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【全国注目校FILE】盛岡商業(岩手)全国優勝という岩手県における金字塔を打ち立てた伝統校

[分類]県立
[所在地]岩手県盛岡市
[設立]1913年
[部員]58人(2019年)
[2019年所属リーグ]TOP/プリンスリーグ東北、2nd/岩手県リーグ1部
[選手権最高戦績]優勝(2007年)

監督に聞く!求める選手像と指導理念
中田洋介監督

中田洋介監督が最も選手に求めるのはサッカーが大好きであること、さらにその向上のために3年間やりぬく強さを持ち続けられること。また、特に育成年代においてはサッカーの上達のベースに「人間としての振る舞いが大切」と話し、プロになるにしても社会人になるにしても、その後の自分の道を切り開くための根幹だと述懐する。

選手権優勝経験もある岩手の伝統校

盛岡商業(岩手)

岩手県においては、高校サッカー黎明期から遠野と並ぶ「二強」の一角として確固たる地位を築いてきた伝統校。2007年の第85回全国高校サッカー選手権大会では、決勝にコマを進め、作陽を破って全国制覇を成し遂げ、大きなムーブメントを巻き起こした。しかし、ここ数年は上位に進出するものの、ライバル遠野の後塵を拝す試合が続いている。チームを率いるのは就任2年目、ベガルタ仙台や横浜FCなどで活躍した中田洋介監督。どのような手腕を発揮し、チームを勝利に導くのかにも注目が集まる。

変化の兆しが随所にみられる名門のプレー
走力と球際に加え、戦術的エッセンスで奪冠を目指す。

昨年度は県高総体と県新人大会の二冠を獲得したが、選手権県大会ではベスト4にとどまり、プリンスリーグ東北では序盤から苦しい戦いを強いられ、薄氷を踏むような残留劇となった。そういった苦しいシーズンだったが、就任2年目の中田洋介監督は「昨年経験した財産」を収穫に挙げ、今年度はよりチームの成熟度をアップさせている。県高総体では決勝で専修大学北上に後れをとったものの、プリンスリーグ東北では4勝2分5敗の勝点14で6位(8月21日現在)とすでに昨季を上回る結果を残している。また、県リーグ1部に所属する2ndチームは5位と中位に位置するが、独走している専修大学北上以外は混戦模様のため、今後の戦い次第では上位も狙えそうだ。

FWとボランチをこなすチームのキーマン

山田悠太

FW 山田悠太(3年)
県内屈指の伝統校である盛岡商業の10番を託された山田悠太。入学当初から自身のストロングポイントであったボールコントロールや攻撃のアイデアに加え、最終学年になってからはチーム随一のハードワークで勝利に貢献する。中田洋介監督は「大事なところでゴールを挙げられるようになった。ボランチもできて戦術上でも非常に重要な選手」と山田の成長に目を細める。自身も「まずはプリンスリーグ残留を早くに決めて、最大の目標である全国高校サッカー選手権大会出場を勝ち取れるよう努力を続けたい」と決意を新たにする。

最大の目標は9年ぶりの全国高校サッカー選手権大会出場

盛岡商業(岩手)

中田洋介監督が「いくらほかのタイトルを獲得しても、選手権を取らないと評価されない」と語る通り、今年度もチームの最大の目標は全国高校サッカー選手権大会への切符を得ることだ。全国優勝を成し遂げて以降なかなか結果を出せず、8年にわたり優勝を逃しているが、今季はチームの引き出しが増え、個の能力の高いメンバーもそろっている。伝統の走力と球際の強さに加え、戦術面でのエッセンスを注入しており、ビルドアップや崩しのシーンで近年の盛岡商業とは一味違った姿をみせている。課題は層の厚さだったが、最近では1年生を含めた新戦力も台頭し、チームを活性化。「少しでも早くプリンスリーグ東北残留を決め、選手権に向けたチーム作りを実践の中で進めていきたい」と中田監督は話し、9年ぶりとなる全国高校サッカー選手権大会出場へ意欲をみなぎらせている。

WRITER PROFILE

髙橋 拓磨
1981年生まれ。岩手県釜石市出身。編集プロダクションを経て、2010年よりフリーランスとして活動。岩手県内のジュニアからユース世代まで幅広く取材するほか、2015年からはサッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」でいわてグルージャ盛岡を担当。主にサッカー専門誌やWEB媒体、岩手のスポーツ雑誌「Standard」などへ寄稿している。

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