進学した今だから思う、高校時代の自分へのアドバイス【大学サッカーのすゝめ2021総集編】
高校卒業後、それぞれの目標を持って大学サッカーへとチャレンジし続ける大学生プレーヤーを紹介する「大学サッカーのすゝめ」。今年は関東一部・二部、計24校・48名の選手を紹介してきました。
2021年版の総集編として、各質問の多かった回答や選手達のコメントをピックアップしてお届けしていきます。第3回は、「高校時代の自分へのアドバイス」です。大学に進んだ今思う、高校時代の自分に伝えたいこととは? サッカー面と生活面に分けて聞いてみたので、現役高校生は自分と照らし合わせて参考にしてみてください。
高校時代の自分へ!サッカー面のアドバイス
まずは、サッカー面のアドバイスから。高校生のみなさんは日々練習に精を出しているかと思いますが、次にあげること意識すると大学サッカーの舞台でも活躍できるかも?
大学サッカーで活躍したいならフィジカルレベルを向上させるべし!
各設問を通して毎年多く言及されているのが、大学と高校のフィジカルレベルの差です。大学サッカーでは、フィジカル・スピードが高校年代より大きくレベルアップします。そのギャップを少しでも埋められるように、身体づくりをしておくことを勧める選手が多くいました。
東洋大学 田頭亮太選手(2年)
高校時代の走り込みや高いレベルでのトレーニングが今の自分の武器になっているので、高校時代頑張ってよかったです。ただ大学生と高校生はフィジカルの差が激しいので、もっと真剣に身体作りをしておけばよかったです。
神奈川大学 藤森隆汰選手(3年)
大学に入ってまずフィジカルのレベルでとても差を感じるので、自分の苦手だったアジリティのトレーニングをもっとしておくように。あとは身体のケアはもっともっとやったほうがいい。
自分を客観的に見て、課題を克服すべし!
2021年の大学サッカーのすゝめでは、得意を伸ばすといったことよりも、自身の課題や苦手にしている部分にしっかり向き合うことに言及している選手が多かったです。コーチや監督など周りの意見をよく聞き、自主練の時間などを有効に使いながら、高校のうちに苦手な部分を克服できるといいかもしれません。
東京学芸大学 後藤健太選手(2年)
指導者に指摘されたウィークポイントには、全力で向き合い改善していくようにしてください。自分の好きなことばかりやって満足していると、いつか必ず限界が訪れます。
神奈川大学 箕輪実潤選手(2年)
できないことをできるようにするような努力をしてほしいなと思います。できない自分を受け入れ、コーチや監督と積極的にコミュニケーションをとって成長に繋げることが大切だと思います。
明治大学 福田心之助選手(3年)
プロになれないことに一喜一憂せず、今できることを考えて行動に移すことが大切。そして、自分の弱点としっかり向き合い、克服してストロングにできるくらいの努力をすること。
日本大学 長澤壮竜選手(3年)
自分の得意なことばかりでなく苦手なことにも向き合い、たくさんトレーニングするべきです。どのようなチームでも、様々なスタイルに対応できるユーティリティな選手は重宝されると思います。
シンプルに、サッカーを楽しむべし!
高校3年間の時間はあっという間にすぎていきます。そして、同じメンバーでサッカーをできるのも最後。日々の練習に真剣に取り組みながらも、サッカーを楽しむことを忘れないでほしい、という声も多くみられました。
慶應義塾大学 田村祐二朗選手(3年)
多くの苦難や葛藤は人生において必ず大きな財産になります。「高校サッカー」という時間は二度と帰ってきません。だからこそ本気で、思う存分楽しんでください。怪我に後悔しないように。
日本体育大学 三浦颯太選手(3年/ヴァンフォーレ甲府加入内定)
高校生という時間はとても貴重で、気づいた時には終わっています。うまくいかないことなどがたくさんあると思うけど、1日1日を大切に過ごしてください。そして、サッカーを楽しむことを忘れないでください。
法政大学 佐野陸人選手(3年)
自分をしっかりと持つこと。これを一番に伝えたい。自分をしっかり持てれば、夢を諦めないと思うし、努力も怠らないと思う。もう一つは楽しくサッカーをしてほしい。自分のプレー、アイデアを存分に発揮してほしい。
高校時代の自分へ!生活面のアドバイス
サッカー面の次は生活面についてのアドバイスを聞いてみました。「私生活がプレーに出る」(東京国際大学/志賀一允選手)、「自分のピッチ外の姿で応援される選手にならなければ一流にはなれません」(流通経済大学/安居海渡選手)というように、「サッカーができればOK!」なんてことはありませんよ!
学業を怠らず、視野を広く持つべし!
毎年多くあがるのが、「もっと勉強しておいた方がいい」という声。学校の授業やテストもそうですが、あわせて読書などで視野を広くするのも大切とのこと。また、大学ではパソコンを使ってレポート作成をするため、その操作に慣れておくように、というアドバイスも。希望の大学に進めたのに課題でお手上げ…とならないように、文武両道を目指そう!
