【フィジカルトレーニング ~vol.03~】股関節とハムストリングの強化
股関節とハムストリングの強化
攻撃時のドリブルやシュートだけでなく、守備時も必要とされる
股関節周りの筋肉とハムストリングの強化メニューを伝授する。
TRAINING1
タテランジ❶(前後の動き)
10歩×2~3セット
股関節は球関節であり、360度動くという発想のもと強化しなければならない。そのため横にも縦にも可動領域を広げるトレーニングを行う必要がある。よく緩急あるドリブルという表現を聞くが、メッシやアザール、C・ロナウドが見せる「キュッ」と一歩で加速するドリブルはまさにこの股関節の可動領域の広さに起因している。また、守備の際にも縦と横の動きがスムーズでなければ、相手と対峙した際の一歩足を出す動きに影響してる。前号に続き、今回は縦に股関節の可動領域を広げるトレーニングを紹介する。
正しい姿勢を保ちつつ、足を一歩前に踏み出す。その足を戻して今度は逆足を前に踏み出す。この動きの繰り返しになるが、前足が着地した際に、膝が垂直になっているのを意識すること。また股関節を広げるために肝心な足の開き具合だが、自分の身体が前足と後ろ足の中間にくるように開こう。
正面から見た動き
片足を上げて前に一歩踏み出す。戻して逆足をまた前に一歩踏み出す動きを繰り返す。着地した際、膝が地面に対して垂直になるように心掛ける。また、後ろ足は地面すれすれでキープ。足の開き具合は身体がちょうど中間にくるように意識。また、手を振ることも忘れずに。正面から見た写真で分かるように膝や軸足が内側や外側にブレない体勢を作ろう。
TRAINING2
タテランジ❷(上下の動き)
10回×2~3セット
開いた前足の膝が地面に対して垂直になった状態で、後ろ足を地面すれすれに下げていく。そこから目一杯、上半身と後ろ足を上へと上げていく。この上下動を繰り返すトレーニングだが、タテランジは股関節を含めて、さまざまな筋肉を強化する最強メニュー。筋肉痛にならなければ、間違っている証拠だ。
両手を挙げ、前足の膝が地面に垂直になる状態にして、後ろ足を地面すれすれまで下げていく。そこから上に目一杯上げて、後ろ足の位置を戻したら、また下げる動きを繰り返す。膝を曲げるというよりは、後ろ足を地面に近づけるイメージを持って上下動しよう。
TRAINING3
ハムストリングの補強
20回×3セット
ハムストリングはサッカー選手にとって重要な部位である。ここが強化されれば、体力が衰えた試合終盤も、身体を支えてくれるため足が動くようになる。重要度の高いハムストリングの補強につながるトレーニングメニューを紹介する。
寝転がり両膝を立て、お尻を持ち上げていく。下ろす際は背中を地面につけず、ギリギリでキープする。お尻を持ち上げたとき、膝は90度で、身体が一直線になっているのが好ましい。お尻だけではなく肩甲骨を含めた背中全体も上がっていくように動かそう。日本人はハムストリングや背筋が弱いとされているため、このメニューは週に3~4回程度は行ってほしいトレーニング だ。
膝を立て寝転がり、お尻を持ち上げていく。戻すとき背中は地面につけず、すれすれでキープする。お尻を持ち上げたとき、膝は90度 。背中まで持ち上げる意識を持とう。