏の練習に欠かせないクーラーBOX

特に夏の時期は、大人が日傘の下でアイスコーヒーを片手に子どものサッカーを見ているだけでもヘトヘトです。子どもたちは、炎天下で全身を太陽にさらしながら全力で走っています。この状態で、疲れていない子どもはいません。疲れていないかな?体に負担がかかっていないかな?と常に子どもたちの様子をしっかりと観察することで、心の健康状態も見えてくるのではないでしょうか。

我が家では、チーム練習がある際は全力で取り組み、練習が終わったらサッカーをやらないことにしています。そして体の異変(痛みや疲れ)を少しでも感じた場合は、体の声に耳を傾けて、すぐに親やコーチに伝えることを約束しています。過度のトレーニングや疲労の蓄積は、怪我に直結しているだけでなく、心の疲れにもつながることを忘れたくないですね。


【参考文献】
上田他(2023)「大学生アスリートの心理的安全性がバーンアウトにおよぼす影響―競技不安と心理的競技能力に介してー」『広島大学心理学研究』第22号

WRITER PROFILE

マツユミ
マツユミ

「みんなちがって、みんないい社会とは?」を日々考える社会科学系研究者。2人のボーイズ(12歳・9歳)を育てるサカママ。兄は、サッカー8年目。一方、弟は兄の影響でサッカーを始めるも、現在はアイスホッケーに夢中。スポーツ医の夫と愛犬の5人家族。

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