【一歩先を行くフィジトレ!】負荷を増したフィジカルトレーニング
岡崎慎司、吉田麻也のパーソナルトレーナーを務める杉本龍勇氏が監修のもと、試合で活きるフィジカルトレーニングを紹介する本コーナー。
筋トレに体幹トレーニングは日々、取り組んでいるはず!しかし、それを実戦のプレーや試合で活かせなければ意味がない。今回は身の回りにある用具を使って、負荷を増したフィジカルトレーニングを紹介。
最近の学生を見ていて感じるのは、腰(臀部)回りの小さい選手が多いこと。それだとスピードも出なければ、踏ん張りも利かない。それを修正するためにも重要になってくるのが、腰周りの筋力と内転筋である。そこで今回は、腰周りの筋力と内転筋の強化を目的としたトレーニングを紹介する。
特に内転筋は、試合中のランニングはもちろん、すべてのプレーにおける最後のひと押しにつながる筋肉。内転筋の強化を疎かにすれば、ケガをする可能性が高くなる上に、プレー面では長距離のパスに威力が出ず、スプリントでは加速力に影響を及ぼす。強化の方法としては、スクワットが一般的だが、それだとハムストリングは鍛えられても、内転筋を使っていないケースも多い。
今回紹介する3種目は、どれも内転筋にかなりの負荷が掛かるものになっている。使用するのは、身近にあるであろうサッカーボール。いずれのメニューも地味な動作だが、負荷はもちろん、バランスを取ることすら難しく、難易度は最高レベルである。
LESSON1 ステップスクワット
(前後左右×2セット)
両太もも(膝より上)でサッカーボールを挟み、両腕を真上に上げる。両手を挙げるのは上半身を起こしやすくするため。前屈みや後傾しないよう姿勢にも注意。
そこから太ももで挟んだボールを落とさないように、膝下から足までを動かす意識で前後左右にステップを踏んでいく。ステップはわずかな歩幅でOK。
LESSON2 開脚スクワット1
(5回×2セット)
【前から見た姿勢】
後ろに置いたボールにどちらか一方の足を置き、腰に手を当てたら身体のバランスを取る。そこから上半身の姿勢を崩さないように、身体を屈伸させていく。ボールに置いた後ろ足は支えているだけで、加重が掛かっていてはダメ。動作としては、前足のほうの臀部を上下させていくイメージ。ボールに後ろ足を乗せていることから、かなり不安定なため、まずは自分の重心位置を把握しよう。
LESSON3 開脚スクワット2
(5回×2セット)
【前から見た姿勢】
LESSON2は腰から臀部にかけた筋力に負荷が掛かるメニューだが、LESSON3は内転筋に直接負荷が掛かるトレーニング。今度は自分の身体の前にボールを置き、片足を乗せたら、腰に手を当ててバランスを取る。このときバランスが保てる程度に足を前後に開き、屈伸していく。動作としては、腰や臀部を下げていくイメージ。やはりボールは不安定なため、バランスを保つのはかなり難しいはずだ。