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【全国注目校FILE】広島皆実(広島)持ち味の『堅守強攻』で3年ぶりのインターハイへ

[分類]県立
[所在地]広島県広島市
[設立]1947年
[部員]100人
[2019年所属リーグ]
Aチーム/プリンスリーグ中国、Bチーム/県リーグ1部
[選手権最高戦績]優勝(2008年度)

監督に聞く!求める選手像と指導理念
仲元洋平監督

入部条件は特になし。仲元洋平監督は「勉強とサッカーの両立。文武両道を目指すのが広島皆実」とした上で、「チームとして同じ戦術をやりつつ、他の戦い方も柔軟にこなせるようにして、その中で自分の良さ、持ち味を出せる選手になってほしい」と語る。複数のポジションでプレーできる選手の育成も狙いの一つで、相手によって、あるいは試合中にポジションを入れ替えながら、チームの戦い方の幅を広げることを目指している。

広島県の高校サッカーをリード

広島皆実高校

近年の広島県の高校サッカーをリードする存在だ。2008年度の高校選手権では、決勝で現日本代表FW大迫勇也を擁する鹿児島城西高を下して優勝。選手権は14回、インターハイは今年度を含めて15回の出場を誇る。FC東京DF森重真人、サンフレッチェ広島FW渡大生などJリーガーも数多く輩出しており、育成面でも結果を残している。

攻守に主導権を握る『堅守強攻』
守備が安定して総合力アップ

広島皆実高校

チームが目指すスタイルを示すスローガンが『堅守強攻』。選手個々の正しい位置取り、よりアグレッシブな判断で相手のチャンスの芽を摘み取ると、奪ったボールを正確につないで敵陣へ。ゴールに近づいてからはドリブルやコンビネーションなど、個人と組織の両面で守備網を破って得点を目指す。チーム内で『トントン』と表現する、短い距離で小気味よくパスをつなぐプレーで、相手のプレッシャーをいなしながら主導権を握る。
3年ぶりの出場を決めた6月のインターハイ予選では「徐々に守備が安定してきた」と仲元監督は振り返る。予選5試合はすべて違う先発メンバーで戦っており、チームの総合力も上がってきた。仲元監督は全国大会に向けて「いまの自分たちの形にプラスして、違う形もできるように、現状に満足せずやっていきたい」と語り、3年ぶりに出場するインターハイ、その後の選手権予選に向けて、さらなるチーム力アップを期している。

チームを引っ張る経験豊富なアタッカー

岡本拓海

FW 岡本拓海(3年)
切れ味鋭いドリブル、力強く正確なフィニッシュで攻撃の中心となるアタッカー。広島皆実の持ち味であるパスワークの一部となりつつ、常にゴールを意識して仕掛ける姿勢で違いを生み出している。今年のインターハイ予選決勝では開始6分に先制点を決めると、10分に突破からのセンタリングで2点目をアシストして、4-0の大勝の立役者となった。
1年時に選手権予選決勝で決勝点を決めるなど、早くから出場機会をつかんできた。最終学年の今年度、「広域公園第一球技場(※インターハイ予選と選手権予選の決勝が行われる会場)で初めてプレーする選手もいて、緊張すると思うので、良い声を掛けることを意識しています」と語り、経験を還元しながらチームを引っ張っている。「インターハイはベスト8以上が目標。まずは1回戦で当たる阪南大高(大阪)に勝てるよう、しっかり準備していきたい」。全国の舞台でも持てる力を発揮して、勝利への貢献を誓う。

広島皆実高校(対戦表) 広島皆実初戦の相手は、強豪校FILEでも取り上げた阪南大高。
【全国強豪校FILE】阪南大学高校(大阪)「夏は阪南大高!」インターハイ3年連続出場で8強入りに挑む!

見え始めた復調の兆し。2年ぶりの選手権出場に繋げられるか

広島皆実高校

6月のインターハイ予選を制し、3年ぶり15回目の出場を決めている(県総体優勝は16回目)。今年は2月の新人戦はベスト16で敗退し、昨年度はインターハイ予選、選手権予選でも敗れて全国大会に出場できず。今年度もプリンスリーグ中国で不調の時期があったが、ポジション争いの活性化がチーム力アップにつながり、まずは県内タイトルを一つ奪還した。2年ぶりの選手権出場につなげるためにも、インターハイで上位進出を狙う。

WRITER PROFILE

石倉 利英
1970年、島根県生まれ。94年にベースボール・マガジン社に入社し、週刊サッカーマガジン編集部に配属。サンフレッチェ広島、ジュビロ磐田、浦和レッズなどの各Jクラブのほか、ジーコ監督時代を中心に日本代表も担当。井原正巳、森島寛晃、秋田豊、名波浩の引退試合プログラムの編集も担当した。2009年に退社してフリーとなり、2011年に島根に帰郷。エル・ゴラッソ、J's GOALのガイナーレ鳥取担当記者、サンフレッチェ広島ファンクラブ誌「アシスト」の編集のほか、中国5県の高校サッカーを取材・撮影。サッカーマガジン、Number Webなどへの寄稿のほか、高校女子のソフトテニスなども定期的に取材している。