慶應義塾大学 的井文謙選手(2年)
自分の目標から逆算して計画を立てて生活してください。早くから計画的に勉強することで生活リズムも安定しますし、受験勉強にもっと余裕を持てたと思います。弱い自分を律して頑張ってください。
中央大学 田邉光平選手(2年)
1日1時間勉強の時間を作ること。時間は有限だからその時間を大切にし、将来のことを考えて語学の勉強をしたり、本を読んで知識を増やすこと。
駒澤大学 篤快青選手(2年)
大学は高校と比べて自分の時間がたくさんあるから、その時間を無駄にしないために本を読んだり、勉強する習慣を身につけること。また、スムーズに講義やレポートを提出するためにパソコンを使いこなせるようになること。
日本大学 橋田尚希選手(2年)
少ない時間でも勉強や読書を継続すること。そこからからさまざまな知識を得て、社会に出て通用する力を身につけてほしい。また、自分からサッカーを取ったら何が残るのかを考えながら生活してほしい。
食事・睡眠にも気を使い、怪我をしない身体を作るべし!
サッカー面であがったフィジカルレベルの向上にも関連しますが、食事や睡眠を意識して身体づくりに取り組むことをあげる選手が多かったです。特に大学に入って一人暮らしをする場合、料理スキルは必須! 料理はできて損はないので、早めに練習しておこう。
順天堂大学 塩浜遼選手(3年)
大学に入学し一人暮らしを始めると、身の回りのことはすべて自分自身で行わなければならなくなる。特に食生活や生活習慣の部分は競技に直接影響を与えるので、高校時代からしっかりとした習慣を身につけて欲しい。
桐蔭横浜大学 鍋田純志選手(3年)
栄養や身体の仕組みについてもっと勉強したらいいと思う。サッカーをやるうえで身体はとても大切だから、高校のうちからできることを始めておくといいと思う。また、一人暮らしでは食事を自分で作るので、料理もできるようにしておくといい。
他にはこんなアドバイスが
法政大学 モヨマルコム強志選手(2年)
サッカー以外から学べることは沢山あるので、色々なことに目を向けて、サッカー以外でも色々な経験をしていくことが大事だと思う。サッカーから離れて他のことに触れ、リフレッシュするのも大事。
関東学院大学 大友千裕選手(3年)
ニュースを見て世の中で何が起こっているのかを知ろう。日本人である以上、日本でどのようなことが起こっているのかを知る必要があり、自分の知識も増えるので、ニュースは見た方がよい。
東海大学 宮﨑浩太朗選手(4年)
普段の生活の中から細部へのこだわりを持ちましょう。ゴミが落ちていたら拾う、人の目を見てはきはきと明るく挨拶をするなど、何気ない部分にこだわれるとピッチ内のプレーも変わってくると思います。
番外編
大学サッカープレーヤーの生活に迫る!❷
前回に引き続き、ここでは番外編として、大学サッカープレーヤーの生活に関する質問の回答をまとめていきます。今回は、住まいと通学時間についてです。
まずは、住まいについて。生活面のアドバイスでは、一人暮らしの料理スキルについてあげている選手も多かったですが、実際のところ一人暮らしをしている割合はどのくらいなのでしょうか?
一人暮らしは11人と1/4程度の割合に。一番多いのは寮の22人で、両者を合わせると約1/3の選手が親元を離れていることになります。「サッカー部の自慢は、全国の強豪チームから集まった選手たちと切磋琢磨し、高め合えること」(専修大学/井上詩音選手)というように、大学サッカーでは高体連、ユースと全国から選手が集まります。高校から寮生活を送っている選手もいるかと思いますが、大学になるとその割合もまた増えるようです。
次に、通学時間についても聞いてみました。一人暮らし・寮が多いということで、通学時間も短い人が多いのでしょうか??
5分以下が9人、7分~15分が17人、20分~30分が8人と、30分以下がおよそ2/3を占める結果に。但し、寮でも60分程度かかっている選手もいたので、寮=通学時間が短い、というわけではなさそうです。ちなみに、各住まい形態と通学時間の平均は以下の通り。
寮・・・平均20分
一人暮らし・・・平均10分
実家・・・平均50分
通学時間が5分、10分というのに比べると50分は長く感じるかもしれませんが、生活環境が大きく変化しないことや、いざという時に頼れる人がいたりと、実家だからこそのメリットも多いので、案外許容範囲ではないかと思います。
いずれにせよ、通学時間がかかりそうな場合はその時間も上手く活用できるようにしておきたいですね。
※「大学サッカーのすゝめ」は関東大学サッカー連盟のご協力のもと作成しています。記事内で使用している写真は各チームの了承を得た上で、連盟を経由してご提供いただいたものです。