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【全国注目校FILE】武南高校(埼玉)「紫紺」の伝統校が新時代に突入

[分類]私立
[所在地]埼玉県蕨市
[設立]1965年
[部員]197人
[2019年所属リーグ]
TOP/埼玉県リーグ1部、2nd/埼玉県リーグ2部
[選手権最高成績]全国大会優勝(1981年度)

監督に聞く!求める選手像と指導理念
内野慎一郎監督

オールドファンにとって武南の流れるようなパスワークからの攻撃サッカーというのはいまも記憶に残っていることだろう。自身もOBの内野慎一郎監督になってもその伝統は変わらない。「武南高校のパスを主体としたサッカーの中できちんと後ろからビルドアップができて、ゲームの中でどう崩すのかを常に頭に置きながら、それに合わせたスピードアップ、かつドリブル等もうまく織り交ぜながら、バランスの良いチームを作っていきたいと思っています」。パスを使って組み立て、相手を崩していくサッカーを志向する選手にとっては理想的な環境だ。

埼玉県最多の選手権出場数を誇る名門中の名門。Jリーガーを多数輩出

武南高校

選手権出場14回は県内最多だ。名将・大山照人監督のもと、魅惑的な攻撃サッカーで全国優勝1回、準優勝1回、3位3回と、高校サッカーのムーブメントを作り上げ、紫紺のユニフォームはプレーヤーにとって憧れの的だった。上野良治(元横浜FM)、室井市衛(元鹿島ほか)、浅利悟(元FC東京)をはじめ多数のJリーガーを送り出しており、来年度よりFC東京に入団が内定している「法大のメッシ」こと紺野和也も武南のOB。また、昨年U-20女子W杯で日本を初優勝に導いた池田太監督やヴァンフォーレ甲府の伊藤彰監督など、指導者も輩出している。

46年武南を率いた大山監督が勇退。関東予選を制覇し新たな時代へ

武南高校

46年に渡り武南を率い、強豪校へと育て上げた大山監督が今年3月を持って勇退。ひとつの時代が終わった郷愁を感じさせるとともに、昨年から指揮を執る内野監督のもと新たな歴史をスタートさせた。そんな中で関東予選では1回戦から快調に勝ち上がると決勝では堅守・浦和東を延長戦の末に下して7年ぶりのタイトルを獲得し、「武南ここにあり」というのを見せつけた。守っては宝満、渋谷のセンターバックコンビを中心に無失点、攻めては伝統のパスワークからのサイドアタックから得点を重ね、決勝ではスーパーサブの矢地が試合を決めた。

  • 大山照人監督

    46年に渡り武南を率いた大山監督。

  • 内野慎一郎監督

    内野監督自身も武南のOB、大山監督の教え子だ。

抜群のキープ力と切れ味鋭いドリブルが持ち味の中盤の要

青野翔太

MF 青野翔太(3年)
名将に見出されたプレーメーカーだ。一昨年の選手権予選では1年生ながら落ち着いたプレーで注目を浴びたMFを引き上げたのが大山前監督。「ハートが強いやつで、どんな相手にも動じないで前にドリブルで行けるんですよ。こういう性格は大好き。なんでこんな良いのがいるのに知らんぷりしているんだとコーチたちを怒りましたよ」と当時を振り返っていた。抜群のキープ力とドリブルが持ち味で関東予選では中盤の要として活躍。武南に久々のタイトルをもたらす原動力となった。2年前鮮烈なデビューを飾った舞台で今度はチームを全国に導けるか。

7年ぶりに県タイトルを獲得した伝統校が再び選手権の舞台へ

武南高校

7年ぶりの県タイトルを獲得した武南だが、真の意味での復活と言えるのは選手権予選で優勝し全国切符を手にした時だろう。インターハイ予選で流した悔し涙を嬉し涙に変えるべく、この冬、伝統校・武南が2006年以来15度目の冬の王座を目指す。

WRITER PROFILE

石黒 登
1986年、埼玉県生まれ。スポーツ編集部勤務ののち、2016年より独立。現在も在住する埼玉県を中心に1種から4種、女子、支部予選から全国大会まで幅広く取材している。埼玉サッカー通信、SAITAMA SOCCER MAGAZINEほか、サッカーダイジェスト、新聞等にも寄稿。編集部時代にはウインタースポーツ、ゴルフ、バレーボールなども担当。

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