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暑くて食欲がないキッズに!夏場の食欲減退対策のポイント

こんにちは! 管理栄養士の佐藤彩香です。
暑い日が続いてくると、保護者の方から「夏になると食欲が減る…」「毎年夏バテになってしまう」といったお悩みがよく聞こえてきます。確かに暑い日が続くと食欲も落ちがちですが、ジュニアアスリートは夏場もしっかり食べていくことが大事です! そこで今回は、夏場の食欲減退にはどのような対策をしたらいいのかをお話ししていきます。

夏場に食欲が減るのはなぜ?

 

夏になると食欲が減るのはなぜなのでしょうか? そのキーワードは、自律神経です。
人間の身体は気温など環境の変化に適応するために、自律神経による調整を行なっています。 自律神経には交感神経と副交感神経の2種類あり、運動時など身体を活発に動かしているときは交感神経が、就寝時や食後などリラックス状態にあるときは副交感神経が優位に働いています。

交感神経が優位になると代謝が上がって活動に適した状態になる一方で、副交感神経が優位になるときは身体は回復に向けた状態になります。食物の消化吸収が活発に行われるのも副交感神経が優位に働いているときです。夏の炎天下の中の運動は交感神経が優位になるので、消化吸収機能が低下してしまうのです。

それでは、どのような対策が必要なのか? 4つのポイントをお伝えします。

ポイント①上がった体温はしっかり下げる

激しい練習や試合の後など、体温が上がったままだとなかなか食欲が出ません。ですので、まずはしっかり水分補給をして体温を下げるようにしましょう。そして、食材でも身体を冷やすよう意識することが大事です。これを踏まえて、私が冷蔵庫にストックしておいてほしいなと思うのは、次の3つ。

・スイカ
・冷凍のカットフルーツ
・アイススラリー

1つ目のスイカは、水分が多く含まれていて、ビタミンやミネラルも豊富。夏のデザートの定番ですよね。
2つ目の冷凍カットフルーツは、果糖やビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に摂れます。夏はアイスを食べたがる子も多いと思うので、アイスの代わりにぜひ取り入れてみてほしいです。今は大量パックがスーパー等に売られていますし、コンビニにも売っているのでお好みのものを買ってみてくださいね。
3つ目のアイススラリーは聞きなじみがないかもしれませんが、コンビニやドラッグストアでも購入できるものです。細かい氷の粒子が液体に分散した流動性のあるシャーベット状の飲料で、通常の氷に比べ結晶が小さく冷却効果が高いといわれています。

夏場はぜひこの3つをストックして、体温が上がった身体をしっかり冷やしてあげられるといいかなと思います。

ポイント②体重の変動を確認しておく

 

体重に大きな変動がないかを定期的に確認するようにしましょう。練習の前後で体重の2%以上減ってしまうと脱水になってしまいます。私もスポーツ現場にいきますが、練習の前後で4~5%ほど体重が減っている選手も多くいました。そういった選手はバテやすく、食欲低下が見られることも多かったです。ですので、体重が変動しやすい傾向が見られた場合は、脱水状態にならないよう、よりこまめに水分を摂るようにしましょう。

ポイント③1日を通して水分補給をする

運動中や運動後だけでなく、1日を通して水分補給を心掛けましょう。まずは朝起きてからコップ一杯の水を飲むところから始めてみるといいかと思います。汁物をとったり、果物や野菜や海藻類などを取り入れて食事からも水分が摂れるようにできるといいですね。また、運動前にも水分を摂ることが大事ですので、練習場にいくまでもこまめに水を飲むよう心掛けてください。

そして、水分補給でやりがちな落とし穴が2つ! それは、運動時以外にもスポーツドリンクをとることと、熱中症対策のために前もって経口補水液をとることです。
まず、スポーツドリンクは、スポーツ時の発汗で体内から出た塩分や、長時間の運動で不足した糖分を補うためのものです。水分補給以上にこれらの役割が大きいので、日常生活の水分補給としてスポーツドリンクをとっている人は注意が必要です。日常的な水分補給としては、水やカフェインなしのお茶などをオススメします。そして、経口補水液は脱水症でない方が普段の水分補給として飲用するものではありません。一般的な飲料よりもナトリウム、カリウム等の電解質量が多いので、前もっての対策として飲み続けることはやめましょう。

この2点はスポーツ現場でも勘違いされているなと感じることが多いので、知っておいていただければと思います。

ポイント④リラックできる環境を整える

冒頭でもお話ししたように、炎天下の中で運動すると交感神経が優位になります。食物の消化吸収が促進されるのは、副交感神経が優位のときですから、家ではなるべくリラックできる環境を整えてあげることが大事です。食事もバタバタ急いで食べるのではなく、ゆっくりリラックスして食べることができるとなお良いかなと思いますので、そういった環境を整えてあげてみてください。

 

夏場の食欲減退対策、いかがでしょうか? 繰り返しになりますが、ジュニアアスリートはしっかり食べていくことが重要です。そのためには、夏場でも食事からしっかり栄養を補給することが大切。今回お伝えしたポイントを参考にしていただけますと幸いです!

WRITER PROFILE

佐藤彩香

管理栄養士
企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。実践型の栄養サポートを行い、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計1万人を超える人々と関わる。現在はアスリート栄養サポート、専門学校非常勤講師、セミナー講師、レシピ開発なども行いながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動。

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