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【全国注目校FILE】専修大学北上(岩手)初のインターハイに挑む岩手の新王者

[分類]私立
[所在地]岩手県北上市
[設立]1965年
[部員]76人(2019年)
[2019年所属リーグ]
TOP/岩手県リーグ1部、2nd/岩手県リーグ2部、3rd/岩手県リーグ3部
[選手権最高戦績]岩手県大会準優勝(2016年)

監督に聞く!求める選手像と指導理念
小原昭弘監督

入部条件は特にないが、小原昭弘監督がこれまでの経験から「人間性の高い選手は入学時点では劣っていても伸びて追い越していく。能力はあってもやるべきことをやらない選手は成長しない」と話すように、人間性の向上が大きなテーマ。そのベースを培ったうえでサッカー選手として飛躍できるよう指導している。

第2勢力を抜け出し、県トップレベルに躍進

専修大学北上

プリンスリーグ東北に名を連ねる遠野、盛岡商業という伝統校が全国大会の常連として有名だが、そこに割って入る存在に躍進を遂げたのが専修大学北上。いまや2強ではなく、3強の時代に突入している。選手の質、層は県トップレベルで、今夏は県高総体を制し、初の全国大会となるインターハイに臨む。特に近年はヴェルディSS岩手をはじめとするジュニアユース年代の有力選手が集結。2ndチーム、3rdチームも岩手県リーグの所属カテゴリーで首位またはそれに次ぐ結果を残しており、熾烈なチーム内競争も好影響につながっている。

小原昭弘監督、就任20年目の節目で初のインターハイへ。
選手権、プリンスリーグ昇格の「トリプル」を狙う

専修大学北上

小原昭弘監督は今年で就任20年目を迎える。その節目となる年の夏に初の県制覇、そして初のインターハイ出場をつかみとった。昨年は優勝を期待される中、県高総体準優勝、選手権県大会ベスト8、新人大会ベスト4という結果で、プリンスリーグ参入戦でも尚志セカンドに敗れ悲願達成はならなかった。翻って今季は岩手県リーグ1部では全勝で折り返し首位を独走、最初のタイトルである県高総体も勝ち取った。基本となるシステムは[4-4-2]。専修大学北上の伝統ともいえる闘う意識と闘える能力を備えながら、今季はよりボールを動かせるメンバーがそろう。相手や試合展開に応じてにはなるが、速いテンポでボールを動かし、相手守備陣のギャップを突くプレーでゴールに迫る。

県ナンバー1の声も聞かれる本格派CB

岩渕蓮也

DF 岩渕蓮也(2年)
ここ数年、岩手県では久しく現れなかった本格派のCBが緑の軍団の最終ラインを取り仕切る。一言でいえば、「何でもできるCB」。打点の高いヘディングで相手の攻撃をはじき返し、マイボール時には左右両足から繰り出される正確なフィードで攻撃をリード。守備の乱れを正す的確なカバーリングに強いリーダーシップも併せ持つ。小原昭弘監督も「入学後の1年数か月をみても本当によくなった。1対1での守備が強くなればもっといい選手になる」と評価。この夏、全国の舞台で経験を積むことで、さらなる高みへの成長が期待されるプレーヤーだ。

同校史上最高、歴史に残る1年になる可能性も

残り試合、下位との勝点差を考えると岩手県リーグ1部優勝はほぼ当確だろう。ポイントになるのは選手権までにチーム力をどう向上させられるか。そのためにも全国レベルの相手と真剣勝負ができるインターハイでは是が非でも2回戦に進出したい。小原監督は「まだまだ形を模索している部分もある」としているが、その型がはまってくると全国での1勝、そして選手権県大会初制覇、さらには12月のプリンスリーグ参入戦勝利がより現実的なものとなる。

WRITER PROFILE

髙橋 拓磨
1981年生まれ。岩手県釜石市出身。編集プロダクションを経て、2010年よりフリーランスとして活動。岩手県内のジュニアからユース世代まで幅広く取材するほか、2015年からはサッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」でいわてグルージャ盛岡を担当。主にサッカー専門誌やWEB媒体、岩手のスポーツ雑誌「Standard」などへ寄稿している。