アメリカ少年サッカー記22「思春期のサッカー少年とどう向き合いますか?」
増えるTVゲームの時間と悪戦苦闘
今年はコロナウィルスの感染拡大を受け、春先から学校の授業はオンラインになり、秋学期は対面授業に戻ったものの、友達の家や、映画、外食、旅行に行きにくい状況が続いています。息子は、サッカーの練習や試合に出かける以外は、すっかり家に籠るようになりました。友達とは、オンラインで話しながらテレビゲームを楽しんでいます。
ところが、そのゲームの時間が日に日に伸びていき、親としては、ゲームの時間をどうコントロールさせるか、悩みます。特に、気になるのは、サッカーの練習への出発時間ギリギリまでゲームをする点です。その結果、サッカーの準備はいつもドタバタで、出発1分前に、あれがない、これがない、と大騒ぎ。その態度を注意したら、練習には間に合うし、焦りすぎ、などとスカした返答が返ってきます。13歳のティーネイジャーになり、親子の関係が少しずつ変化してきました。さらに、parentingが難しいとされる思春期に突入する子供に対し、サッカーを通してどう向き合えば良いのでしょうか?
難しいコミュニケーション
日本では、中学生になれば、自分でチーム練習や試合に行くようになり、どんどん親の手を離れて自立していくのだと思います。ところが、アメリカは完全な車社会で、どんな場所に行くのにもまだ親の手助けが必要です。この蜜な親子関係が、良くもあり悪くもあり。息子と過ごす時間が多いのは嬉しいことです。一方で、送迎すれば、どうしても子供のサッカーの様子が目に入ってしまいます。そうすると、つい、試合中や練習の出来事が気になります。特に私は、出来ていることよりも、出来ていないところが気になるのです。
残念ながら、私は、サッカーを深く知らないので、子供と有益なサッカーの話はできそうもありません。そのため、試合や練習後に、息子とコミュニケーションを取りたいと思うと、出来なかったところ、例えば、シュートを外した原因などを、突っ込んで聞いてみたくなります。ところが、そんな質問に、息子はあんまり答えたくないようで、会話が一向に弾みません。
このように、子供との向き合い方に徐々に難しさを感じ始めてきたので、parentingの情報から、スポーツをする思春期の子供とどう向き合うかを調べてみました。
子供自身に経験させる
思春期の子供には、自分の意見を押し付ける質問はしてはいけないようです。私の場合、シュートを外す=この試合の一番の失敗、と決め付けて、それを前提にどうして失敗したのか、どうしたら次に失敗しないのかを質問しています。これは私の意見が入った狭い質問です。それよりも、思春期の子供には、子供自身に考えさせるような質問が良いそうです。例えば、「今日の一番よかったプレーは何?」とか、「次の試合でよくするために必要なことは何かある?」などです。一番良いプレー、一番悪いプレーを決めるのは親ではなく子供であり、その先の解決策まで子供自身に考えさせるやり方です。
こうした質問は、子供自身に経験させること、に通じていると言います。これは、ティーネイジャーに限らず、幼稚園生や小学生に対し、失敗すると分かっていても自由にやらせ経験させること、と類似するのかもしれません。親として、子供の失敗や障害は取り払いたくなるものです。もちろん、命の危険を伴う障害は全力で取り払うのは当然です。でも、そうでない場合では、子供自身に経験させること、それを親は見守ること、そして、彼らの現実を認めることが、子供の人格が今後どう形成されていくか、につながるようです。
リスクを取ることを応援する
そして冒頭の、私を悩ませている息子のテレビゲームの件。なんでギリギリまでゲームをするのかなぁとイラッとさせられるわけですが、これは思春期の子供が、まだ色んな物事の段取りや見積もりに甘いことに起因するようです。そして、ティーネイジャーはリクステイカーであり、そのために失敗もします。このリスクをとることは、実はスポーツでは大事なことで、子供がスポーツで成功するには、快適なゾーンから飛び出し、間違いを犯してでもリクスを取っていく必要があると言います。親は、そんな子供がリスクを取ることに応援するべき、とあります。
そう言われると、ギリギリまでゲームをする事も何だか許せる気がしてきますが、そもそも、ゲームにそこまで没頭するのはどうなんだ?という本質的な疑問も湧いてきて、この混沌とした気持ちは私の中でまだ消化できそうもありません。