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トップアスリートに関わる管理栄養士が感じた「トップになる選手の食事の特徴」

こんにちは。管理栄養士の佐藤彩香です。
今回は栄養の話から少し方向を変えて、私が普段関わっているアスリートの方々の共通点をお話ししたいと思います。特に私はサッカー選手を担当することが多いのですが、中にはワールドカップに出場された選手もいます。そういったトップアスリートたちがどんな食事をしていたのか、そしてどう食事と向き合ってきたのかをお伝えします。

アスリートの食事の特徴①どんな環境でもしっかり食べる!

 

いきなり結論になりますが、やっぱり食べる選手は強いです。トップアスリートはどんな状況に置かれても、しっかり食べています。例えば、自分が住んでいる地域を離れて挑戦する時。海外に行って今まで通りの食事も難しい中、好き嫌いなんてしていられるでしょうか? アスリートの資本は身体ですから、そのためにも色々な食材から必要な栄養素をとっていかないといけません。そのためにも、ジュニアの時期から様々な食材を食べるトレーニングをしておけるといいですね。

アスリートの食事の特徴②1日3食以上の頻回食が多い

トップアスリートは朝昼晩の3食に加えて、補食の意識を非常に高く持っています。運動の前後はもちろん、昼食から夕食までの時間が空くようであればその合間にも食事をとっています。特に、おにぎりや焼き芋といった炭水化物、ヨーグルトやチーズなどのタンパク質をこまめに摂っている印象です。常に栄養を摂って素早くリカバリーするということが行動に現れているなと感じます。

アスリートの食事の特徴③メリハリがしっかりしている

ここまで読んで、「やっぱりアスリートの人は食事意識が高いんだ……」と思ったかもしれませんね。確かにトップアスリートには食事の意識が高い方が多いですが、毎食100点満点の食事をしているかというと、案外そうでもありません。例えば、甘いものや油っぽいものを食べることだってあります。ただし、こういった食事をとった際には、次の食事で足りていなかった栄養素を補ったり、食べ過ぎていたら次の食事は量を減らすといった工夫を必ずしています。トップアスリートはこのメリハリ、切り替えが上手いため、1日や1週間単位で見るとしっかり食事のバランスが取れている傾向があるのです

アスリートの食事の特徴④セルフチェックを必ず行う

 

トップアスリートは自分の体調のチェックを怠りません。例えば、便(いつもより硬い・柔らかい)や尿(いつもより濃い・薄い)の確認です。身体から出るものは自分の身体が表すサインですから、そのサインを見逃さないようにしているのです。

ただここで忘れてはいけないのは、知識がないと対策を考えられないということです。「いつもと違う!」となった時に、「これが原因かな?」と振り返るには、多少の知識を持ち合わせていないといけません。例えば、便の調子が悪ければ、「最近発酵食品を食べてなかったな」「お肉ばかりで野菜を食べてなかったな」というように、振り返って原因を考えられるようになることが大切です。そのためにもこういった記事を読み、少しずつでもいいので知識を貯めていきましょう。トップアスリートは知識を入れることにも貪欲ですよ。

アスリートの食事の特徴⑤全てが自己責任であることを知っている

トップアスリートは自分の選択に責任を持って行動します。それは食事の場面でも同じです。例えば、「よく分かんないけど、○○さんが食べていたから自分も食べている」「○○さんに言われたから食べなきゃ」なんてことはしません。最初はこの入り方の場合もありますが、取り入れた結果それが良いのか悪いのかは自分の身体をしっかり観察して判断されています。良かったものは納得して続け、合わないものはやめるという選択ができているのです。これは、自分の身体やプレーは、最終的に自分次第であるということを認識しているからこそのこと。食事に関しても自分の身体に必要だと感じ、納得した上で取り組んでいる選手が多いです

アスリートの食事の特徴⑥なぜやるのかが明確

最後はここにつきます。トップアスリートは、今の自分の課題と食事をしっかりリンクして考えることができている方が多いです。ただ漠然と「バランスの良い食事をする」という考えだと中々続けるのが難しいですが、目的が明確であるからこそ食べ続けていくことが上手いのです。例えば……

・当たり負けしないように身体を大きくする必要がある⇨身体を大きくするためのトレーニングを増やす⇨食事は3食+補食でしっかりエネルギーを補給する
・疲れると食欲がなくなる⇨食べることができないと体重が減ってしまう⇨何だったら食べられるのかを考えて、練習の時から食べることに挑戦してみる

こんな感じです。自分の課題と食事をリンクさせて考えることが食事を継続していくためには大事ですので、ただやみくもに取り組むのではなく、「なぜ」取り組むのかを考えていきましょう。

ジュニア年代のうちに出来ることから親子で取り組もう!

以上、「アスリートの食事の特徴」で6つ感じていることをシェアしました。
これら全てをジュニア年代で身に付けることはとても大変です。でも、年代が上がるにつれてこれらが自然に出来るようになるためには、親御さんの協力が必要不可欠!トップアスリートに共通している食事の特徴を踏まえて、好き嫌いをなくしたり、補食を取り入れたり……と、出来ることからお子さんと取り組んでみてくださいね。

WRITER PROFILE

佐藤彩香

管理栄養士
企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。実践型の栄養サポートを行い、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計1万人を超える人々と関わる。現在はアスリート栄養サポート、専門学校非常勤講師、セミナー講師、レシピ開発なども行いながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動。

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