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【全国注目校FILE】昌平高校(埼玉)傑出した技術力の集合体。悲願の全国制覇へ

[分類]私立
[所在地]埼玉県北葛飾郡杉戸町
[創部]1979年
[部員]207名
[2019年所属リーグ]
 TOP/埼玉県リーグ1部、2nd/埼玉県リーグ2部
[選手権最高成績]全国大会二回戦

監督に聞く!求める選手像と指導理念
藤島崇之監督

入部条件は特になし。指揮官の赴任した2007年から一貫して「最後は技術」という考えのもと、技術やそれを活かす判断の部分をフォーカス。「面白いサッカーをやりたいというよりも、選手がどう面白さを感じるかというのが重要」という言葉通り、選手たちは一様に楽しそうにプレーしている。「駆け引きを楽しめる選手は一番いいのかなと思います」と藤島崇之監督はいう。

藤島監督就任以降に頭角を表し、埼玉を代表する強豪へ

全国強豪校FILE 昌平高校(埼玉)

藤島監督の赴任以降、急速に成長を遂げている。2016年のインターハイでは初出場で全国3位と躍進。翌年には埼玉5冠(新人戦、関東予選、インターハイ予選、選手権予選、県リーグ)を達成し、昨年はインターハイで2度目の準決勝進出を果たした。松本泰志(広島)、針谷岳晃(磐田)、佐相壱明(大宮)、原田虹輝(川崎)と3年連続でプロ選手を輩出中。2月の新人戦では25得点無失点と圧倒して優勝した。4月13日に開幕する関東予選でも優勝候補の最右翼だ。

新人戦で4試合合計25得点無失点で優勝

ひとつ上の代から絡んでいた選手が多かった昨年は成熟を迎えたグループで2度目のインターハイ3位に。選手権でも活躍が期待されたが、予選決勝で浦和南に敗れ冬の全国は叶わなかった。
3年生が引退し大きくメンバーが入れ替わったが、今年のチームもツワモノ揃いだ。新人戦では早くもその実力を発揮。1回戦の熊谷工業戦で7−0発進を切ると、準々決勝では西武文理に9−0と2戦連続の大勝。準決勝でも自慢の攻撃力で西武台を6−0で振り切ると、正智深谷との決勝も3−0で勝利し、4戦合計25得点無失点と他を寄せ付けない強さを見せて圧倒した。

1年生から10番を背負う超逸材が「日本一」を狙う

全国強豪校FILE 昌平高校(埼玉)

MF 須藤直輝(新2年)
これだけ多くの経験をしている高校1年生もなかなかいないだろう。入学当初から10番を背負い、インターハイでは全国3位に貢献。国体では準決勝までのすべての試合でゴールを奪うなど、埼玉県選抜を17年ぶりの優勝に導く原動力となった。年が明けて今年は唯一の1年生プレーヤーとして日本高校選抜に選出。さらに先日はU-17日本代表候補の合宿にも参加している。
高い技術に裏打ちされた切れ味鋭いドリブルが武器。また楽しそうにプレーする様は「サッカー小僧」という言葉がよく似合う。新人戦準決勝は高校選抜vsU-18 Jリーグ選抜の「NEXT GENERATION MATCH」と同日。残念ながら「NEXT-」のメンバー入りとはならなかったが、「やっぱりサッカーを見ているとやりたくなってきちゃって。早く出たい、早く出たいと思って、もうウズウズしてました(笑)」。後半途中からピッチに入ると、プレーできる喜びを表すかのように終盤に6点目をマーク。決勝でもダメ押しとなる3点目を奪って特大の笑顔を見せた。
今年は新2年生ながら副キャプテンに就任。「自分が伝えられることはたくさんあると思う。去年1年で自分が学んできたことをチームに還元して、昨年以上のチームを作りあげていきたいなと思っています」。多くの経験を積んだ1年間を経て、目標とする「日本一」を狙う。

昨年をも上回る「個」の高さ。悲願の全国制覇は現実的な目標か

全国強豪校FILE 昌平高校(埼玉)

前述の須藤に加え、昨年から関わるドリブルキング・大和海里、動き出しの抜群な小見洋太が形成する前線は強力。今年からサイドバックに挑戦中の大竹琉生は新ポジションでも存在感を放っており、新人戦では7ゴールを量産して得点王になった。紫藤峻や小川優介、柴圭汰なども楽しみなタレントで「個」の部分の高さは昨年のチーム以上だ。今後は全国3位を経験した世代に迫るところまでチームレベルを高めていけるかが悲願の全国制覇に向けた鍵となりそうだ。

全国強豪校FILE 昌平高校(埼玉)

WRITER PROFILE

石黒 登
1986年、埼玉県生まれ。スポーツ編集部勤務ののち、2016年より独立。現在も在住する埼玉県を中心に1種から4種、女子、支部予選から全国大会まで幅広く取材している。埼玉サッカー通信、SAITAMA SOCCER MAGAZINEほか、サッカーダイジェスト、新聞等にも寄稿。編集部時代にはウインタースポーツ、ゴルフ、バレーボールなども担当。