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中学1年生の過ごし方と気を付けたいポイント【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】

中学1年生の過ごし方と気を付けたいポイント【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】

サカママ読者の皆様、こんにちは。大槻です。
新年度がスタートしましたが、いかがお過ごしでしょうか?新生活に慣れないこともあると思いますが、日常を焦らずに過ごしていきたいものです。私自身も環境を大きく変えて、新しいチャレンジをスタートさせました。新しい環境、新しい出会いはとても新鮮であるのと同時に緊張感も感じています。それでも、そんな気持ちが自分自身を成長させてくれるのではないかと楽しみにも感じています。これまでと同様に"明るく、楽しく、元気よく"サッカーと向き合っていきたいと思います。

今回は新年度ということで、中学1年生に進級した子ども達とその保護者の皆様に向けて、中学1年生の過ごし方や気を付けたいポイントを整理してみました。中学1年生は"大人のサッカーの入口"とも言われています。この時期に良いスタートを切るためにも、一緒に考えていきましょう。

中学1年生は、大人のサッカーの入口だとも言われています。この時期に良いスタートを切りたいですよね。

中学1年生に起こる変化

日常に起こる変化

中学1生に起こる変化

学校生活の変化

多くの子ども達には、3つの大きな変化があるかと思います。1つ目は環境です。単純に足を運ぶ学校が変わりますから、慣れないことが多いのも当然ですよね。

2つ目は時間です。小学校の頃に比べると授業時間が長くなるだけでなく、学校に滞在する時間が長くなります。集中力も求められますから、体力的にも大変ですよね。

3つ目は関わる人が増えることです。中学校になると教科によって先生が変わることが多いと思います。これまで以上に多くの先生方との関わりが増えてきて、それぞれの先生方とのコミュニケーションが必要になってきます。

大人にとっては、何気ないことであっても中学1年生の子ども達にとっては慣れない環境でストレスや疲労を感じることも多くなります。この時期にあまり無理をして詰め込み過ぎてしまうと心も身体も疲れ切ってしまいますから、子ども達の様子を観ておく必要があるでしょう。

定期考査

保護者の皆様はご存知の定期考査(教科別の試験)が始まります。小学校の頃と比較すると試験範囲が広がり、勉強との向き合い方が変わってくると思います。特にサッカーを志す子ども達にとっては、勉強との両立に頭を悩ませる子も少なくないと思います。

勉強が上手く進まないことでサッカーも上手くいかない、またその逆もあると思います。ひと昔前でしたら、定期考査期間中は活動がOFFになるチームも多かったのですが、リーグ戦化に伴って完全にOFFを設定するようなチームも減ってきましたから、日常的に勉強をする習慣を付けておく必要があります。

行動範囲が広がる

小学生の頃は保護者の引率が必要だった事に対し、中学生になると子ども達自身で移動することが増えてきたり、移動したがったりすることが増えてくるかもしれません。子ども達の行動範囲が広がるということは、社会との接点が増えることを意味します。

公共交通機関利用時のマナーや不要なトラブルなどに巻き込まれないように、指導が必要なこともあると思います。中学生になったからといっても、大人の働き掛けが必要だと思います。

第二次成長期と思春期

中学生になると日常生活に起こる変化だけでなく、自身の心と身体が少しずつ大人になっていく年代です。どのような特徴があるのか、まとめてみました。過去の記事も参考にしてください。

※過去記事参照
思春期の身体や心の変化、どう向き合う?

