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指導者の言霊「大津直人 FC BASARA HYOGO クラブマネージャー兼U12監督」

指導者の言霊「大津直人 FC BASARA HYOGO クラブマネージャー兼U12監督」

失敗を恐れずチャレンジし続ける。だからこそサッカーを楽しむこと

FC BASARA HYOGO はもともと2014年、元日本代表の岡崎慎司氏らとともにMeisterという名前で立ち上げたクラブです。2021年に改称し、現在アカデミー部門では7歳から18歳までの選手が育成一貫プログラムに沿って活動しています。そこで我々が重視しているのが積極性です。失敗を恐れずにチャレンジをし続ける、攻撃でも守備でもアグレッシブにプレーすることを徹底しています。

そのために何より大切なのが、サッカーを楽しむこと。よく親御さんから「うちの子は自主練しないんです」と言われるのですが、子どもたちには人それぞれ成長サイクルがあります。自主練を強制しても、続かないでしょう。一番はサッカーが好きだと思えることで、そうなればもっと上手くなりたいと考えるし、自分から練習するし、上手くなってきたら自然と向上心に火がつくものです。

私はよく「夢は何?」と子どもたちに問いかけます。その夢に近づくために“楽しい”の基準を上げようと。勝負する楽しさ、対人プレーで勝ったときの嬉しさ、成功したときの喜び。壁にぶち当たることさえ楽しいと思える、どんなにつらいときでも笑いながらチャレンジできるクラブにしたいので、指導者もとにかく笑顔で一緒に楽しんでいますね。

練習では「プレー時間を多くしよう」という指導者たちの共通理解があります。教えすぎず、自由な発想が出やすいようにルールを決めすぎないこと。また表情や態度、言葉など、子どもたちの変化に気づくことも重要です。成長には個人差があるので、求めるポイントも一人ひとりアプローチを変えています。そして、とにかくチャレンジは褒める! でも、人任せなミスはしっかり怒ります。

欧州で活躍するための「決断力」。岡崎慎司が示す“失敗の大切さ”

我々のアカデミーの先にはトップチーム(関西サッカーリーグDivision 1所属)、さらにFC BASARA MAINZというドイツ6部リーグで戦うクラブがあり、将来ヨーロッパで活躍できる選手を目指してレベルアップしてほしい思いがあります。その目標に向けて意識していることの一つが、プレー中の「決断力」です。

ドイツの選手と比べて日本人に何が足りないか、FC BASARA MAINZ の指導者はフィジカルでも技術でもなく決断力だと言います。ゴール前やボールを奪った瞬間など、小学生の年代から「決断力を上げよう」という声かけは常にしています。

そうした我々の指針として、クラブのスポーツダイレクターを務める岡崎氏の存在は大きく、選手にも指導者にも言葉では表せないほど多くのものを示してくれます。彼がよく言うのは、焦ったらダメだということ。ジュニア、ジュニアユースの選手には今いろんな経験や失敗をさせて、次のステップにつなげることが大事なのです。だからこそ試合にも「とにかく楽しめ!」と選手を送り出しています。

厳しい練習は普段しているので、試合は自分とチームを信じて思いっきりやろうと。子どもたちは勝ちたいのが当たり前ですし、負けてもいいなんてこれっぽっちも思っていません。ただ、その勝ちたい気持ちをチーム全員が共有できる、そのために選手自身が努力しようと思える指導を心がけています。

この夏にはバルセロナ(スペイン)やユベントス(イタリア)との試合も経験し、上手いだけじゃない“闘える”選手になろうと、みんな目の色を変えて取り組んでいます。

親御さんには、子どもたちをとにかく応援してほしいですね。彼らにとって親は一番のサポーターです。「保護者ではなく応援者になってほしい」という言葉で我々は伝えています。サッカーは一人では絶対にできないスポーツです。

サッカーを通じてチームメイトや親の大切さ、壁を乗り越える楽しさを学び、うまくいかないときこそ仲間と話し合って、どう改善し、チームと自身の成長につなげるか。これが自然とできるのがサッカーの魅力だと思います。子どもたちにはどんなときでも全力を出して、どんなときでも楽しめる、そんな人間になってほしいですね。

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