【体幹の鍛え方 ~vol.06~】空中戦での競り合いに負けない軸を作る
空中戦での競り合いに負けない軸を作る
空中戦で身体の軸がぶれてしまえば、競り合うことはできない。
それはFWを封じるDFやGK、ヘディングするFWにも言える。
空中戦での能力が問われるジャンプ力だが、イコール脚力だと思われがち。だが、脚力だけを使ってジャンプしても姿勢が悪ければ、上体がくの字に曲がってしまい競り合うことができない。ようするに、それでは直線的に飛べず、到達点まで届くことはできなくなる。これはFWにもDFにも言えることで、姿勢が崩れ、速度も落ち、到達点まで届かないとなれば、FWは叩き付けるようなヘディングシュートを打てず、DFは相手と被ってしまい失点の要因になってしまう。GKも同様。ハイボールに強いGKは姿勢よく飛び、いち早く到達点に達するからこそ、正確にボールを処理できるのだ。
脚力があっても姿勢が悪ければ、その脚力も役に立たない。海外の選手で言えば、クリスチャーノ・ロナウド。彼は腹筋だけでなく背筋もしっかりと鍛えられている。そして体幹がぶれることがないから、高い打点からしなるようにして叩き付けるヘディングシュートが打てるのである。体幹と聞けば腹筋と思われがちだが、背筋もしっかりと鍛えてほしい。空中戦での競り合いにも、体幹の基礎となる姿勢は重要な要素となってくる。
TRAINING1
上下にジャンプして足を入れ替える
片足10回×3セット
空中戦で必要な上下の動きを養う。この際に必要になってくるのが、やはり体幹の基礎となる正しい姿勢だ。低い台を用意し、その前に片足を乗せる。その際、前に出ている足全体に重心を乗せる。足に自分の腰を乗せるようなイメージで体幹を保とう。膝だけに体重を乗せたり、脚力だけで飛ぼうとしたりするのではなく、足全体で体重を支えることがこのトレーニングでは重要になってくる。そして、片足で跳び、足を入れ替えて着地する。足を踏み切る、飛んでいる、そして着地する際も正しい姿勢を保つように心がけよう。
また、飛ぶ際は手の動きも加えよう。高校生の試合などを見ていると、足だけでジャンプしようとしているケースが非常に目立つ。より高く飛ぶ、より姿勢を保持するには、実は手の動きこそが重要だ。このトレーニングを通じて手の動きを習慣づけ、実践となる練習や試合でも手の動きを加えて飛べるようになろう。
片足を台の上に乗せて、足を踏みきる。空中では写真3のような姿勢から、足を入れ替えて着地する。脚力だけで飛ぼうとするのではなく、手の動きも加えて、身体全体で飛ぶようなイメージ。正しい姿勢を保ちながら飛ぶことを、踏み切る際も飛んでいる際も、そして着地する際も意識しょう。片足10回ずつ、ようするに両足で20回を目標に3セット行うのがいいだろう。
TRAINING2
体幹をぶらさずに左右にジャンプする
片足10回×3セット
次は上下の動きではなく、横の動き。写真のように台の横に片足を乗せ、台を飛び越えるように真横にジャンプする。台を挟むように右、左とジャンプしよう。この際も手の動きは忘れずに踏み切ろう。手の動きは自分の上体を持ち上げ、背筋を伸ばす効果もある。
また、体重の掛け方だが、横の動きの時は膝のインサイドに体重が乗るように重心を保ち、そこから台に乗せている足で踏み切ろう。この際も大切なのは、踏み切る際も空中でも、正しい姿勢を保ち続けることだ。
台に乗せている足は、空中戦で相手と競り合う際に踏み切る足のほうに当たる。その時に身体の軸がしっかりとできていれば、空中で相手と接触しても簡単にバランスを崩すことはなくなる。逆に軸ができていないと、競り合いに負け、身体がぐにゃっと曲がり、着地も不安定になる。競り合いに負けるだけでなく、次へのプレーの動作にも影響がでてきてしまうことになる。
写真1のように台の真横に立ち、片足を台の上に乗せる。そこから足を踏みきり、台を飛び越えるように飛び、逆足を台の上に乗せるように着地する。それをリズムよく片足10回ずつ、両足20回を目安に1セットとしてトレーニングしよう。手の動きと正しい姿勢を保持することを忘れずに。この動作は、試合や練習などで相手と空中戦で競り合う際にも必要とされる動きだ。