米子北高校(鳥取/私立)初の選手権ベスト8で大躍進 MF佐野海舟を軸に、次に狙うは全国制覇【全国強豪校REPORT】
初の選手権ベスト8進出も、痛感した王者との明確な差
8年連続の選手権出場を果たした米子北(鳥取)は選手権で初となる全国ベスト8。チームの歴史を塗り替えた。「山学戦に勝つことに集中していた」(中村真吾監督)という米子北は、注目カードとなった1回戦の山梨学院(山梨)戦を2-1で逆転勝ちすると、続く仙台育英(宮城)戦を1-0、一条(奈良)戦も3-0で制す。
CB三原貫汰主将も「初戦は凄く良い準備ができて、仙台育英戦と一条戦は上手くいかない中でも無失点で勝ちきれたのは、1年間で成長した部分かなと思います。上手くいかなかったらズルズル失点していたので、そんな状況でも守りきれたのは大きかった」と成長を認める勝利。チームが当初掲げていたベスト8という目標を達成した。
だが、優勝校・前橋育英(群馬)との準々決勝は力負け。ここまで三原やCB宮本薫を中心に我慢強く守ってきたチームは、前半21分にセットプレーで失点したのを皮切りに3点を奪われ、シュートも4本に封じられる完敗だった。
三原は目標の違いが結果の差になったことを指摘する。「前育戦は本当に何もやらせてもらえなかったので、目指しているところの違いが、明確に試合の内容に出ていた。僕らはベスト8が目標だったので、次の代には優勝目指してやってもらいたいと思っています」
自分たちは目標がベスト8だったからベスト8にしか行くことができなかった。だからこそ、後輩たちにはより高い目標を持って努力してほしい。それが卒業する先輩から後輩たちへのメッセージだった。
すでに期待値の高い新チーム。新リーダーの佐野海舟が楽観ムードを排除する
新チームは注目ボランチ・MF佐野海舟を筆頭にMF葉間田累やMF高橋諒ら全国ベスト8を経験した選手たちが残り、期待値も大きい。だが、新しいチームリーダー・佐野は慢心を排除する。
「2年生が去年多く出ていて、力はあると思うんですけれども、すぐ調子に乗ったりしてしまう。去年の3年生の方々はメンタルが強かった。その強さを出せるようになればもっといい結果を出せると思う。『謙虚にやらないといけない』と言っていきたい」
厳しい姿勢で1年間を送り、来冬に全国制覇を狙うチームとして選手権に戻ることができるか。個人としてもプロ入りが注目される佐野は「自分が言うことで自分もやらないといけないのでそうやっていきたい。(厳しく指摘することで)嫌われるとか気にしていたらみんなも良くならないし、自分も良くならないと思うのでこだわっていきたい」と言い切った。中国地方を代表する強豪となった米子北は目標を達成するため、昨年以上に日々突き詰めて日常を送る。