メインコンテンツに移動

イギリスサッカー便り【我が家の移住にまつわるお話】

3月も半ばになり、少しずつ春の気配が感じられるようにもなってきたイギリスからこんにちは!

今月末でイギリスに移住してちょうど1年がたちます。

ここイギリスでも新型コロナウィルスの影響で、つい先日からサッカーの活動も休止になってしまいました。

1日も早く終息し、また大好きなサッカーができるようになることを願うしかありません。

今月はそんな我が家のイギリスへの移住にまつわるお話をさせていただこうと思います。

 

地元のクラブチームでサイン

家の前

長男は2018年7月に渡英しました。そのときたまたま近くの芝生でトレーニングしていた地元のチームに体験に行き、そのままチームに。そのチームはローカルの6部リーグに所属しているチームでしたが、何もわからない、友達もいない状態でいきなりイギリス生活が始まった長男にとって、サッカーする場所があり、知り合いができたことは生活に慣れていく上でとても助かりました。

半年くらいたったあと、周りの人から色々な情報を得て、地元の強豪クラブチームの練習に参加させていただくことになり、シーズン後半は元々のチームに行きながら、新しいチームの練習にも参加する、ということをやっていました。2018-19シーズンを終え、2019-20シーズンは新しいチームの方でサインすることになりました。

 

遅れて次男が渡英したのが2019年3月末なのですが、イギリスに着いた翌日に長男が練習に行っていたクラブチームのトライアルに参加させていただくことに。3月末はちょうど2018-19シーズンも終盤戦に突入する時期、かつ来シーズンのSquad(チーム)のことも考え始める時期で、次男の他にもたくさんトライアルに来ている選手たちがいました。

それから週2回の平日練習に参加させていただくことになるのですが、トライアルは毎回が勝負。次の練習には来なくなった選手や、数回来ていたけど来なくなった選手もたくさんいました。そしてどんどん数が絞り込まれ、次シーズンのSquadが決められていく、という流れでした。結果、昨シーズンから残留できた選手(できなかった選手もいます)+4名の新加入選手が今シーズンのSquadに。ありがたいことに一学年下だった次男もその中に入ることができ、無事今シーズンプレーできるチームが決まりました。

 

インターナショナルクリアランス

今は問題なくイングランドサッカー協会での登録も済み、息子たちは公式戦に出場しているのですが、渡英してすぐ登録できたわけではありません。元々日本サッカー協会で選手登録されていた息子たちがイングランドサッカー協会で新たに登録されるのは、"国際的な移籍"にあたります。10歳以上の選手がイングランドのクラブで選手登録するには、インターナショナルクリアランスを申請する必要がありました。

近年、国際サッカー連盟(FIFA)が未成年選手の国際的なサッカー移籍を問題視していることもあり、原則として18歳未満の子供の国際移籍を禁止し、例外的に認める場合として下記の3つのケースを規定しています。
 
(1)両親がサッカーとは関係ない理由で移住する場合
(2)隣国同士で、選手の自宅、クラブの所在地がとも国境から50キロ以内にあること
(3)選手が16歳~18歳の場合は、移籍先と移籍元のクラブがともに欧州連合(EU)か欧州経済領域(EEA)に属しており、教育やトレーニングを十分に与えることができる状況にあること

 

我が家の場合は、例外(1)に当てはまるので、登録の申請は可能だったのですが、それを証明するためにたくさんの書類の提出を求められました。

  • 選手の出生証明書
  • 選手のパスポート
  • 父親のパスポート
  • 母親のパスポート
  • 居住証明書(水道、電気、ガスなどの支払い証明)
  • 親の就労証明書

 

クラブを通じてイングランドサッカー協会へ、そしてそこから日本サッカー協会、日本で所属していたクラブへと連絡がいき、一連の手続きを経てインターナショナルクリアランスが完了、晴れてイングランドのクラブチームで登録され、公式戦に出場が可能になった、という流れでした。

長男の場合、2018-19シーズンが始まる直前での加入だったため、このクリアランスにとても時間がかかってしまい、1ヶ月以上試合に出れないという状態が続き、とてもヤキモキしたようです。幸い次男の場合は、シーズンスタートまで十分な時間がある時期での申請となったので、2019-20シーズンには間に合うことができました。

 

イギリスサッカーチャレンジの始まり

bohunt

晴れて正式にクラブの一員として練習、試合に参加させてもらうようになりましたが、最初はやはり英語のバリアがありました。はじめの頃は、まわりの選手たちのやることを見て、自分も同じようにやる、ということを繰り返していたようです。サッカーはサッカー、基本的なルールは同じとはいえ、サッカー用語であったり言葉の使われ方であったり、今までとは全く違う未知の世界。日本語は一切通じない。コーチの指示がわからない、チームメートの言ってることが理解できない、なのでコミュニケーションが取れない・・・そんな状態がしばらく続いたようです。

 

それでも大好きなサッカーができることが楽しくて嬉しくて仕方なかった息子たちは、そんな状況でも一切弱音を吐くこともなく、むしろ日々新しいことを学び、色々なことを吸収し、次第にチームメートとも打ち解け、チームに馴染んでいきました。イングランドサッカーシーズン2年目の長男は、すっかり英語も上達し、チームメートと談笑する姿も見られるように(もうすっかり私より英語がわかるように!笑)。コーチやチームメートとのコミュニケーションも問題なくできているようで、親としても一安心です。

次男は、戦術的なことなど、細かなところの理解がまだ難しい場合もあるので、定期的にコーチと会話する時間を積極的に持つようにしています。必要に応じて通訳し、コーチの考え、チームの戦術、そして次男の意見をお互い確認できる時間をつくることで、精神的にも安心してサッカーに打ち込める環境が作れるようになってきました。そうすることで、おのずと結果もついてくるようになったように思います。そして色々な新たなチャンスが巡ってくるようにもなり始めました。

 

まだまだイギリスでのサッカーチャレンジは始まったばかり。

これからも息子たちと二人三脚で楽しみながら頑張っていけたらなと思っています!

WRITER PROFILE

クリストファーズ佳世
クリストファーズ佳世

イギリス在住、3兄弟(16歳、14歳、11歳)を育てる現役サカママ。 神戸市在住時は、地元の強豪クラブチームで6年間サカママ生活を満喫。2019年3月にイギリス移住後は、サッカーの本場・イングランドでシーズン1年目の新米サカママとして生活をスタート。 日本とイギリスのサッカー事情の違いなどを、サカママならではの目線で伝えていきます。