進学先の大学、どう決めた?【大学サッカーのすゝめ総集編2024】
高校卒業後、それぞれの目標を持って大学サッカーへとチャレンジし続ける大学生プレーヤーを紹介する「大学サッカーのすゝめ」。2024年版では、関東一部・二部・三部の計36校から、48名の選手を紹介してきました。
2024年版の総集編として、各質問の多かった回答や選手達のコメントをピックアップしてお届けしていきます。
第1回目は、「今の大学・サッカー部を選んだ理由」にフォーカス。数ある大学の中から、なぜ今の大学に決めたのか?また、大学選びで気にしていたポイントや、進路準備についても聞きました。
大学サッカー、どこでプレーする?進学先の決め方は?
本企画に協力してくれた36校の他にも、日本全国には数多くの大学サッカー部が存在します。そんな中で、大学サッカープレーヤーたちはどのように自分の進学先を決めたのでしょうか?
ポイント①大学サッカーのトップリーグに所属しているチームを選択
大学を選ぶ理由で多かったのが、レベルが高い環境でプロを目指したいという選手が多数いました。その中でも特にレベルが高いと言われているのが関東リーグです。
桒原陸人 選手(明治大学)
「自分の夢でもあるプロサッカー選手を叶える為に、レベルの高いサッカーができる環境が整った大学を探していました。そして、社会に出た際に大きく役立つ人間として、大きく成長できる事も視野に入れていたので、サッカーも勉強面もレベルが高い明治大学に進学しました。」
中村優斗 選手(立正大学)
「私が立正大学に進学しようと思った理由は、プロサッカー選手になるために最適な場所だと思ったからです。関東大学リーグの1部でやりたいと考えていて、当時1部に所属していた立正大学から声をかけていただきました。立正大学は毎年プロを複数人輩出していたのでここでなら成長できると感じたからです。」
渋谷諒太 選手(流通経済大学)
「将来はプロサッカー選手という目標があって、高校卒業後すぐにプロの世界に入れませんでした。しかし大学でさらに成長する事で夢に近づけると考え、流通経済大学サッカー部なら他の大学よりも高いレベルでサッカーができると感じたので選びました。」
菅江陸斗 選手(関東学院大学)
「関東学院大学を選んだ理由は、関東学院のプレースタイルやサッカーに対する考え方が自分のと同じだったところです。また、横浜F・マリノスとの連携を行っていて、より高いレベルでサッカーをプレーすることができ、プロになって活躍するという夢を1番叶えることができる大学だと思い選びました。 」
三輪椋平 選手(順天堂大学)
「高校の同期から2人がJリーグのチームに入団したので、自分も負けてられないと思い、引き続きレベルが高い環境でサッカーを続けたいと思って大学選びを始めました。当時、関東1部リーグに所属していて高校の先輩が順天堂大学からプロの道に進んだということもあって、自分もここで勝負したいと思い選びました。」
ポイント②プレースタイルに共感した
各大学の練習会でプレースタイルを見て興味を惹かれたや、自身が希望しているスタイルと一致していたという声も多数ありました。これまでに築き上げてきた実力を発揮して、今以上にレベルアップをしたいという理由です。
本間凜 選手(国士舘大学)
「国士舘大学を選んだのは、自分のプレースタイルと似ている点、関東一部リーグ所属している点、プロ選手を輩出している点という希望する条件が整っていて、レベルの高い環境に身を置くことで自分自身の成長につながると思ったからです。」
小泉龍之介 選手(拓殖大学)
「拓殖大学サッカー部は関東サッカーでは少ない、ボールをつなぎ、個で突破する特色のある大学でした。さらに、他の大学よりは自由があって、自分の好きなことをする時間が多くあることが魅力に感じたので拓殖大学を選びました。」
石井徹 選手(産業能率大学)
「高校3年生の7月頃、産業能率大学との練習試合があった際に、選手が主体となって試合の運営を行っている姿や、試合中の向上心を持ったプレーを見て興味を持ちました。大学の説明を聞くと、学問においても学んだことを実践に移す機会が多く存在することに魅力を感じました。自分も産業能率大学でサッカーを学び、人としても選手としても日々成長を重ね、プロを目指したいと思い、この大学への進学を決めました。」
鍋島暖歩 選手(東洋大学)
「レベルの高い環境にある関東で大学サッカーをしたいという思いがありました。その中で東洋大学のパスサッカーは自分のスタイルに合っていると感じたのと、少数精鋭で活動しているという点も一つの決め手でした。」
田中慶汰 選手(日本大学)
「最初に練習試合に参加した時に、高校の先輩がいたりしたのもありとても雰囲気が良かったからです。そして、グランド、寮、筋トレルーム、食堂などの施設がとても充実していていい環境だと思ったからです。サッカー面でも自分の伸ばしたいプレースタイルに合っていたからです。」
ポイント③就職やセカンドキャリアの事も想定して選択
サッカーだけではなく、セカンドキャリアを見据えて大学を選んでいる選手も多かったです。特にグローバル社会を見据えて、英語などの語学や資格取得を重点に考えている声も増えています。
大久保龍朋 選手(明治学院大学)
「今の大学を選んだ1番な理由は、『高校の先輩が多く進学していた』からです。先輩たちに大学の話を参考にしながら選択しました。また英語に力を入れている大学でもあるので、これからグローバル社会になっていく中で必要なスキルを得られると考えました。」
飯島大地 選手(桐蔭横浜大学)
