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スポーツドクターに聞いた!サッカーキッズの病院選び【Monocular #10】

サカママの皆さん、いかがお過ごしでしょうか? サカママライターのマツユミです。
10月に入り、急に寒くなりましたね。サッカー観戦のお供をアイスコーヒーからホットコーヒーに変えて、保温タンブラーが大活躍です。サッカーキッズにとっても、気温の低下によって体が硬くなりがちなこの時期から増える怪我には、十分気をつけたいですね。そこで、今回のコラムでは、万が一怪我をしてしまった時に役に立つ病院選びのコツを皆さんと共有したいと思います。

実は先日、怪我で長期離脱していた選手のママから、「病院を変えたらあっという間に回復した」という話を聞きました。そんなことがあるのかな?と思いさらに話を聞いてみると、どうやら整形外科でもサッカーキッズに適した医師や病院があるようです。それならば、直接ドクターに質問をぶつけてみようということで、意外に見落としがちな、サッカーキッズとサカママの病院選びについてスポーツドクターである夫に聞いてみました。

 
なんだかドキッとしますが、整形外科の診療室で見かけたことありませんか?

サッカーの怪我で受診する整形外科医、見るべきポイントは?

練習や試合中におこる捻挫や骨折、体の変化に伴うシーバー病やオスグッドなどサッカーキッズが痛みを感じた時に、真っ先に向かうのは整形外科クリニックや整形外科診療のある総合病院だと思います。しかし、ひと口に整形外科医といっても、治療の対象とする専門領域は、大きく14の分野に分かれているため、スポーツに関わる怪我や症状に関する治療を専門にしない整形外科医も多くいるそうです(表1参照)。

そして、スポーツに関わる怪我や症状を専門にするのが「スポーツドクター」です。整形外科を専門とするスポーツドクターとは、日本整形外科学会の専門医であること、その上で日本整形外科学会の「スポーツ認定医」JSPO(日本スポーツ協会)の「公認スポーツドクター」などの資格を持っている医師のことを指します。そのため、お子さんの治療を担当する医師が、スポーツドクターの資格保持者か、実際にスポーツ選手の治療やチーム帯同の経験を持つ医師であるかを確認することがとても大切だそうです。

 
*日本整形外科学会HP(https://www.joa.or.jp/index.html)をもとに筆者作成

サッカーキッズに適した医師と病院の見分け方

では、具体的にどのように受診する病院や医師を選んでいけばいいかについて説明していきます。まず、受診する整形外科クリニックが「スポーツクリニック」「スポーツ整形外科」を標榜している場合、スポーツドクターが治療にあたっています。また、総合病院の整形外科にもスポーツを専門とする医師が多くいます。ですので、まずは「スポーツクリニック」や「スポーツ整形外科」などの名前がついたクリニックや病院が自宅やグラウンド周辺にあるかどうか、また総合病院内にある整形外科の診療科にスポーツドクターがいるかを調べておくといいですね

この点を調べるさいに役立つのが、JSPO(日本スポーツ協会)のスポーツドクター検索ページや日本整形外科スポーツ医学会のスポーツ医名簿検索ページです。都道府県別に医師と所属病院の検索ができるようになっていますので、ぜひご活用ください!

 
捻挫や骨折など症状に合わせて様々なテーピングを使い分けるそうです。

最後に病院のスタッフや設備をチェックしよう

受診する病院や担当医師の下調べが終わったら、最後に確認したいのは病院のスタッフや設備です。スポーツドクターの指導のもと、選手の早期回復のために必要なリハビリを担当するのは、トレーナーや理学療法士です。そのため、お子さんのリハビリ期にスポーツ選手の症状とその回復に詳しい柔道整復師資格を保有するトレーナーや理学療法士の施術を受けることができると、早期復帰につながりやすいそうです。

この点を確認するためにも、病院のHPなどに記載されているスタッフの紹介をチェックしたり、HPに情報が掲載されていない場合は、どのようなスタッフがいるのかを病院に問い合わせておくと安心ですね。また、設備としてレントゲンだけでなく、エコーまたはMRIなどが病院やその系列病院にあるかどうかも確認するとさらに良いそうです。

 
サッカーキッズの治療にはエコーも大活躍。

サッカーを楽しく続けるためにも、病院選びはしっかりと

できれば通いたくないのが病院ですよね。すべてのサッカーキッズが怪我なくサッカーを思いっきり楽しめることは、私たちサカママの願いでもあります。ただ、万が一の時に慌てないためにも、本コラムのヒントをもとに少し調べておくと安心なのではないでしょうか。今後も情報を共有できればと思います。引き続きお付き合いください。


【参考】

WRITER PROFILE

マツユミ
マツユミ

「みんなちがって、みんないい社会とは?」を日々考える社会科学系研究者。2人のボーイズ(12歳・9歳)を育てるサカママ。兄は、サッカー8年目。一方、弟は兄の影響でサッカーを始めるも、現在はアイスホッケーに夢中。スポーツ医の夫と愛犬の5人家族。