【全国注目校FILE】高川学園高校(山口)知見を広げ、チーム力を強化する山口の強豪
[分類]私立
[所在地]山口県防府市
[設立]1946年
[部員]120人
[2019年所属リーグ]Aチーム/プリンスリーグ中国、Bチーム/県リーグ1部、Cチーム/県リーグ2部
[選手権最高成績]全国3位(2002年度)
江本 孝監督
入部条件は特になし。同校副校長でもある江本孝監督は「サッカーをするだけではなく、プラスして何かを学び、生徒たちのためになる付加価値をもたらすことを考えている」と語り、部員全員が何らかの部署に所属して活動する『部署性』を導入している(詳細は後述)。周囲のことを考えて行動する指針として『目配り・気配り・心配り』を掲げており、2019年は『言葉配り』もプラスして、常に周りを意識して行動することを目指している。
県内最高の実績を誇る山口の強豪校
旧校名の多々良学園高時代から何度も全国大会に出場し、県内最高の実績を誇る山口の強豪校だ。選手権出場24回はもちろん県内最多で、2005年度、2007年度には3位。インターハイでも1999年度、2002年度に3位となっており、元大分FW高松大樹などJリーガーも輩出している。
「人工芝グラウンド&寮」が2カ所
選手の知見を広げる『部署制』も
2002年度にインターハイで3位となったときの主将である江本氏が、2013年に監督に就任。入部した選手によって毎年、布陣やスタイルなどを微調整しながら、局面での個人技とコンビネーション、一人ひとりがチームのためにハードワークするなど、多々良学園高時代からの伝統に沿って実績を積み上げている。学校内と旧・多々良学園高敷地内の2カ所に人工芝グラウンドがあり、それぞれに併設して選手寮もあるなど環境が充実しており、練習後すぐに食事が取れることが体づくり、コンディショニングでプラスになっている。
前記した『部署制』の部署には、試合の分析をする『分析部』、用具の整備や修理をする『道具部』などサッカー関連だけでなく、近くの農園で農作業をする『農業部』、来客者にお茶などを出す『おもてなし部』なども。農業部が作った野菜を販売して、その売り上げで分析部が使用するパソコンを購入するなど、選手たちがさまざまな経験をしながら知見を広げていく取り組みも行われている。
キャプテンシーが光るチームの主軸
MF 内田裕也(3年)
1年時に同学年で唯一、選手権のメンバーに入り、昨年度からはチームの主軸の一人となっているボランチだ。中盤を広範囲に動き回ってピンチの芽を摘むディフェンスに加え、判断力も優れており、的確な配球で攻撃から守備、守備から攻撃をつなぐ。今年度は主将を任されており、苦しい状況でも常にチームを鼓舞するキャプテンシーを発揮している。
高川学園高に入学して以降、「普段から『目配り・気配り・心配り』を意識して生活することで、パスやカバーリングなど、サッカーでも成長することができている」と語り、成長に確かな手応えをつかんでいる。プレー面では「守備だけでなく、得点に直結するパスを出すなど、もっと攻撃で貢献したい」と課題を挙げ、「昨年冬の選手権予選と、今年夏のインターハイ予選で敗れている。今年の選手権予選は絶対に優勝したい」と意気込み、2年ぶりの出場に意欲を燃やしている。
選手権予選突破のために好調を取り戻せるか
今年は2月の新人戦で優勝、中国5県の新人戦上位校で争う3月の中国新人大会も優勝して順調なスタートを切った。だがその後は、6月のインターハイ予選は準決勝で敗れ、プリンスリーグ中国でも下位に沈んでいる。10月から11月にかけての選手権予選突破と、プリンスリーグ中国への残留を懸けて秋から冬の戦いに臨む。