駿台学園高校(東京/私立)関東大会都予選で4試合15発! 3部所属チームが首都の台風の目となるか?【全国強豪校REPORT】
修徳、国士館、大森学園、そして帝京を逆転で下す快進撃
6-3で大森学園に逆転勝ちを収め、10年ぶりの関東高校サッカー大会東京都予選準決勝進出を決めた試合後、駿台学園のGK猪田光哉主将は「ウチは勢いだけというか……そんなに強いチームじゃないというのがあるんですけれども……気楽にやれている」と微笑んでいた。
自分たちが特別強いチームだとは思っていない。それでも伝統校の修徳に4-0、国士舘に3-1でそれぞれ勝利し、新鋭の大森学園戦は大量6ゴール。続く準決勝ではDF三澤崚太とFW大野竜之のゴールによって名門・帝京に2-1で逆転勝ちし、08年度以来となる関東大会出場権を獲得した。
4試合で計15ゴール。大森一仁監督は「3月までは大量得点を獲るような感じではなかった」と苦笑いするが、最前線で一生懸命にボールを追い続けるFW上原飛翔や関東大会初戦から3試合連続2ゴールのエースMF布施谷翔、10番笹本周、MF高根沢翔らが繰り出す攻撃、そして走力あるチームは勢いに乗ったら止まらない。
なかなか都大会で結果が出なかった時期があったものの、昨年度の選手権予選で8強入り。原点に戻って走ること、対人のところをしっかりと競ることから見つめ直してきたチームは「やっていることは間違っていない」と自信を持って取り組み続け、指揮官も求めるレベルに近づいてきたことを認めるほどになっている。
選手とスタンドの一体感が“イケイケ”の空気を生み、勢いを増す
駿台学園は自分たちのやるべきことを徹底する姿勢、勢いに加えて、応援のアツさも特長だ。スタンドの控え部員からは毎回、“厳しすぎる”ような檄が飛ぶ。ピッチの選手たちも「スタンド、ちょっと厳しいですよね」と苦笑いするほどだが、入りの悪い選手への厳しい指摘や緩いプレーを見逃さない理由は、チームとして一緒に戦っているから。布施谷は「みんな仲が良いから言えると思います。逆転したらスタンドもうるさいし、自分たちもイケイケになる」と彼らの存在が自分たちを乗せてくれることを感謝していた。そして、猪田は得点後や勝利後に全力で喜んでくれるチームメートたちに対して「(スタンドがアツく応援してくれているから)出ている選手は覚悟を持ってやらないといけない。見ている選手のために戦う」と力を込める。
新チーム発足後に掲げた目標は東京都でベスト8、ベスト4に入ること。その大目標はすでにクリアし、「行ってみたいです」(布施谷)という関東大会出場も決めた。東京都3部リーグ所属の駿台学園が見せている快進撃。6月の関東大会もスタンドのアツい声援の中、自分たちに自信を持って戦い、インターハイ、選手権での全国出場に繋げる。