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【全国注目校FILE】西武台高校(埼玉)全国の舞台に戻ってきた西部の雄

[分類]私立
[所在地]埼玉県新座市
[設立]1981年
[部員]約180人
[2019年所属リーグ]TOP/埼玉県リーグ1部、2nd/埼玉県リーグ2部
[選手権最高成績]全国大会ベスト8(2010年度)

監督に聞く!求める選手像と指導理念
守屋 保監督

「選手たちには自分でできるようになったという喜びを与えてあげたい」と守屋監督。その上でまずは「自分のために」という部分を重視しているという。「自分のために苦しい時に走るのであって、チームのため、仲間のために走るという前に自分のために走っていれば文句を言わなくなる。自分のためにボールを追いかけてるんだ、自分のためにやめずに最後まで苦しいところも乗り越えて一歩前に踏み出しているんだと。それが自分でできたという喜びに、この3年間で変わらせてあげたいなと思っています」。その成功体験もあってか、大学年代に上がってもサッカーを続けている選手も多い。求める選手像については「とにかく明るくてへこたれない子。自分に勝つんだという気持ちが表に出てくる子はサッカーも学力も上がってきます」。

Jリーガーも多数輩出。埼玉西部の雄。

西武台高校

全国選手権出場3回、インターハイ出場は11回を誇る。1995年のインターハイで全国準優勝、2004年の選手権初出場は埼玉県の荒川以西の高校では初の快挙だった。FW清水慎太郎(水戸)を擁した2010年はインターハイで全国4強入り、選手権では3度目の挑戦で2回戦の壁を突破しベスト8まで勝ち上がっている。私学だが寮は持たず、すべて通学圏内の選手たちで構成されているという点も特徴のひとつ。清水以外にも田畑昭宏(元浦和ほか)、河合竜二(元札幌ほか)、片岡洋介(元大宮ほか)、新井栄聡(金沢)など、多数のJリーガーを輩出している。

メンタルを強化し、4年ぶりの全国舞台へ

近年はタイトルから遠ざかっていた西部の雄が今年のインターハイ予選で久々の栄冠を掲げた。今年は新人戦の支部予選から1年をスタートさせた中で「巧さ」よりもメンタル面の「強さ」を追求。新人戦、関東予選と連続してベスト4入りを果たすと、インターハイ予選では浦和南、正智深谷、武南といったいずれも難敵をPK戦の末に撃破し決勝に進出すると、聖望学園を3−2で下し2015年大会以来、4年ぶりとなるタイトルと全国大会への切符を掴んだ。

チームを牽引するエースストライカー

谷直哉

FW 谷直哉(3年)
身長175cmと決して大きい方ではないが、空中戦に強く、前でしっかりと収めて起点を作れ、泥臭くゴールを奪う様は同部のOBのFW清水慎太郎(現・水戸ホーリーホック)に重なる。昨年はヘディングの強さと前への推進力を買われサイドバックとしたプレーしたが、今年本職のセンターFWに再コンバートされると得点能力が開花。インターハイ予選決勝ではハットトリックの活躍でチームに栄冠をもたらした。一方で全国ではシュート1本に終わり、「全国のレベルは全然違った。プレッシャーも速いし、みんなうまい。簡単にボールを失ってしまったり、シュートで終われないところに課題が残った」と「個」の部分での壁を痛感。全国の借りは全国で返す-。選手権予選では再びエースストライカーとしてチームを牽引する。

インターハイの雪辱を誓い、選手権で再び全国を目指す

西武台高校

久々の全国となったインターハイでは初戦となった2回戦で高知に0−4で完敗。1対1の部分やそこに伴う「技術」や「判断」の部分で後手を踏み、持ち味の粘り強さを発揮することができず。守屋監督は「局面、局面ですべて負けていた。パスの精度、動きの精度、いろいろな面での技術であったり、もっとサッカーに必要なものを理解させていかないといけない」とした。メンタル面の評定は「4」に押し上げた。あとはそのほかの部分をいかにそこに近づけていけるか。各々がピッチで感じた課題に取り組み、選手権でもう一度全国を目指す。

WRITER PROFILE

石黒 登
1986年、埼玉県生まれ。スポーツ編集部勤務ののち、2016年より独立。現在も在住する埼玉県を中心に1種から4種、女子、支部予選から全国大会まで幅広く取材している。埼玉サッカー通信、SAITAMA SOCCER MAGAZINEほか、サッカーダイジェスト、新聞等にも寄稿。編集部時代にはウインタースポーツ、ゴルフ、バレーボールなども担当。

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