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【全国注目校FILE】米子北高校(鳥取)砂浜で走力、筋力、精神力を鍛え抜く鳥取の絶対王者

[分類]私立
[所在地]鳥取県米子市
[創部]1965年
[部員]約100人(2019年=予定)
[2019年所属リーグ]
 Aチーム/プリンスリーグ中国、Bチーム/県リーグ1部、Cチーム/県リーグ2部、Dチーム/県リーグ3部
[選手権最高成績]ベスト8(2017年度)

監督に聞く!求める選手像と指導理念
城市徳之総監督

入部条件は特になし。城市徳之総監督は進路選択にあたって「堅守速攻で戦っている米子北のサッカーに興味を持ってほしい」と期待している。サッカー面では「基本的なことができるようになること」や、「複数のポジションでプレーできる選手になること」などを意識。ピッチ外では「あいさつ・礼儀・マナーなど、サッカーを通じて、いろいろなことを学ばせることを徹底している」という方針で指導しており、選手たちのきびきびした行動に、その思いが表れている。

9年間無敗を続ける鳥取の絶対王者

強豪校FILE-米子北

学園の創立は1958年で、サッカー部は1965年創部。徐々に強化が進み、2009年のインターハイでは現日本代表DF昌子源らを擁し、県勢過去最高の準優勝を果たした。同年11月の新人戦以降、インターハイ予選、選手権予選と、県内3タイトルで9年以上負けておらず、鳥取の絶対王者として君臨している。

プレミアリーグWESTでプレー 武器の堅守速攻に磨きをかける

城市徳之総監督と、コーチを経て2016年に就任した中村真吾監督を中心に指導・強化を進めている。インターハイ、選手権は常に出場する常連校で、2017年には高校年代最高峰のプレミアリーグWESTに昇格。Jクラブのアカデミーをはじめとする強敵ぞろいのリーグで、押し込まれる展開が多い厳しい戦いを経て、持ち味の堅守速攻に磨きをかけた。同リーグに残留した同年度は、選手権でも過去最高のベスト8まで勝ち上がっている。
伝統のスタイルは、粘り強く連動した守備から、素早く攻撃につなげて得点を狙う堅守速攻。それを実現するポイントとして走力強化に力を入れており、学校近くの砂浜、校内の階段などでダッシュやターン、走り込みをすることで、試合開始から終了まで衰えない運動量を培っている。フィジカルトレーニングによる筋力強化にも抜かりはない。日々の練習で精神力も鍛えられており、劣勢の試合展開でも粘り強く戦う意識が徹底されている。

188センチの長身を誇る米子北の「壁」

強豪校FILE-米子北

DF 高橋祐翔(3年)
188センチの長身を生かしたヘディングと競り合いの強さで相手の攻撃をはね返し、中央にそびえ立つ「壁」となっている。堅い守りが戦いのベースにある米子北のキーマンであり、今年度の躍進に不可欠の存在だ。
地元・鳥取県出身で、以前はMFだったが、2018年にCBにコンバート。恵まれた体格と高い運動能力、左利きという特性などで次第に注目を集め、昨年10月にU-17日本代表に初めて選出されると、今年3月にはU-18日本代表にも選ばれた。ただ、プレミアリーグWESTで最下位、インターハイと選手権では1勝のみだった2018年の戦いで「自分のプレーが通用しないことを思い知った」と振り返る。それでも「位置取りや対人プレーが課題ですが、ヘディングやロングパスは武器になる」。現役時代はDFだった中村真吾監督の指導でレベルアップに努め、鳥取からさらなる飛躍を目指している。

各ポジションにタレントを揃え、更なる躍進を期する

強豪校FILE-米子北

2018年度はプレミアリーグWEST最下位で降格となり、プリンスリーグ中国に戦いの場が移るが、レギュラーの選手が多く残っているのは強み。前述のCB高橋祐翔だけでなく、もともとはFWだが、現在は鋭い攻め上がりを武器とする左SB岡田大和、運動量とスピードを生かしてチャンスを作るMF原田海、突破力とシュートのうまさが持ち味のFW崎山友太など、各ポジションに能力の高い選手をそろえ、インターハイ、選手権での躍進を期している。

WRITER PROFILE

石倉 利英
1970年、島根県生まれ。94年にベースボール・マガジン社に入社し、週刊サッカーマガジン編集部に配属。サンフレッチェ広島、ジュビロ磐田、浦和レッズなどの各Jクラブのほか、ジーコ監督時代を中心に日本代表も担当。井原正巳、森島寛晃、秋田豊、名波浩の引退試合プログラムの編集も担当した。2009年に退社してフリーとなり、2011年に島根に帰郷。エル・ゴラッソ、J's GOALのガイナーレ鳥取担当記者、サンフレッチェ広島ファンクラブ誌「アシスト」の編集のほか、中国5県の高校サッカーを取材・撮影。サッカーマガジン、Number Webなどへの寄稿のほか、高校女子のソフトテニスなども定期的に取材している。