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女子サッカーの環境不足。サッカーを続ける場所がなかったら、諦めないとダメ?

こんにちは! 元なでしこリーガーの吉野有香です。

今月はセレクションに残念ながら落ちてしまった女の子が、サッカーする場所がないという問題について書いていこうと思います。

サッカーを続ける道は、一つじゃない

私が小学生、中学生だったころは、今よりきっと女子サッカーのチームが少なかったと思います。実際に私が住んでいた地域では、小学生の女子サッカーチームはありましたが、中学生年代の女子サッカーチームはありませんでした。

そして中学年代に入ってからどこでサッカーを続けるか考えたときに、中学のサッカー部に入り、男子の中でサッカーをやることも検討したのですが、顧問の先生に女だからという理由で入部を断られてしまいました。

そんなこともあり、私は田舎から女子サッカーチームのある場所まで電車で1時間以上かけて通う、という選択をしました。ただ、全ての家庭がその選択をできるわけではないと思います。

その後、私は高校では女子サッカー部に入ったのですが、中学の頃はサッカーをするところがなくて、陸上部で3年間過ごしたという子もいました。ちなみに、その子はサッカー部でレギュラーになり、なでしこリーグの選手にまでなりました。
この子の他にも、普段は陸上部で活動し、土日だけサッカーをするという生活スタイルだったという子が何人かいました。

サッカーが上手くなる近道は、サッカーだけをずっと続けること。当時の私はそんな風に思っていましたが、そういった子たちの話を聞いたり、実際に彼女たちの活躍を見たことで、それ以外にも方法はあるんだなと思ったことを覚えています。陸上で鍛えた脚の速さや体力が、高校になったときにサッカーでしっかりと活きていたんですね。

そして、どんな環境でも、諦めずに自分が「サッカーを続けたい、上を目指したい」と思ったら、上までいけるんだということも分かりましたし、サッカーをする環境が整っていなくても、自分なりに努力を続ける選手たちの心の強さを感じました。

なので、もし今、セレクションに落ちてしまったりして、サッカーができない環境になってしまっても、色々な続け方があるというのを知ってほしいです。
学校では違う部活に入り、土日だけ、少し遠くてもどこかの女子サッカーチームに所属する、少しレベルが上がりますが、地域選抜に選ばれるよう努力する、そんな風にしていけば、サッカーをやる道は途絶えないと思います。

もちろん、気軽に女子サッカーを続けたい選手にとっては難しい選択だと思います。 だけど、本当にやりたい気持ちがあれば諦めないで、方法を探して欲しいと思います。

女子サッカーの環境はすぐに整えるということは、なかなか難しいと思います。数年でできる話ではありません。だけど、本当にサッカーがしたいという心の強さが、上のカテゴリーに繋がるカギになるのではないでしょうか?

WRITER PROFILE

吉野有香
吉野有香

元なでしこリーガー(女子サッカー選手)

愛知県出身。常盤木学園で全国大会優勝を経験後、なでしこリーグのクラブに加入。引退後に起業し、サッカー指導者やメンタルコーチ、解説MCなど、全国で広く活動している。
現在は株式会社ゆかサルを設立。京丹後市に女子サッカークラブを立ち上げ、まちおこしとサッカーを掛け合わせたプロジェクトを発足。同時に女子アスリートのキャリア支援なども行っている。

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