【睡眠×記憶力】記憶力がアップする睡眠のとり方とは?
みなさん、こんにちは!
【スポーツ×睡眠】をコンセプトにアスリートの睡眠サポートを行っている、スリープトレーナーのヒラノマリです。
年明けからの受験シーズンに最後の追い込みをされているお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、睡眠と記憶力の関係についてご紹介します!
記憶のメカニズム
私たちの記憶は、目や耳から入った情報が大脳皮質に蓄積されることで形成されます。
しかし、すべての情報が大脳皮質に蓄積されるわけではなく、海馬という小指大の部位で大切な情報は一旦海馬に保存し、いらない情報は捨てるという記憶の取捨選択がされています。
大切な情報は、一時的な小容量の保管庫である海馬から長期的な大容量の保管庫である大脳皮質に移動することで記憶が定着します。
いわば、海馬は一時的に情報を保存するUSB、大脳皮質は長期にわたって情報を保存するハードディスクのようなものと言えます。
記憶が長期的に保存されるにはハードディスクにきちんと情報が保存されることが大切になります。
そして、睡眠にはノンレム睡眠時に海馬から大脳に情報の引越しが行われ、レム睡眠時にその記憶を安定させ、長期的な記憶として定着させるという役割があり、『試験前はよく寝た方がいい』という由縁はここにあります。
記憶力は生まれ持った能力ではない?!睡眠で記憶力を高まる理由
「生まれつき記憶力が良いから」という表現をよく聞きますが、これは本当なのでしょうか?
この記憶力の差は、海馬に秘密があります。
前述のとおり、海馬はUSBのようなものでその記憶の容量も無限ではありません。容量がいっぱいになると新しい情報を入れることができなくなってしまいます。
そのため、試験勉強などでたくさんの情報を吸収し、記憶するためには、海馬の記憶容量の空きが必要になります。
この海馬の記憶容量の空きの大きさは、生まれ持った能力ではなく、浅いノンレム睡眠時にでる睡眠紡錘波の多さが関係しています。
記憶力の良し悪しは生まれつきではなく、睡眠中に睡眠紡錘波が多いほど、起きたときの海馬の記憶容量の空きが大きくなるのです。
一見徹夜などをして少しでも長い間、参考書をめくっている方が新しい情報を覚えられるように見えますが、睡眠をとらないと海馬の記憶の容量がいっぱいになってしまい、新しい情報が入らないので逆効果ということになります。
また、よく加齢によって記憶力が悪くなるとも言われていますが、これも睡眠が大きく関係しています。
60~80歳の高齢者は若い人に比べて睡眠紡錘波の数が40%ほど減少してしまいます。
そのため、夜の間に海馬の容量を空けることができず、翌日の記憶力にも影響してしまっているのです。
お昼寝も効果あり!記憶力が上がる睡眠のポイントとは?
それでは、どのようにすれば睡眠で記憶力を上げることができるのでしょうか。
そのポイントをご紹介します。
① 睡眠時間は削らない!
前述のとおり、記憶力は睡眠紡錘波の数が多ければよくなります。この睡眠紡錘波は明け方の浅いノンレム睡眠時に多くでるため、朝方にきちんと眠れているかどうかが重要となります。
大人でも睡眠時間が6時間以下になると、睡眠紡錘波の活動が十分にできず、記憶力が落ちてしまいます。中学受験を控えたお子さんであれば「9〜11時間」、高校受験を控えたお子さんであれば「8〜10時間」は睡眠時間を確保するようにしましょう。
② 暗記ものは寝る30分前にする!
アメリカの心理学者が実施した研究では、暗記をしたあとに一定時間起きていた場合と、暗記をしてからすぐに眠った場合とでは、すぐ寝たときの方が記憶力が長続きしたのだそう。
暗記したものが他の情報と混ざり合って錯乱させないためにも、勉強が終わった後はスマホやTVなどを見ずにそのまま就寝するのもポイントです。
③ 眠いときは適度にお昼寝をとる!
アメリカの研究で、お昼寝をとったグループととらなかったグループとでは、お昼寝をとったグループの方が20%も成績がよかったという報告があり、お昼寝でも海馬の記憶容量を空ける睡眠紡錘波がでることがわかっています。
疲れてしまったときには、夜の睡眠に影響がでない範囲でお昼寝を取り入れてみるのもおすすめです。
ついつい頑張りすぎて睡眠時間を削りがちですが、寝ることが睡眠をミカタにつけて効率よく勉強をする近道になります。
ここぞ!というときに思い出してみてくださいね!