成長期

一般的には男子が11歳~16歳前後、女子が10歳~15歳前後と言われています。大人の身体に少しずつ近付いていく時期です。(もちろん成長には個人差がありますから、この枠に幅に収まらないこともあると思います)私自身の経験則では、中学1年生の夏頃までは小学生と変わらない体格の子が多いように思います。その後、中学2年生に近付いてくると少しずつ身長が伸びてきてバランスが悪くなる子が目立ってきます。このような時期をクラムジーと言います。

※クラムジーとは?
身長が急に伸びてしまうことによって、身体のバランスを失ってしまい思うように身体が動かせなる時期のこと。今まで出来ていた動きが出来なくなり、動きにぎこちなさが出てきてしまい転んでしまうことも目立つようになります。

過去の記事でも紹介しましたが、この時期はスピードや強度といったものを求めるのではなく、まずは今まで取り組んでいた技術の復習をゆっくり取り組むことが良いでしょう。

思春期

また子ども達はこの時期は身体の成長だけでなく、思春期を迎え心の変化が見られる時期でもあります。「自分が何者であるのか?」を知る"自我同一性"を確立させていくことになります。周囲からどのように見られているかを意識したり、他人と比べて安心したり落ち込んだりと様々な葛藤を抱える時期です。

特にご家庭の中でも小学生の頃はたくさん話をしてくれたのに、中学生になってから保護者の方と話をしなくなった…子どもが何を考えているのかわからない…といったこともあるかもしれません。

子ども達は外では常に気を張って活動しています。家庭に戻ってわがままを言ったり、自己主張ばかりを繰り返したりすることもあるかもしれません。それでもそんな時期だと受け入れて「いつも応援しているよ!」という気持ちが伝わるような環境を作ってあげて欲しいと思います。

目は離しても、心は離さない…そんなサポートが必要かもしれませんね。

サッカーにおける変化

中学1年生になると、日常生活の変化や身体と心の変化だけでなくサッカーの面でも大きな変化が起こります。整理して考えてみましょう。

サッカーにおける変化

8人制から11人制へ

小学生サッカーは8人制ですが、中学生からは11人制に変わります。ピッチ内で関わる人数が増えていきますから、攻守に渡って仲間と繋がってプレーする機会が増えてきます。グループで何かを達成していくことや、重要性を認識していくことになります。

ジュニアコートから大人のコートへ

ジュニアコートのサイズは65m×50mですが、一気に大人が試合をするコートサイズ105m×68mに拡がります。単純に動く量も、走る距離も増えますから、身体への負荷が掛かります。もちろんコートサイズに慣れていくことも大切ですが、身体への負荷を考慮していくことが必要でしょう。

サッカーボールの変化

4号球から5号球へとボールの大きさが変わります。ボールの重さはメーカーによっても違ってきますが、4号球の重量が350~390g、5号級の重量が410~450g。ボールを蹴るのに、これまで以上にパワーを使うようになります。これまでと同様にボールを蹴っていると、知らず知らずのうちに負荷が掛かり怪我に繋がっていきます。少しずつ筋力が付いてきますから、焦らずに子どもの成長を見守っていきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?中学1年生は、小学生のような幼さもありますが、心と身体が大人に近付いていくだけではなく、取り巻く環境も大きく変わっていきます。まずは生活に慣れるのに精一杯といった状況でしょう。環境が変わり「やってやろう!」と気持ちの入っている子ども達も多いかと思いますが、あまり大きな負荷をかけずに見守ることからスタートすることが良いと思います。

自分自身もコツコツと出来ることを積み上げていきたいと思っています。一緒に頑張りましょう!

中学生は生活に慣れるように見守ろう

 

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WRITER PROFILE

大槻邦雄
大槻邦雄

1979年4月29日、東京都出身。
三菱養和SCジュニアユース~ユースを経て、国士館大学サッカー部へ進む(関東大学リーグ、インカレ、総理大臣杯などで優勝)。卒業後、横河武蔵野FCなどでプレー。選手生活と並行して国士舘大学大学院スポーツシステム研究科修士課程を修了。中学校・高等学校教諭一種免許状を持ち、サッカーをサッカーだけで切り取らずに多角的なアプローチで選手を教育し育てることに定評がある。

BLOG「サッカーのある生活...」も執筆中
★著書「クイズでスポーツがうまくなる 知ってる?サッカー

株式会社アクオレ株式会社ティー・パーソナル