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【全国注目校FILE】國學院久我山(東京)勢いを増す攻撃サッカーで東京を席巻

[分類]私立
[所在地]東京都杉並区
[設立]1964年
[2019年所属リーグ]TOP/東京都リーグ1部
[選手権最高戦績]全国大会準優勝

監督に聞く!求める選手像と指導理念
清水恭孝監督

文武両道。サッカーにおいては攻撃サッカーを掲げ、「いかにボールを握ってゲームをコントロールするか、守備においてもゲームをコントロールするかというのが自分たちの目標です」と清水恭孝監督。そのための自主自立、また個性、感性を磨いていくことを求めているという。「なんとなく高校のサッカー部がJリーグのユースに上がれなかった子たちが流れるような傾向があると思いますが、私たちはそういう感覚よりも『久我山に必要な子』を取っているつもりです。勉強もサッカーも両方で上を目指すんだ、という子には良い学校かなと思います」。

2015年選手権準優勝。東京を代表する強豪

國學院久我山

近年の東京を代表する強豪校だ。都予選3連覇で代表権を掴んだ2015年の第94回全国高校サッカー選手権では当時2年生の名倉巧(V・ファーレン長崎)を擁して前橋育英や青森山田などを破って準優勝を飾った。卒業生には丸山祐市(名古屋グランパス)、田邉草民(アビスパ福岡)、三竿雄斗(大分トリニータ)、冨樫佑太(FC岐阜)、平野佑一(水戸ホーリーホック)がいる。2008年に完成した人工芝グラウンドはフルピッチが取れず、他部活と共用という面も状況もあるが、そういった環境が小さいグループでのボールコントロールや状況判断など、チームの根幹を成すひとりひとりのスキルアップに繋がっている。

確かな手応えを感じる今季の久我山

國學院久我山

今季公式戦15戦15勝。この数字がすべてを物語っている。関東予選で初タイトルを掲げると、本大会も制して2冠目を達成。インターハイ予選では準々決勝で日大豊山を6−0で下すと、準決勝では昨年の選手権予選2回戦で敗れた因縁の駒澤大高を延長戦の末に4−2で撃破。決勝では初の全国を決め、勢いに乗る大成を2−0で破り、今年3つ目のトロフィーを手にした。
サイドの戸坂隼人、山下貴之は縦への推進力が高く、大窟陽平、田中琢人の2年生2シャドーもスキルフルで内からでも外からでも崩せるのが強み。また崩して取る久我山らしさに加えて、今年は崩しきらずともゴールを陥れられる山本航生というストライカーもいる。指揮官は「冨樫(佑太)とか(渡辺)夏彦(ドイツ3部・VfRアーレン)、平野(佑一)がいた2013年のようなタレントはいないが、今年はチームとしては一番良い」と手応えを語っていた。

全国での活躍に期待 チームを勝利に導く点取り屋

山本航生

FW 山本航生(3年)
昨年はサイドや中盤をやることが多かったという中で新チームになってセンターFWを任されると得点能力が開花。チームの無敗記録とともに自身も15試合連続ゴールと覚醒中だ。
ここ一番での勝負強さもあり、関東本大会準決勝では前回王者・前橋育英を相手に2点ビハインドから終盤の山本の3得点で逆転勝ち。全国大会出場がかかった先日のインターハイ東京都予選・駒澤大高戦でも背番号9はハットトリックを決めて、チームを勝利に導いている。
「この流れでボールが入ったらここに点があるというのをよく研究しているというか、掴んでいる」と清水監督。本人も「ひとつクリアしたらまた次とやっていっていることが実際に結果に現れて自信になっている。本当にいま楽しいし、やれるんだなという実感が沸いています」と手応えを語る。「自分が点を取ればチームも勝てる。そこの欲も出しつつ、チームの中でどう貢献できるかを考えながら全国でまた暴れたいと思います」と沖縄での活躍を誓った。

勢いそのままに乗り込むインターハイの活躍にも注目

國學院久我山

自信を深めつつある國學院久我山の目線の先はプレミア勢を倒しての全国の舞台での躍進だ。プリンス、プレミア勢を相手に今季東京を席巻しているサッカーがどこまで通用するか。個人的にはインターハイでも本命候補のひとつと見る。

WRITER PROFILE

石黒 登
1986年、埼玉県生まれ。スポーツ編集部勤務ののち、2016年より独立。現在も在住する埼玉県を中心に1種から4種、女子、支部予選から全国大会まで幅広く取材している。埼玉サッカー通信、SAITAMA SOCCER MAGAZINEほか、サッカーダイジェスト、新聞等にも寄稿。編集部時代にはウインタースポーツ、ゴルフ、バレーボールなども担当。

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