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【全国注目校FILE】 大阪学院大学高校(大阪) 念願の選手権初出場の向こう側

[分類]私立
[所在地]大阪府吹田市
[創部]1959年
[部員]120人(2019年新1年の予定含む)
[2019年所属リーグ]
 Aチーム/府リーグ1部、Bチーム/2部B、Cチーム/府4部豊能・三島ブロックDグループ
[選手権最高成績]全国大会一回戦(2018年度※初出場)

監督に聞く!求める選手像と指導理念
小野原明男監督

小野原監督は「入部条件は入学すること」と笑ったが、「求めるのはサッカーに本気で向かうこと。そういう姿勢でないと、オフは週一日だけ、土日も基本的に活動するのでついてこられないし、成長もしない」とキッパリ。「一生懸命、献身的に頑張れて、チームのために行動できる。周りに気を配れて、思いやりが持てる選手になろうと指導をしている」と続けた。

ようやくこじ開けた全国大会への扉

私立の強豪が鎬を削る大阪だけに全国大会には長年届かなかった。転機は大学職員の小野原現監督が2010年にコーチとなったことだろう。そして、監督1年目の2016年にインターハイ初出場、そして昨年、ついに全国高校選手権出場を果たした。監督自身はセレッソユース、関学大でプロを目指し、高校サッカー未経験の異色の監督だが、選手権出場で改めて「規模の大きさ、注目度、観客数に驚き、色々な方々から支援してもらえる高校サッカーの魅力を知った」という。

常にチャレンジャー精神で!

小野原監督が重視するのは、日頃の練習、一日一日を大切にすること。いきなり成長することなどなく、積み重ね、繰り返すこと。そしてチャレンジャー精神が成長につながるし、失敗を恐れて守りに入ったプレーはさせないように心掛けているという。練習は大阪学院大学所有の人工芝グラウンドで行うため、高校・大学の連携は密になる。大学は今季こそ2部所属だが、長年関西トップレベルを維持してきた強豪だ。「高校3年間でチャレンジさせて、プラス大学でもチャレンジを続けさせる。選手を大学へと送り出し、その先(プロ)を目指すイメージ」という監督の言葉通り、高・大7年間の“一貫性”が大阪学院の特色であり、監督自身がセレッソで学んだプロ選手を育成するためのノウハウを活かした指導も特徴といえそうだ。環境面では練習後にクラブハウスで簡単な補食も摂れ、地方出身者用には食事賄い付きの寮も用意されている。

残ったレギュラー、2人の新2年がチームの中心


DF下舘大輝(新2年)
「器用で、1対1の守備も強くポジション取りも上手い右サイドバック。攻守に思い切りがよく、積極的にチャレンジできる。奪ってからのタイミングのいいオーバーラップが特徴」と監督は高評価。本人は、「監督から守備でチームのリーダーになれと言われている。クロスにまだ自信がないので、キックの精度を上げたい」と課題にチャレンジしている。


MF佐々木大地(新2年)
「身長は小さいが、体は強くてタマ際でも負けない、ボールを奪取能力はずば抜けているボランチ。攻撃参加とバランスをとるという両方を求めたい。去年の主将・山田力也のようにゴール前へも飛び込める選手になってくれれば」と監督も幅を広げることを期待する。本人も、「全国で力不足を感じたし、3年に頼っていた。今年は自分が引っ張りたい」と意気込む。


屈指の激戦区である大阪府予選を制し、第97回高校サッカー選手権初出場を果たした。今シーズンはその貴重な経験をチームに還元する年となる。

大阪を制した自信と選手権の経験を糧に

新人戦を廃止している大阪は、1部リーグ戦開幕が1月19日で、3月中に6節までを消化する。選手権に出た大阪学院にとってはチーム作りもままならない厳しい日程だ。小野原監督も「インターハイ、選手権、リーグ優勝でプリンスリーグ昇格という3つの目標に全力で取り組んでいるが、大阪は本当にどこもが強い。東海大仰星、阪南大高など完全にウチよりも上」と控え目だが、新チームは、監督が「新3年がちょっと苦しい」と話すように紹介した全国の舞台を踏んだ2人が中心で主体は新2年生。去年、大阪を制した自信と全国での悔しい経験を糧に、フレッシュな選手の台頭と新3年の奮起にも期待したい。

WRITER PROFILE

貞永 晃二
大阪生まれ大阪育ち。JSL当時から日本サッカーを見続け、崇拝する賀川浩氏を大目標とするサッカーライター。関西サッカーを盛り上げようとあらゆるカテゴリーを取材してきた。「ドーハの悲劇」目撃がトラウマとなり、「ジョホールバルの歓喜」を味わえなかった小心者。会社員当時の1999年にライター業を開始し、サッカーマガジンでセレッソ大阪を担当し、エル・ゴラッソでセレッソ、ガンバ両大阪を担当した。サッカークリニック、ジュニアサッカーを応援しよう、サッカー批評等にも寄稿。

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