【全国注目校FILE】阪南大学高校(大阪)「夏は阪南大高!」インターハイ3年連続出場で8強入りに挑む!
[分類]私立
[所在地]大阪府松原市
[設立]1964年
[部員]150人(2019年)
[2019年所属リーグ]
Aチーム/プリンスリーグ関西、Bチーム/府リーグ1部、Cチーム/府リーグ3部Aグループ
[選手権戦績]初出場(2015年度)
[インターハイ最高戦績]ベスト16(2017年度)
濱田 豪監督
濱田監督は求める選手として、「特徴のある子。今年のチームで言えば、高さのある子がいないですね」。そして『阪南大高イコールこういうサッカー』といえるものがないのが、ある意味特色と言えそうだ。監督は、「毎年、入部してきた子らの個性を、チームでどう表現させるかを考えて、その年その年でやってきた。もちろん理想はあるが、それを選手に押し付けるのは好きではないので。昔から、強いところにいかにして勝つかを考えてきたので、自然とそうなったのかもしれません」と明かした。
就任21年目の濱田監督がチームを「全国区」へと引き上げる
阪南大高を「全国区」に引き上げたのは就任21年目を迎えた濱田監督その人だ。学校が強化に本腰を入れ始め、グラウンドを人工芝化し着々とのし上がってきた。そして、初めて「大阪の決勝」に勝ち残ったのは、2010年の選手権。ここでは関大一に敗れてしまう。そして初の全国大会となったのは2013年のインターハイだった。その翌2014年、再び選手権決勝に進むが履正社の前に屈した。しかし、ついに2015年“3度目の正直”で念願の選手権初出場を成し遂げた。今季はインターハイの大阪予選を制し、2017年から3年連続4回目の出場を決めている。2016年にはプリンスリーグ関西を圧倒的な成績で制し、参入戦も突破し念願のU-18プレミアリーグ昇格を果たした。2017、18の2年間はプレミアリーグWESTで存在感を見せるなど、サッカー部強化を始めてからの歴史こそ浅いが、今や全国有数の強豪校である。
強豪ひしめく総体大阪予選の総当たり戦で見せた真価
今季の大阪について濱田監督は、「履正社、大阪桐蔭、興國にいい選手は多いですが、ウチにもいるにはいるので、あとはやり方次第ですね」と自信を語る。「選手が1つのポジションだけというのがないので、ケガ人や不調の子がいても穴ができず、いい意味で競争が激しい」という。4校総当たりで争うインターハイ予選では、初戦は勝ったが、2戦目で負け。危機感の中迎えた最終戦に濱田監督は、「今年は、それなりに同じレベルの選手がいたから」と選手を代え、システムを変えて臨み優勝に導いた。「チームが逞しくなったなぁ」と実感できたという。
攻守の主力はプレミアリーグ復帰を目指す
DF 高木 践(3年)
主将でセンターバック。まさにチームの柱だ。「サイズはない(173cm)が、身体能力は高く、クレバー。カバーリング能力もいい。今、大学でもすぐ出られるくらいだが、将来に関して欲がない」と濱田監督は不思議がる。本人は「ヘディングには自信がある。ビルドアップとロングキックの質、縦パスをいいところにつけられるところ」と自らの長所をしっかりと把握している。昨年度、レギュラーとして戦い、「Jユースのパス回し、スピードの違いを感じた」というプレミアリーグでは降格の責任も感じており、「プレミア復帰」を「全国大会でのベスト16越え」と並んで目標に据えている。
FW 篠畑純也(3年)
「自信はあった」というインターハイ予選でも3ゴール。濱田監督からは「動き出しがピカイチ。今年はパスを出せる選手がいるので、彼の良さが活かせる」との評価。高木主将も「大事なところで点を決めてくれるエース。チームには欠かせない」という攻撃の中心だ。本人も「一瞬のスピードには自信がある」というが、「ヘッドでも獲れるように得点パターンを増やしたい」と課題もしっかり自覚している。昨季プレミアリーグにも出場し、そのレベルの高さを知るだけに、「プリンスリーグの残りも全部勝って、プレミアに戻したい」と語る。
2度目の選手権とプリンスリーグ優勝→プレミアリーグ復帰は実現できるか?
阪南大高は今季もプリンスリーグ関西では無敗で首位に立つ(第5節終了時点)。実力は大阪で一、二を争うことは疑いようもないが、監督が先に挙げた履正社、大阪桐蔭、興國の3チーム以外にも東海大大阪仰星、金光大阪など挙げ始めると両手では足りなくなるのが、大阪の勢力図であり、過去の予選で優勝候補がすんなり優勝した例は少ない。目標である2度目の選手権出場とプリンスリーグ優勝のためには、能力の高い2年生たちがインターハイで自信をつけて、3年のポジションを奪うほどの成長を見せることが必要だろう。今から秋の予選が楽しみでならない。
最後に、濱田監督は新たな試みを紹介してくれた。スマホのアプリでケガの状態、睡眠時間、自主練の量、家での食事等を選手とスタッフがやり取りできるようにしたところ、あるレギュラーの膝のケガが判明し、将来を考えて手術に踏み切らせたという。なかなか日頃目の届かない部分を補う工夫の重要性を教えられた。