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世界チャンピオンになる人ってどんな人?

以前、格闘技雑誌の取材を長年続けていた記者の方と話をする機会があった時に、深く共感できる話題がありました。
それは、「日本チャンピオンを目指す選手は日本チャンピオンになれない。」というものでした。

では日本チャンピオンにはどういう人がなるのか。

日本チャンピオンになる人は世界チャンピオンを目指している人だといいます。
多くの日本チャンピオンを取材してきた彼が、いつも取材の最後に「ベルトを見せてください。」と告げると、多くの選手が困り顔で「どこにやったかな??」という反応をし、押入れの奥のほうから出てくるということがよくあったそうです。

これは目標の終着点と通過点の大きな違いを物語るエピソードだといえます。
では、世界チャンピオンになる人はどんな人なのか?
それは「世界チャンピオンになって○○したい」という目的を持っている人です。

支えてくれたたくさんの人たちに恩返しがしたい、世界を平和にしたい、子どもたちに夢を与えたい、など。

これはどの世界でも当てはまることだと思います。
僕自身もまさにその経験をしました。小学生の頃にJリーガーになりたいという夢を持ち、高校卒業後にJリーガーになりました。
しかしその時の僕には次の目標は漠然としかありませんでした。「試合に出たい」という程度の。そのためにどんな努力をどれだけすればよいのか、まったく見えていませんでした。
もちろん毎日の練習は必死に頑張っていました。でもそれだけでした。必死に練習に食らいついていくだけで、将来の自分も、今やるべきことについても考える余裕がありませんでした。

僕は念願のJリーガーになった夢をわずか2年で戦力外通告という形で終えることになりました。
同年代の選手たちは次々と活躍、レギュラーを獲得し、日本代表に選ばれ、ワールドカップに出場する。
僕はその目標の「終着点」と「通過点」の違いで目指すべき標的が大きく変わり、日々の行動が大きく変わり、大きな結果の違いをもたらすことを体感しました。

新学期が始まる今、一度自分の目標を考えるのもよい時期ではないでしょうか?

大きな目標がすべてではありません。
目標を立てるのは、小さな一歩を踏み出すためのものです。
どんな目標も立ててみることで、それが自分の性格に合っているのかどうかも徐々にわかってきます。

目的を持って毎日の練習に取り組んで、小さな達成をたくさん繰り返して、自信をつけていってほしいと願います。

WRITER PROFILE

野田恭平
1981年、神奈川県生まれ。サッカー親子講師。東京V、琉球、岐阜などでゴールキーパーとして活躍。現在は、全国のサッカー少年と保護者を対象に親子向けの親子イベントを開催し、「スポーツを通した人間育成」と「子どもの可能性を最大限に引き出す親のサポートの在り方」をテーマに講演活動を展開。また、JFAこころのプロジェクトのメンバーとして、「夢を持つことの大切さ」と「夢に向かって努力することの大切さ」を子どもたちに伝える活動を行なっている。サッカー少年を育てるママの悩みに真剣に向き合い、絶大な信頼を得ている。