落ち込まないで切り替えよう!はNGワード?
こんにちは、メンタルトレーナーの清水利生です。
落ち込んだ時にどう声をかけたら良いか困ってしまう。くよくよしている息子に強くなって欲しい。
そんなご相談を受けることがあります。将来的には壁にぶつかっても乗り越えていけるような強い子に育っていって欲しい。そんな気持ちが出ることは当たり前かもしれません。スポーツはもちろん、受験や、就職など、乗り越えていかないといけない様々な場面がでてきます。そんな時、なりたい自分の姿に向かって戦えるのは親ではなくお子様ご本人。できる限り強くなってもらいたいですよね。
私がメンタルサポートをする時に心がけていることは、失敗しないことがゴールにならないことです。うまくいかなかった時、試合でミスをしてしまった時、その場で前向きにいることが将来的に壁を乗り越えられることに繋がるわけではありません。逆に無理な前向き思考は本人にとって問題を引き起こしてしまいます。
切り替えろ!のデメリット
私は子どもの頃、試合に負けた後にコーチから「下を向いていないで切り替えて前向きに!」そんな声をよくかけられてきました。確かにいつまでも下を向いていたら前へ進めません。しかし、すぐに切り替えてしまうことで結果を受け入れることから逃げることになっていたとも感じます。
現在、メンタルトレーナーになり、結果が出ず落ち込んでいる選手には、まずは気がすむまで落ち込んでもらっています。失敗を受け入れる時間をとるということです。 時にはその気持ちを2、3日引きずってしまうこともあるでしょう。しかし、その失敗が起こったことに対しての「悔しい」「情けない」などの感情をしっかりと味わっていくことで次にどうしたいかという気持ちが芽生え、目標設定も自分自身できるようになっていきます。
「すぐに切り替えろ!」のデメリットは現実を受け入れることから逃げてしまい、その失敗がなかったことのように扱われてしまうことで、本人の経験値にならなくなってしまうことなのです。 子どものころから失敗したという現実を受け入れ、感情で味わい、次にどうするかという自己分析をできるようにすることで、壁にぶつかった時に乗り越えられる気持ちの整理上手になっていくのではないでしょうか。
ぜひ、一緒に落ち込む時間を作ってみてください。