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子ども同士、親同士のトラブルが起こった場合の適切な親の関わり方とは

子ども同士、親同士のトラブルが起こった場合の適切な親の関わり方とは

皆様こんにちは! 梅雨入りでジメジメとした日が続きますね。我が家の子どもたちはそれぞれ公式戦が始まり、忙しいサッカー生活の日々が続いています。

さて、今回のコラムは、これまでいろいろな方から聞いた子ども同士、親同士のトラブルの経験談や、自分の体験から学んだことについて書きたいと思います。

子ども同士の喧嘩から親同士のトラブルに発展

サッカーをしていると、時に子ども同士でトラブルになることもあると思います。サカママ同士で話しているときによく聞くトラブルは、子ども同士の喧嘩から親同士の仲も悪くなってしまうこと。とくに小学生くらいまでは自己主張が激しい子が多いので、しょっちゅう喧嘩して、でも次の瞬間にはすぐに仲直り、というようなことばかりあると思います。

〇〇にこう言われた! △△がこんなこと言ってきた! なんてしょっちゅうです。ミニゲームでは主張の激しい子がポジションを譲らなかったり、あまり主張しない子がいつもキーパーをやらされているなどなど。

サッカー中に言い合いをしても、試合が終わったら仲良く話していたり、仲が悪いと思っていたらいつの間にか一緒に遊んでいたり。子どもたちなりのコミュニケーションがあるのも面白いなと思っています。ただ、そういった子ども同士のありがちな喧嘩や、子どもの言い分を全て真に受けて怒ってしまう親御さんもいます。

親同士のトラブルはなぜ起こるの?

これはサッカーだけに限ることではありませんが、第一に皆自分の子が大事ということに尽きます。

誰もが自分の子どもが一番大切です。だから自分の子の言うことを信じます。それはもちろん、当たり前のことだと思います。ただ、子どもは親に報告するときは少しだけ自分に有利になるように話していたり、大袈裟に話したりすることがあります。ですので、全てを鵜呑みにする前に、何があったかをきちんと確認することが大切だと思います。

たとえば、一方的に相手から何かを言われたような話し方をした場合は、その前後に何があったのか時系列でしっかりと聞く。子どもは言われたことだけを意識しているので“そもそもなぜこんなことになったのか”を冷静に考える時間が必要です。話しているうちに頭の中が整理されて「ま、俺も悪かったんだけどね」と自己解決する場合もあります。

怪我につながる危険な行為や、助けを求められているいじめのような行為以外は、極力子ども同士の小さなトラブルに親は関わらず、自分たちで解決させるほうが子どものためにもいいと思います。

子どもは親が思っている以上に自分で解決できる

何年か前のことですが、長男がリフティング中にわざとボールをぶつけたり、コーチが話しているときに後ろから蹴ってきたりする子がいました。それが何度も続き、ある日私に相談してきました。長男はやめてと何度も言っているが、それでもやめてくれない。離れてもこっちに来る。やり返したら同じになるのでやり返したことはない。でももう限界だと。

私も長男もどうしようかと悩み、相手の親御さんにさりげなく言おうか、コーチに話してみようか…と考えたりもしましたが、ここで親が出てくるとトラブルが余計に大きくなるなと思い、仲の良いチームメイトに相談してみようという結論に至りました。

長男がチームメイト2人に相談しているところを離れたところから見ていたら、顔を真っ赤にして話していました。きっとすごく緊張したんだろうなと胸がぎゅっとなりました。2人は長男の相談を真剣に聞いてくれて「次にその現場を見たら俺らが言ってやるよ!」と心強い言葉をもらって、落ち込んでいた長男は少し元気が出ました。

その後、長男に意地悪をしているところを見た2人が注意してくれました。ときどき、他の子に見つからないようにちょっかいを出してきたこともあったようですが、長男はもう以前ほど気にしていませんでした。

2カ月ほど過ぎたある日、その子が長男に「意地悪してごめんね」と言ってきました。長男はびっくりして思わず「ぼくもごめんね」と言ったようです。何もしていないのに何で謝ったの? と聞くと「なんとなく。でもそこから一緒にボール蹴ったよ!」と。それからは意地悪をされることもなく、仲良く過ごすことができました。私は長男がこの問題を自分で解決できたことを嬉しく思い、成長を感じました。

嫉妬からは何も生まれない

皆さんは試合で自分の子以外の子が活躍したとき、自分の子が他の子にレギュラーやスタメンを奪われたりしたとき、どう思いますか?

