中学卒業後のサッカー進路を考える~中学1年生編~
早いもので、サカママライターとしてコラムを書かせていただくようになってからちょうど1年が経ちました。読者の方からSNSを通じて共感のメッセージをいただくなど、私にとっても色々と励みになった1年でした。今年も「息子とサッカーとの関わりを通して、親である私が経験したこと、感じたこと」をメインに綴っていけたらと思います。よろしくお願いいたします。
さて、先月の今ごろはちょうどワールドカップで世界中が盛り上がっていた頃。日本代表チームの素晴らしい健闘ぶりに、心地よい寝不足の朝を迎えた方も多かったのではないでしょうか。「次々回開催の際はもしかしたらこの中の選手の誰かと一緒に試合に出ているかもしれないね」なんて親子で夢物語を語っていた我が家。そして、昨年末には所属するジュニアユースチームから早くも第一回目の進路希望アンケートの提出が求められたこともあり、中学卒業後の進路について初めて息子と真剣に話し合う機会が訪れました。
母が勝手にイメージしている夢を追う息子の姿
ワールドカップの開幕が近づくにつれ、メディアではサッカーの特別番組が組まれたり、若手選手や注目選手の密着ドキュメンタリーが放映されるなど、選手たちのこれまでのサッカー人生の歴史を垣間見る機会があったかと思います。息子にもぜひ観て欲しいと録画しながらも、結局は私の方がすっかり感銘を受けていたのが記憶に新しいです。なぜなら完全に「母親目線」で観ていたから。ここまでくる道のりは決して華やかではなかった。でもひたすら努力し続けた。そして今がある…こういうドラマチックな人生に母は弱いのです。そして「息子も夢に向かって努力し続ける大人になって欲しい」と、勝手にその姿を重ねてしまう。その一方で息子は「プロのサッカー選手になる」と口では言いながらも、そのために今から何をすればいいか、とは真剣には考えていない様子でした。中1男子、これが現実の姿です。
ジュニアユースチームにて早くも進路調査が!
そんな折、所属チームから中学卒業後の進路希望アンケートが配布されました。息子のチームはジュニアユースのみのチーム。ユース(U18)での活動はないため、中学卒業後もサッカーを続けたいのであれば、チーム探しをしなくてはなりません。そこで大きな課題となるのは高体連(全国高等学校体育連盟いわゆる部活動)でサッカー続けるか、ユースで続けるか。さらに高体連を選んだ場合は、ジュニアユース選びにはなかった「受験&進学」という、「学業」も考慮に入れてリサーチしなくてはなりません。そして、人によってはその先の「大学進学」を見据えてのチーム選びとなるでしょう。また、「自宅通学」の他に「寮生活」という選択肢が増えることも大きな要素かと思います。スポーツ強豪校となると、全国から選手が集まるため、寮を完備している学校も少なくありません。
息子が考える進路と親が考える進路
ジュニアユースチームのセレクションを受ける際は、「家から通える」「強いチーム」という単純な理由でチーム選びをしていました(その時のお話はこちら)。「強いチーム」という点に関しては、本人の実力と運次第となりますが、「家から通う」という絶対的に譲れないポイントがあったので、エントリーを考える時点である程度チームを絞ることができました。そしてそこには「進学」という懸念ポイントは全くありません。だからこそ純粋にサッカーを主体として考えることができたのです。
今のところ、息子は中学卒業後は高体連でサッカーを続けたいようなのですが、「絶対にここがいい!」と強く希望する学校も特になく…。なんとなくで息子の口からでてくる高校名は全て自宅からは通えない、東京から離れた「超」がつく有名強豪校ばかり。親としては自宅から通った方が金銭面的にも助かる、というのが本音ですが、行きたいというのなら応援したい。そして、できれば高校卒業後の進学先(就職先も…)も少しは考えて学校選びをして欲しいとも思ってしまいます。ジュニアユースのセレクション時とは違い、「大好きなサッカーを自分が楽しめる環境で続けたい」という純粋な気持ちだけでは、高校年代のチーム選びは難しいということを改めて実感しました。そして、最も重要なポイントはサッカーの技術だけでは進学できない、ということ。中学時代の学業の成績の基準をクリアして初めて掴み取ることができる「合格」なのです。
まだ中学1年生の息子にとって、「今のうちにコツコツと頑張っておかないと絶対に後で後悔するよ」という喝はなかなか効きません。「まだ1年生だから」「まだ時間はあるから」と、中学校生活の3年間を小学校の6年間と同じくらいの長さだと勘違いしているのでは…とも思ってしまうような反応です。とはいえ、きちんとした目標がないとなかなか動けないのは大人も子どもも一緒。一方で時間はどんどん過ぎていく。少しでも何か目標となるきっかけはないものか…と思っていた矢先の進路希望アンケートの提出でした。
進路調査アンケートで聞かれたことは?
ここで、アンケートに書かれた質問項目を紹介します。
①検討している進路
- サッカー推薦/スカウトによる高校進学(自宅通学)
- サッカー推薦/スカウトによる高校進学(寮生活)
- 一般受験、一般推薦による私立進学
- 一般受験、一般推薦による都立・県立進学
- Jリーグユース/クラブユースチーム
- 内部進学
②志望進路
- 第1志望~第3志望
- 上記の高校名/ユースチーム名
- 上記の志望理由
③直近の成績
- 通知表の成績(全教科)
- 3教科、5教科、9教科の評定平均
- 生活面(欠席・遅刻の回数)
④学習状況
- 1日の勉強時間
- 学習塾に通っているか否か
もちろん、各設問は全て本人が記入します。志望理由に一番苦戦していたのは言うまでもありません。
志望校を見つけるためには、自分で積極的に動くこと
ジュニアユースチームで「理想と現実」という壁にぶつかりながらも、将来の話をすると、「俺、中学卒業したら高校行かないで海外行く。で、海外のチームでサッカーやるよ」なんて何も考えずに言い放っていた息子。しかし、このアンケート用紙が配布されたことで自分の将来に真剣に向き合うことを余儀なくされました。
思えば卒業後の進路について親子でまともに話す時間ができたのはこの時が初めて。気になるチームがあればネットで検索。父親とも一緒に閲覧しながら、それらの学校に自分が所属しているチームのOBはいるかなども調べていました。最近の子は自宅にいても多種多様な情報を入手できるので幸せですね。だからこそ、それを活用しないのはもったいないとも思います。特に動画の検索は慣れたもので、親の気付かないところで気になる学校の練習風景の動画なども検索していました。普段色々と相談にのってくれるコーチの出身校も気になるからと、海外在住のコーチに電話で直接聞くまでの行動に出ていたことにはびっくりです。
我が子のやる気スイッチ。それが押されるきっかけは親にとって永遠と続く宝探しのようなもの。でも、どんな小さなものでもその宝を見逃さず、2年後の息子が路頭に迷わないようなサポートができればと思います。もちろん、それが「サッカーを続ける」という選択ではなくなっても。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。私の経験談が、誰かのお役に立てることを願って…。