前橋育英高校【全国強豪校REPORT2025】
連覇を狙うタイガー軍団
前橋育英高校
群馬県/私立
【主なOB】渡邊凌磨(浦和レッズ)/小泉佳穂(柏レイソル)/鈴木徳真(ガンバ大阪)/中村草太(サンフレッチェ広島)
KEYWORD01:強く、激しく、美しく
「人とボールが動く前育らしいサッカーを、質を高くやっていける」冬の全国王者の今季の戦いを、竹ノ谷主将はこう表現する。新チームには2年次から出場機会を得ていた選手も多い。それでも山田監督が「昨年試合に出ていたから今年も出られるとか、それは全くない。誰にでもチャンスがあるんだっていう意識を持ってファイトしてくれれば、レギュラー格の選手にとっても刺激になる」と語るように、学年は関係ない、チャンスをつかんだ選手が勝ち残るというメンタリティーが王者の強さを支えているのだろう。

竹ノ谷優駕(3年/MF)
「今年は選手権の連覇だけでなく、すべての大会で昨年より上の順位、上のタイトルを目指しているので、目の前の試合に100%をみんなが出せるような雰囲気づくりを心掛けています」
KEYWORD02:111人
これまで前橋育英からプロの舞台へと駆け上がったのは111人(2025年現在)に上る。現3年生にも、選手権決勝で得点を挙げ優勝に貢献したボランチ柴野快仁をはじめ、Jクラブが注目するタレントが集まる。ワールドカップ2 名· オリンピック2名· 世代別56名という日本代表招集人数を見ても、全国屈指の名門校であることがうかがえる。
柴野快仁 (3年/MF)
「高いポジションを取って点を決めたり、アシストで貢献しようと意識しています。今年は特に注目、対策されるチームになってきたので、自分たちの代でも強さを見せつけられたらと思います」
KEYWORD03:7大会ぶり2度目
流通経済大柏(千葉県)との熱戦を制し、7大会ぶり2度目の選手権制覇を成し遂げた前橋育英。同カードを制し初栄冠となった96回大会の先発11人中9人がプロ入りした伝説の世代以来の戴冠となった昨年度のメンバーからは、何人のプロ選手が誕生するのだろうか。

KEYWORD04:人間力
数多のJリーガーを育てた山田耕介監督が指導において大切にしているのが、人間力の育成だ。「選手の総合力=(技術力+身体能力)×人間力。これは、私が考えた選手の総合力を測る公式です。どんなに優れた技術、恵まれた身体を持っていても人間力が0であれば、選手の総合力は0。スキルに人間力が加われば、飛躍的に選手は伸びていく」と語る。

久保遥夢 (3年/DF)
「ゴール前で体を張って、チームの勝利にディフェンスで貢献したいと思っています。“人間力”を大事にされている山田監督からは、サッカーのスキル以外でも教わることが多いなと感じています」
KEYWORD05:高崎グラウンド
授業を終え、校舎から自転車で移動できる範囲に位置する前育イレブンの練習場· 高崎グラウンド。全面人工芝のグラウンドに観客席、クラブハウスまでそろった充実の環境が選手権王者の日々のトレーニングを支えている。

瀧口眞大 (3年/DF)
「日本一という景色をもう一度見られるように、チャレンジャー精神を持ってすべての大会に臨んでいます。ピッチ内外でもっと成長して、人として、選手として愛されるような存在になりたいです」
写真/渡部幸和