・サッカーを始めたばかりの子がぐんぐん成長してAチームのスタメンになり、それを良く思わない親が、その子がシュートをしたときに「外せ外せ!」と言った。
・自分の子が一番うまいと思っている親が、自分の子が輝けないと他のチームメイトに自分の子にボールを集めるよう指示を出してくる。
・チームメイトが評価されると、それまで仲が良かったのに急によそよそしい態度になる。
・格下だと思っていた対戦相手の子にボールを奪取されて、相手チームの保護者にノーマークだったとわざわざ連絡をしてくる。

嘘のような本当の話で冷静に考えたらおかしい話だと思いますが、これらは全て嫉妬からくる行動なのでしょう。そもそも自分の子より活躍している子に対して嫉妬しても、それで自分の子がうまくなるわけではありません。

たまに「〇〇には絶対負けるな!」とお子さんに話している親御さんを見かけるのですが、大前提としてプレーするのは親ではなく子どもなので、子ども自身がライバルを意識することは良いと思いますが、親が相手の子をライバル視するのは違うのかなと思います。

サッカーは競技人口が多く、大人にも子どもにも大人気のスポーツです。とくに親子の関わりが多いジュニア期では、いろいろな親御さんがいて合う人にも合わない人にも出会います。

親としては大切な我が子の悪口を言われると、思わず言い返したくなると思います。しかし、そういう人と同じ土俵に立ったら意味がありません。いろいろと矛盾点があって、指摘したり反論したりしたくなっても冷静に受け流すことが大切です。

こちらは全く意識していなくても、相手が勝手に意識してくる場合もあります。その場合は何か言われてもさらっと受け流して関わらない、危険だなと思う人には近づかない、もし同じチームなどで完全に関わらないということができない場合は、なるべく一定の距離を保つ、そして何より気にしない。そういう人のことを気にしている時間がもったいないのです。

今まで仲良くしていても何か誤解があったり、行き違いがあってトラブルになることもあると思いますが、その場合は誤解を解いてまた元の仲に戻れるように話し合いをすることも大切だと思います。しかし、明らかに敵意がある場合や常にマウントを取りたがる相手の場合は、無理してお付き合いする必要はありません。

他人を気にしない、ベクトルは常に自分に向ける

「昨日の自分より成長すること」

これは私が子どもたちによく話している言葉です。以前は「〇〇よりできたよ!」と言っていた次男に対し「他人と比べない、いつもの自分よりどのくらいできたのかを考えて」と話していました。

常にベクトルを自分に向ける。簡単なことではないと思いますが、サッカーだけでなく、これから生きていくうえでとても大切なことだと思います。もちろん私自身もまだまだ未熟な部分もたくさんありますが、ついつい熱くなってしまう子どものサッカー、やるのは子ども! を常に意識していきたいと思います。

ちなみにジュニア時代によく聞いていたトラブルは、ジュニアユースになったらほぼ無くなりました(もしかしたら子ども同士のトラブルを把握しにくくなっているのかもしれませんが…)。私が長男のジュニアユースの試合を見に行ったのは、初めての対外試合と初めての公式戦の2回だけ。あれだけ関わっていたジュニアの時代が懐かしくなるほど、ジュニアユースは本当に子どもたちだけで行動し、解決しています。

もし今ジュニアサッカーのトラブルで悩んでいる方がいらっしゃれば、ジュニアユースに入ったらこの悩みもなくなるはず! と思って、おいしいものを食べたり、旅行に行ったり趣味に没頭したりと気分転換をしながら、楽しいことで頭をいっぱいにして過ごしてほしいなと思います。

きっとあっという間に終わってしまうサカママの時間。子どもたちが一生懸命プレーする姿を、気の合うサカママやサカパパと一緒に応援している時間を大切にしたいですよね。私自身も、子どもたちがチームを移籍した後や、ジュニアユースでチームが離れても、近所で偶然会ったり、たまにランチをしたり、近況報告をしたりと素敵な関係を築けているサカママ、サカパパさんもいるので、子どもたちのサッカーを通じて出来たこの関係をこれからもずっと大切にしていけたらいいなと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

WRITER PROFILE

早坂英里
早坂英里

料理&テーブルコーディネート教室
【Eri’s Kitchen】主宰
アスリートフードマイスター/(社)日本テーブルデザイナー協会認定講師/専門学校 テーブルコーディネート講師

12歳と9歳の子を持つサカママ(サカママ歴8年)
兄弟それぞれ都内の強豪クラブチームに所属。5年以上続けている朝練は兄弟の日課。プロサッカー選手を目指す子どもたちの為に日々首都高を走り回り、食事やマッサージなどサポートに務める。