「桐蔭横浜大学サッカー部を選んだ理由は、競技レベルの高さと環境の影響を受けたいからです。桐蔭横浜大学サッカー部では優秀なコーチ陣や選手と切磋琢磨しながら、自らの成長を促進できると考えました。また、桐蔭横浜大学は施設や環境が整っており、トレーニングや試合がより充実したものになると期待しました。さらに、桐蔭横浜大学での経験や実績は将来のキャリアにもプラスになると考え、自分のサッカー選手としての可能性を最大限に引き出すために志望しました。」
縄野大晟 選手(国際武道大学)
「私が国際武道大学を選んだ理由は、サッカーに集中できる環境が整っているということと、将来の夢である教員の資格を得ることが出来るというところです。高校3年の時、国際武道大学の練習に参加し、堅守速攻のチームスタイルに惹かれこの大学を選びました。 また、監督を始めスタッフ陣やチームメンバーもすごくいい雰囲気で練習していたので、ここなら伸び伸びプレーできると感じました。」
井上斗嵩 選手(日本体育大学)
「自分は監督に日本体育大学を勧めてもらい、そこで練習会に参加をさせていただいて、チームの雰囲気やプレースタイル、施設などが充実している点に魅力を感じました。また、自分は将来、仮にプ口の選手になれなかった時や引退などした時のために、教員免許を取得しておきたかったのでその理由も含めてこの大学を選びました。」
安倍颯汰 選手(共栄大学)
「共栄大学を選んだ理由は、自分の家からも近く通いやすいというのと、経営についての知識なども増え、コミュニケーションを取る授業が多数あった点です。サッカー部を選んだ理由は昨季から関東3部リーグに加わって、高校の時よりも高いレベルでサッカーができるからと思い選びました。」
井上駿也真 選手(青山学院大学)
「プロを目指す環境が整っていて、かつセカンドキャリアでも幅広い選択肢のあるところが、自分にとって魅力的であったため青山学院大学を選択しました。また、サッカースタイル的にも自分たちでボールを保持しながら、攻撃を組み立てていく戦略で、その点も自分に合っていると思い選びました。」
ポイント④チーム内の雰囲気や監督が魅力、知り合いが在籍しているなどの理由も!
練習会に参加した時の選手同士のコミュニケーションや魅力があった、チームを率いている監督に魅力があった、知り合いが既に在籍しているなど「人間関係」を重点に選んでいる選手もいました。4年間一緒に切磋琢磨していく仲間でもあるので、同じ方向を向いて頑張っていきたいというのは、みなさんも一緒ではないでしょうか?
原田蓮斗 選手(山梨学院大学)
「自分が高校3年生の時は、まだ山梨学院大学は東京都リーグ1部所属だったのですが、西武台高校の先輩方の多くが在籍していて、これから環境などが一新されて、強くなっていくと聞いていたので、今以上に自分自身が成長できると思ったからです。」
須藤太一 選手(国士舘大学)
「歴史と伝統のある国士舘大学サッカー部でプレーすることの憧れとともに、サッカー選手としてはもちろんですが、1人の人間として礼儀やマナー、挨拶を大切することに対してもっと成長できると思いました。また、200人近く部員がいるという厳しい環境にあえて身を置くことで競争を通して個人として大きく成長できると思い入学を決めました。」
村山剛琉 選手(國學院大學)
「國學院大學体育連合会蹴球部の関係者の方が、自分の試合を見に来てくれたり、直接会話をしたりすることで自分が必要とされていると感じました。選手の意見を尊重し、なにより全員がサッカーを楽しんでいる所に魅力を感じました。自分も國學院大學体育連合会蹴球部の為に全力でプレーしたいと思ったからです。」
小林栞太 選手(駒澤大学)
「駒澤大学体育会サッカー部は、縦に速いサッカーをしていて、自分の特徴であるキックの部分や闘う部分での長所を活かせると感じました。また練習会に参加した際に先輩方がとても優しく、人間関係が良いと感じたことと、人として学ぶこともできると思い入学を決めました。」
練習会で注目していたことは?
今回アンケート取材に協力してくれた選手の多くが参加していた練習会ですが、実際に参加した時はどんな点に注目していたのでしょうか。
まず多かったのは、部の雰囲気。部員同士でどんな声掛けをしているか、また、監督やコーチとの距離感などを気にしていたという回答が多かったです。そして、次に多かったのは、環境面の充実度。グラウンドやトレーニングルームだけではなく、寮からの移動距離もポイントになったという意見もありました。
他にも様々な意見があったので、ぜひ参考にしてみてください。
大学選び、何校検討した?いつから準備した?
進学先を選ぶうえでのポイントや練習会で注目したポイントをまとめてきましたが、そもそも進学先は何校くらい検討したのか、そして、いつ頃から準備したのかも気になるところですよね。
各選手に、調べた大学数、進路準備を始めた時期を聞いた結果が次の通り。
調べた校数に関しては、2校〜3校が同数でした。その次は1校となりました。大学を選ぶ際は、2~3校は検討してそれぞれの学校の特徴やメリット・デメリットなどを比較するのがいいといえるでしょう。
進路準備を始めた時期に関しては、約半数の23人が高3春と回答しています。次いで高2冬と続くため、大多数の選手が高校2年生の終わり頃から準備を始めているといえそうです。尚、大学の練習会は早いところで春から行われています。この点も考慮すると、高2冬から準備を始められるとより安心ですね。
※「大学サッカーのすゝめ」は関東大学サッカー連盟のご協力のもと作成しています。記事内で使用している写真は各チームの了承を得た上で、連盟を経由してご提供いただいたものです。