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【全国注目校FILE】瀬戸内高校(広島) 選手権初出場ベスト4の注目校

[分類]私立
[所在地]広島県広島市
[創部]2000年
[部員]107人(2018年)
[2019年所属リーグ]
 Aチーム/プリンスリーグ中国、Bチーム/県リーグ1部、Cチーム/県リーグ3部
[選手権最高成績]3位(2018年度)

監督に聞く!求める選手像と指導理念
安藤正晴監督

入部条件は特になし。部のスローガンである『全心一丸』は、自分優先ではなく、チームのために何ができるかを考えて行動することを説くもので、安藤正晴監督は「入部する選手には、そういう意識を持って取り組んでほしい」と語る。指導理念として大事にしているのは、選手たちがやらされるのではく、考えて、自分たちからアクションを起こせるようになること。プレー面はもちろん、学校に求められる人間形成においても、大事な要素として取り組みが進められている。

少しずつ力をつけた広島の強豪

学園の創立は1901年、現校名になったのは1972年で、サッカー部は2000年創部。少しずつ強化を進め、1~2月開催の新人戦、4~6月開催のインターハイ予選、9~11月開催の選手権予選では、常に優勝候補の一角に挙げられている。

悲願の選手権初出場でベスト4進出。ポゼッションスタイルの進化目指す

同校に赴任した2000年に就任した安藤正晴監督が、総監督だった2年間を除いて指揮を執っている。2016年度のインターハイ予選以降、新人戦、インターハイ予選、選手権予選で6大会連続の準優勝と、あと一歩で優勝できない時期が続いたが(2016年度インターハイは広島開催だったため、全国大会は出場)、2018年度はインターハイ予選決勝で広島皆実にPK戦で競り勝ち、2年ぶり6回目の出場。さらに選手権予選決勝でも、過去6回の決勝ですべて敗れていた広島皆実を延長の末に下し、悲願の初出場を果たした。さらに全国でもベスト4まで勝ち上がり、3位の好成績を残している。
2018年度のインターハイ1回戦で敗れた後、それまでのキック&ラッシュから、ボールポゼッションを重視するスタイルへの転換を図り、選手権初出場&ベスト4と成果を挙げた。それでも安藤監督は「昨年は、やり始めただけ。ただパスをつなぐのではなく、攻略してゴールを奪う力を高めていきたい」と語り、さらなるレベルアップを目指している。


MF田辺利樹(新3年)
最終ラインからパスをつないで敵陣攻略を目指す瀬戸内において、2018年度も2年生ながら主軸として活躍。ボールポゼッションの中心で正確にパスをつなぐ技術が光り、ベスト4入りした選手権でも4-3-3のアンカーとして全4試合にフル出場した。
安藤監督はパスセンスなどを評価する一方、「自分自身で気付いて、もっと上のレベルを見据えてほしい」と、より大きな飛躍を期待。本人も「選手権では縦パスなど、攻撃のスイッチを入れるプレーができた」と手応えをつかんだとはいえ、「選手権の準決勝の舞台に立った経験を、無駄にしたら意味がない」と語る。「昨年以上の練習をして、インターハイと選手権で昨年以上のところまで行きたい」と意気込み、あと少しで手が届くところまで行った日本一への思いを強めている。


瀬戸内高校サッカー部では学校のグラウンドとは別に、週に3回近場のグラウンドを借りて練習している。

選手権準決勝の先発メンバーのうち、2年生が上記の田辺を含めて6人。大会登録メンバー30人でも16人が1・2年生で、半分以上が残っている継続性は大きな強みだ。ただ、新チーム始動から短期間で臨んだ1月の新人戦はベスト8で敗退。先制された後、守りを固めた相手を崩せずに0-1で敗れており、ボール支配を得点につなげられるかが今後のポイントか。選手権で3得点を挙げたFW中川歩夢など、攻撃陣の奮起に期待がかかる。

WRITER PROFILE

石倉 利英
1970年、島根県生まれ。94年にベースボール・マガジン社に入社し、週刊サッカーマガジン編集部に配属。サンフレッチェ広島、ジュビロ磐田、浦和レッズなどの各Jクラブのほか、ジーコ監督時代を中心に日本代表も担当。井原正巳、森島寛晃、秋田豊、名波浩の引退試合プログラムの編集も担当した。2009年に退社してフリーとなり、2011年に島根に帰郷。エル・ゴラッソ、J's GOALのガイナーレ鳥取担当記者、サンフレッチェ広島ファンクラブ誌「アシスト」の編集のほか、中国5県の高校サッカーを取材・撮影。サッカーマガジン、Number Webなどへの寄稿のほか、高校女子のソフトテニスなども定期的に取材している。