【一歩先を行くフィジトレ!】上半身と腕を強化するトレーニング
岡崎慎司、吉田麻也のパーソナルトレーナーを務める杉本龍勇氏が監修のもと、試合で活きるフィジカルトレーニングを紹介する本コーナー。 筋トレに体幹トレーニングは日々、取り組んでいるはず!しかし、それを実戦のプレーや試合で活かせなければ意味がない。今回は、上半身と腕を強化するメニューを紹介。
サッカーは足でボールを扱うため、何かと下半身に着目しがち。だが、能力を最大限に生かすには身体のバランスが重要になる。そのため、上半身の強化も大きなポイントとなる。上半身の筋力がない、もしくは柔軟性を欠けば、ボールを蹴るときはもちろん、スプリントや競り合いでも力は半減してしまう。 リヴァプールに所属するファン・ダイクが、なぜ優れたDFと言われるのか。その理由のひとつは上半身と腕にある。彼は、ポジショニングの妙だけでなく、しっかりと腕を使うことで、一歩目の初速や反転のスピードを加速させている。一方、日本代表の吉田麻也もそうだが、腕を使えていないときほど、裏を取られ、危ない場面を作られている。 それだけ、“動き”において、腕は重要になる。上半身の強化と聞くと、腹筋や背筋を鍛えようとする人も多く、腕となると腕立てふせやベンチプレスばかりをする選手も多い。だが、しっかりと腕を振れるように、上半身の神経回路を作っていくことも大切なのである。
LESSON1 ケーファー
(片足30回ずつ(60往復)×2セット)
仰向けの状態で肩甲骨と足を浮かせる。手と足を連動させて交互に動かしていく。手は肘を曲げずに、背中から動かしていくイメージ。また、胸に引き寄せた足首は90度に、伸ばした足は底屈させる(走っているときの動きに近くなる)。リズムよく手と足を動かすことが重要になるため、ゆっくり、正確な動きを心掛けよう。
LESSON2 バタフライ
(20回×3セット)
【横から見た動き】
台に座り、正しい姿勢で両腕を耳の後ろに上げる。大きな円を描くように腕を下ろしながら、身体を前傾させていく。背中が曲がってしまうと効果が薄れてしまうだけに、前傾すればするほど、背中を張るイメージ。体幹を維持しながら行うことで、背筋と腕の連動性が高まる。正座でもOKだが、その場合は踵がお尻から離れないようにしよう。
LESSON3 背筋強化+腕振り
(20往復×3セット)
【正面から見た動き】
腰から身体を曲げて手を下ろし、軽く膝を曲げた状態から両腕を前後に大きく振っていく。スタート時の姿勢を崩さないように注意。手首の力は抜き、肘を伸ばして腕を振ると柔軟性は増す。腕を目一杯振っても、頭の位置が変わらないように意識。ウォーミングアップ時にやると、腕が動くようになり、より腕の重要性を実感するはず。