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子どものサッカーと成長を支える“メンタル&環境づくり”について

子どものサッカーと成長を支える“メンタル&環境づくり”について

親にとって何かに真剣に取り組んでいる子どもの姿に接するのは、とても嬉しいことです。今回は、サッカーに取り組むお子様に対して、一つの側面からの「親の接し方」についての考え方と具体的手法についてお話をしていきたいと思います。

1. 子どもの中にある「無限の可能性」の家族からの視点について

最近は海外で活躍する日本人選手が増え、日本代表が強くなったこともあり、サッカーに取り組んでいる子ども達へのインタビューを聞くと「三笘選手のようになりたい」とか「日本代表になってW杯で活躍したい」などと頼もしいコメントを数多く聞くことができます。

実際に世界で活躍している選手を見ても、子ども時代から大きなビジョンを掲げていることが多いようですね。私も「今の子ども達の中から、すでに今世界に羽ばたいている日本の選手を超えるような選手が育っていくのだろう」と信じています。そしてその成長を着実なものにしていくには、家族の協力は無くてはならないものでしょう。

世界的なサッカー選手になれたら本人も親も幸せなことだと思います。そのためには可能性を信じ続けるということは大切なことだと考えます。ただここで、サッカーに夢中なお子様よりも少なくとも数十年の人生経験をお持ちの親でしか見ることができない見方があると思っています。それはお子様がこれから歩んでいくだろうという長い長い人生を見渡すことができるという点です。

そしてそのお子様に幸せな人生を生きてほしいというレンジで見渡したとき、「無限の可能性」にはきっとサッカーを超えた要素も含まれてくることもあるでしょう。そんな視座を、親がお子様の日々のサッカーを支えるときに頭の中にほんの少し持っていることが脳内の緩衝材となって、近視眼的になり過ぎずに、お子様との接し方の余裕にもつながります。

2. お子様が自分の「無限の可能性」を開花するために必要なこと

① “自分の中の敵”の存在を知る

サッカーに限らずスポーツに取り組むとき、自分の中に内在している最大の敵をどう対処するかが、その瞬間瞬間のプレーのパフォーマンスを最大限にするために重要な要素です。

私はコーチ業をしておりますが、コーチングの歴史を紐解くときに必ず出てくるティモシー・ガルウェイさんという方がいらっしゃいます。ティモシーさんはアメリカ西海岸でプロテニスコーチとして長年指導を続けるなかで、この“自分の中の敵”の存在を発見しました。自分の中には2人の自分が居て、1人は何も考えずに練習通りのプレーを可能にする自分、もう1人がいろいろと余計なことを耳元で呟く自分であり、それが対戦する相手に匹敵する“内在する敵”だということなのです。

その“自分の中の敵”はサッカーで例えると『今日の相手は、前回負けているから今日も負けるかも・・』と呟いたり『今日は観客が多いからかっこいいプレーを決めたいな』と余計なことを囁いたり、『ここでPK外したら負けか、、やりたくないなぁ』と言っている自分です。一流のアスリートは多かれ少なかれこの“自分の中の敵”の存在を知り、その存在の手なづけ方をマスターしているのです。

② “自分の中の敵”を黙らせるには

“自分の中の敵”の特徴として、もう1人の“練習通りプレーできる自分”を全く信じていない、という点が挙げられます。プレーする瞬間に『きっとミスるよ!』と囁き、ミスをした途端『ほらね、やっぱりお前の実力はそんなものなんだよ』と言って傷を上塗りします。このループに入ると、練習ではできるけど試合になると別人のようにミスを連発してしまうようになり、そのうちに練習そのものも楽しくなくなってきてしまいます。

このやっかいな“自分の中の敵”には引っ込んでいてもらうに越したことはありません。そのために大切なことは2つです。1つ目は、とにかく集中すること。もう1つは自分の体がどのように動いているか意識するということです。ティモシーさんは、“ボールを漠然と見るのではなく「縫い目が見えるくらい」しっかり見なさい、そしてボールを打つとき腕がどのような位置にあるか意識しなさい”と説いています。この集中力に関することはそのままサッカーにも通じると思います。

③ 内在する“敵”を無力化にするために家族ができること

この“自分の中の敵”は、すでに大きな存在に育ってしまっているお子様もいれば、全く関係なく日々楽しまれているお子様もいらっしゃると思います。いずれにしてもお子様が“自分の中の敵”に邪魔されず練習も試合も楽しく続けるためには、ご家族がサッカーに関してお子様の“自分の中の敵”が力を持たないような会話を心がけることが重要です。

親としては「上達してほしい」「選手として活躍してほしい」そして「もっと体力と技術を短期間で向上できたらいいのに」と考えることは自然な反応だと思います。そしてついつい結果や状態に目を向けがちですが、これらの“結果についてのフィードバック”は“自分の中の敵”の好物となります

“敵”に引っ込んでいてもらい“練習通りプレーできる自分”を主役にするためには、過去のプレーを言葉で分析することは禁物です。“練習通りプレーできる自分”はどのような状態で活躍するかというと、頭のお喋りが入り込めないほど感覚的なイメージがより研ぎ澄まされた状態です。ぜひご家庭でももしサッカーの話題をされるときは、個々のプレーを言語化することは避け、お子様の“感覚やイメージ”をどのような表現であってもそのまま育むような会話をお試しください。

ティモシー・ガルウェイ
(1938年8月12日〜)
アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サンフランシスコ出身

WRITER PROFILE

1982年より外資系日本法人7社に約29年間勤務し、一貫して欧米ブランドの日本市場におけるブランドポジショニング確立に従事。リーバイ・ストラウスジャパン、ナイキジャパン、スウォッチグループジャパンでは事業部トップのジェネラル・マネージャー、リーボックジャパンでは日本法人の代表取締役を務めた。東日本大震災発生をきっかけに、米国発の組織開発の手法Nine Domains Approach℠を日本で展開すべく、2011年NineDomains Institute株式会社を設立。大手企業で企業研修・エグゼクティブコーチングを多数行う。

【保有資格】
・ICC(国際コーチング連盟)認定コーチ I・CC 認定チーム・コーチ
・DiSC®認定コンサルタント/トレーナー H・eartMath研究所認定トレーナー
・ナインドメインズアプローチSM公認ファシリテーター

NineDomains Institute 株式会社

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