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ケガを予防する運動前ストレッチと疲労回復を促進する運動後ストレッチ

皆さまこんにちは! いかがおすごしでしょうか?
サッカーコーチ・パーソナルトレーナー、企業研修・経営コンサルタントの丸山寛之です。

今回は、運動前・運動後におすすめのストレッチをご紹介したいと思います。
「ストレッチならしっかりやっているよ!」と言う方も多いかもしれませんが、運動前にするとパフォーマンスを下げてしまうストレッチを先に行っていたり、運動前にやった方が効果的なストレッチを運動後に行っていたりするケースが良くあります。

身体をほぐさずに急に激しい運動を始めたりするとケガの元になりますし、パフォーマンスも発揮できません。運動前にはパフォーマンスを発揮しやすくし、ケガ予防に効果的なストレッチを、運動後には疲れを残さないようにするためのストレッチを行うことが大切です。

運動前と運動後、それぞれのストレッチの目的は?

 

一般的に運動前に行うストレッチはウォーミングアップと言われたり、運動後に行うストレッチはクールダウンと言われたりしますね。運動前には「ウォーミングアップをしよう!」、運動後には「クールダウンをしよう!」と言いつつ、運動後も運動前も同じアキレス腱伸ばしや屈伸等のストレッチをしている光景をよく目にします。

ですが、アキレス腱伸ばしは運動後に行った方がよいストレッチ。運動後に行った方がよいストレッチを運動前に行うと、筋肉が伸びてしまい、パフォーマンスの低下を招く場合もあるので注意が必要です。まずは、運動前と運動後のストレッチの目的を考えてみましょう。

ウォーミングアップは運動前のストレッチで、ケガを予防し、運動のパフォーマンスを最大化させることが目的です。
運動で使う筋肉を動かすことでほぐし、血流を高めることで、筋肉や健の温度が上がり、柔軟性、弾力性が高まります。これにより筋肉の筋収縮速度が高まるとともに関節の可動域が広がり、パフォーマンスが上がります。同時に筋肉の断裂や関節の捻挫等のケガを予防することにも繋がります。

一方、クールダウンは運動後のストレッチで、筋肉のケアと疲労回復が目的です。
激しい運動でテンションが高くなった筋肉をほぐすために、軽いジョギングやストレッチを行いながら身体を元の状態に戻していき、疲労物質の排出しやすい状態を作ります。

ストレッチは大きく分けて2種類ある!

ストレッチには大きく分けると2種類のストレッチがあります。一つは動的なストレッチの「ダイナミックストレッチ」、もう一つは静的なストレッチの「スタティックストレッチ」です。動的なダイナミックストレッチはウォーミングアップに適しており、スタティックストレッチはクールダウンに適しています。

ダイナミックストレッチは身体を動かしながら行うストレッチで、ラジオ体操のように関節を回したり、飛んだり、手足を広げたりする動きを行います。一方でスタティックストレッチは運動で使った筋肉を反動をつけずにゆっくり伸ばしたり、マッサージをしたりするストレッチです。それぞれ先にあげた、ウォーミングアップとクールダウンの目的に合致しています。

それでは、ダイナミックストレッチとスタティックストレッチの具体的な運動方法をご紹介します。

ダイナミックストレッチ(運動前のストレッチ)

サッカーの練習や試合前のダイナミックストレッチは、サッカーの動作をイメージした動きを取り入れるやり方が使う部分を優先的にほぐすことができるので、おすすめです。

私がよく行っているメニューをご紹介します。

  1. 歩くより少し早いくらいの速度で軽いジョギング(グラウンド1週程度)
  2. 屈伸(5回程度)膝のケア
  3. その場で両足ジャンプ
    (5回)間接のケア
  4. その場で両足前後にジャンプ
    (5回)間接のケア
  5. その場で両足左右にジャンプ
    (5回)間接のケア
  6. その場で方足ジャンプ
    (5回)×左右 間接のケア
  7. その場で片足前後にジャンプ
    (5回)×左右 間接のケア
  8. その場で片足左右にジャンプ
    (5回)×左右 間接のケア
  9. 片足ずつ膝を伸ばしたまま腰の高さまで前に上げる
    (3回)×左右 筋肉のケア
  10. 片足ずつ膝を伸ばしたまま腰の高さまで真横に上げる
    (3回)×左右 筋肉のケア
  11. 片足ずつ膝を伸ばしたまま腰の高さまで後に上げる
    (3回)×左右 筋肉のケア
  12. その場でボールを蹴る動作
    (3回)×左右 間接と筋肉のケア
  13. 10m程度ダッシュしてターン
    (5回程度) 間接と筋肉のケア

足を使う代表的なものをあげましたが、他にも二人で手押し相撲やジャンプして肩をぶつけ合う等、上半身のストレッチも取り入れるとより良いかと思います。

スタティックストレッチ(運動後のストレッチ)

次にスタティックストレッチです。ポイントは一つひとつ反動をつけずに20秒程度時間をかけてゆっくり伸ばすことです。慌ててサッサとやってしまっては効果を望めないので、注意してくださいね。

  1. アキレス腱伸ばし
    前後に足を開き、両足ともかかとを地面につけたまま前足に体重を乗せ沈み込むようにして後足のアキレス腱を伸ばす。
  2. ももの裏の筋肉を伸ばす
    長座の状態から片足を引いて、伸ばしている方の足のつま先を手で手前に引きます。
    左右行ったら、次は両足を伸ばして同じように行います。
  3. 太ももの表の筋肉を伸ばす
    長座の状態から片足から足首を伸ばした状態で膝を曲げる。ゆっくりと身体を後に倒し、肘をつく。痛みが無ければ仰向けになります。(左右)
  4. 太ももの内側の筋肉を伸ばす
    長座の状態から膝を曲げて、足の裏と裏を合わせます。ゆっくり身体を前に倒しながら、太ももの内側の筋肉を伸ばします。

代表的なものをあげましたが、他にも太ももの外側や臀部、腰のストレッチを入れると良いと思います。また二人一組で、お互いの身体を伸ばし合う等も良いですね。

いかがでしたでしょうか? 運動前と運動後、それぞれのストレッチの目的を抑えて適切な方法で行うことがポイントですので、ぜひ意識してみてくださいね。

次回はまた状況をみてテーマを決めたいと思います。お楽しみに!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。皆さま、お体に気を付けてお過ごしください!!

WRITER PROFILE

丸山寛之

コア・エリート株式会社 代表取締役社長。 JFA公認C級コーチ、JFA3級審判員。 強いチームをつくる、チームプロデューサーとして経営コンサルティング、企業研修、講演等の傍ら東京都においてU-12の女子サッカーのトレセンコーチ、U-15の女子クラブチームのコーチを行う。また、年に数回はJFAのガールズフェスティバル等の開催にも加わり、将来のなでしこ育成に携わっている。