「親子でチャレンジもいいかも?持久力を測るYo-Yoテスト」イギリスサッカー便り
みなさま、新年明けましておめでとうございます。今年も引き続きサカママWebでコラムを書かせていただくことになりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
イギリスは連日10万人を超える新規感染者が出ていますが、withコロナの生活が定着し、街中は“いつもの毎日”です。2週間強のクリスマス休みが明けて、学校もサッカーも再開しました。学校は週2回自宅で簡易テストをして登校、サッカーも活動前に簡易テストをした上で参加するということにはなっていますが、2022年のサカママ生活も無事スタートしました。
ここイギリスでは、このクリスマスホリデーとオフシーズンは完全にサッカーの活動もお休みになります。各自自主トレーニングはしていると思いますが、チームとしての活動は久々。そんな休み明けのトレーニングでよくおこなわれるのが“持久力測定テスト”です。今月は、イギリスのサッカーチームで取り入れられている持久力テストを紹介させていただきたいと思います。
持久力テストといえばシャトルラン
持久力テストで代表的なのは20mシャトルラン(往復持久走)です。
20mシャトルランのルールは、一定の間隔で一音ずつ鳴る電子音が、次の電子音に変わるまでに20m走りきったらセーフ。その場で向きを変えて、また次の電子音が鳴り始めたら走り出します。この動作の繰り返しで、2回続けてどちらかの足で20mのラインに触れることができなくなったら終了。電子音の間隔は、約1分ごとに短くなっていくので、どんどんスピードも上がります。
このシャトルランは、日本の小学校でも体力テストの一環でやることが多いのではないかと思います。息子たちも毎年自分の記録を更新すると意気込んでやっていました。イギリスに来てからも、ロックダウンで自由に活動ができなかった時期に、20mのスペースと音源さえあればできるこのシャトルランを、兄弟で競いながらやっていました。競争相手がいることで負けたくない気持ちが生まれますし、記録として数値化されるので、とても効果的だったと思います。
イングランドでよく用いられているYo-Yoテスト
また、シャトルラン形式の往復持久走テストで、Yo-Yoテストというものがあります。はじめ聞いたときは、おもちゃのヨーヨーしか頭に浮かばなかったのですが(笑)、イングランドのサッカーで広く用いられている持久力テストです。
Yo-Yoテストは、20mシャトルランと同様、20mの距離を一定の間隔で時間内に走るのですが、シャトルランは休息を挟まずに連続で走り続けるのに対して、Yo-Yoテストでは5秒または10秒の休息を挟んで繰り返します。サッカーは、休息なしに走り続ける長距離走などの競技とは違って、動きの中で休息が挟まれる競技なので、Yo-Yoの方がより実戦に近いかたちで持久力テストができるということです。
実際に、オフシーズン明けに女子のトップチームの選手たちが隣のコートでトレーニングをしていたのですが、まずはYo-Yoテストをしていましたし、プロのサッカー選手もシャトルラン形式のテストをしている風景を見かけます。そして我が家の長男次男も、長期休み明けは持久力テストです。群を抜いて負けず嫌いな次男は、どこでも誰にでも絶対に負けたくないらしいので(笑)、とりあえずはYo-Yoで1位を死守し、足が棒になりながらもホッとして帰ってきました。
持久力テストからサッカー選手としての成長を多角的にサポート
興味深いなと思ったのが、次男のチームでは、持久力テストを含むフィジカルテストを定期的に行って数値化されているのですが、たとえばYo-Yoテストの結果が思わしくない(=持久力が乏しい)、もしくは前回の結果を相当下回っているなどの結果が出た選手には、栄養指導が入ったりヒアリングが行われたりのサポートもあることです。
特に成長期の選手たちですから、試合で最大限の力を発揮するためには、スポーツ選手として普段からバランスのとれた食生活が大事になってくるという考えです。このように、選手一人一人に対して、サッカーのことだけではなく、より多角的に成長をサポートしてもらえるのはとてもありがたいです。
サッカーはとにかく豊富な運動量が求められるスポーツです。シャトルランやYo-Yoテストは運動量、持久力が数値化されるので、どれくらいの持久力があるのかが客観的にもみれますし、本人が自分の記録を更新する目標をもてるという意味でも効果的なトレーニングではないかなと思っています。
YouTubeなどでも簡単に音源が手に入りますので、親子でやってみるのもおもしろいかもしれません。ちなみに私も一度息子たちと一緒にチャレンジしたのですが…いち早く脱落してしまいました(苦笑)。