親はサポーターでいい? 見守ることの大切さ
みなさん、こんにちは。第2回目の今回は、「見守ること」の大切さを実感したエピソードについてお話ししていきたいと思います。勉強でもスポーツでも、親は見守ることが大事とよく言われますよね。でも実際は、あれこれ口うるさく言ってしまったり、ついつい言い過ぎてしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。以前は私も「見守ること」ができない親でした。
コーチの言葉
息子は小4の頃から当時所属していた少年団とは別に、Jリーグ下部組織のスペシャルクラスに通っています。通っているスペシャルクラスには、県内屈指の強い選手が集まっているため、強度のある練習ができることに魅力を感じて入ることを決めました。
コーチがジュニアユースの監督をしているということもあり、信頼をおける環境で学べることに対して親としても期待でいっぱいでした。始まる前にコーチから保護者に向けてお願いされたことがあります。
「結果だけではなく、子ども達の取り組む姿勢を大切にして見守ってあげてください」
「たくさん応援してあげてください」
このお話を聞いて私自身もサポートするだけ、見守ることに徹底しようとこの時は意気込んでいました。
先行してしまう、親の想い
スペシャルクラスの練習では、基本的には個人の技術を上げるような練習ではなく、頭を使って考えるメニューが多くなっています。60分間という短時間で多くのメニューをこなすので、普段の練習と違うスピード感に初めは圧倒されているようでした。
順調にスタートした息子でしたが、しばらくすると練習中にミスしたりミニゲームで活躍できないようになっていきました。能天気な息子は特に焦ることはなく「まぁ、なんとかなるか…」と思っていたそうです。ですが、周りの仲間はセレクションで選ばれたレベルの高い選手ばかり。サッカーに対する考え方や意識が高い子達ばかりで相当な努力もしていたはずです。
焦りを感じていない息子はどんどん差をつけられて自信をなくしていきました。しばらくすると、周りについていけない焦りや劣等感から「やめたい」とこぼすように…。コーチも厳しく、練習中おどおどしている様子が見ているこちらにも伝わってくるくらいでした。
そんな息子の姿を毎回見ているうちに心配する気持ちよりも、もっとできるのになんで?という歯がゆさや状況を変えようとしない息子にイライラする気持ちがありました。その想いをぶつけるように毎回帰りの車中ではダメ出しをするように。感情的になってしまった時もあったしキツイ言葉をかけてしまったこともしばしば…。息子は黙って聞いていることが多かったですが、自分でも現状をどう変えていったらいいのか分からないようでした。
子どもの気持ちを尊重し、見守ること
今思うと、この時期は「見守ること」から遠くかけ離れていたなと思います。このままじゃいけないと思った時に思い出したのが、「子ども達の取り組む姿勢を大切にして見守ってあげてください」というコーチからの言葉です。頑張ってほしいと期待する気持ちが先行しすぎていた私がハッとした瞬間でした。
それからは、気になったことがあってもダメ出ししない、息子の気持ちを尊重することを意識するようにしました。息子に気持ちを聞くと「頑張りたい」という答えだったので、練習で出来なかったことやコーチの話の中で理解しきれなかった部分など、動画を見ながら一緒に復習するようになりました。息子自身も「どうしたいか?」が自分の中でハッキリしてからは、ブレることなく努力していたと思います。
本当に少しずつですが徐々に変わっていき、練習中ものびのびとプレーする姿が見られるようになりました。プレーに自信を持てるようになってからは、仲間とのコミュニケーションも積極的に取れるようになり、今では楽しんで通っています! 通い始めてからの約1年は上手くいかない時期を過ごしましたが、「辛かったけど、すごく成長できた!」と言っているので、無駄な時間じゃなかったなと思っています。
主役は子ども、親はサポーター
大前提としてサッカーをしているのは子どもで、何か壁に突き当たった時に乗り越えて行くのも子ども自身です。親は基本見守るスタンスで、助けを求められたら一緒に考えてあげるのがベストなのではないかと思います。
この経験から親はサポーターとして「見守ること」が大切なんだと学びました。本心は決して追い詰めたりプレッシャーを与えたいわけでもなく、親として子どもを真剣に思うからこそいろいろ口出ししたくなってしまうんですよね。でもそれが結果的に子どもにとってプラスにならないなら意味のないことだなと思いました。
そして、余計なことは言わない! 私はここを一番肝に銘じています(笑)。これからも息子がサッカーを通して成長していくように、私も親として成長していきたいと思っています。最後までお読みいただきありがとうございました。