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継続できずに悩んでいる方へ。誰でも「継続」できる3つの法則

皆さまこんにちは!いかがおすごしでしょうか? チームプロデューサーの丸山寛之です。
今月は、選手や保護者からよく相談を受ける「継続」に関して、誰でも継続できる3つの法則を紹介します。子どもがなかなか始めたことを続けられない…とお悩みの方は参考にしてみてください。

継続には「環境を作ること」が重要

普段から選手や保護者の方から様々な相談を受けますが、特に多いのが、新しく始めたことを続けられないという悩みです。

  • 「朝練を始めたけど、すぐに辞めてしまった」
  • 「体幹トレーニングを始めたけれど、なかなか継続できない」
  • 「リフティングを始めたけど、すぐに飽きてしまい続かない…」

等々、「どうすれば継続できるか?」ということに関する質問をよくいただきます。そして、皆さんが必ず口を揃えて言うのは、

  • 「私、意志が弱いんです」
  • 「根性がなくて…」
  • 「すぐ飽きる正確で…」

といったことです。いわゆる「意思力」が弱いからだと自分を責める話がよく聞かれます。実はこの「意思力」に頼った継続はハードルが高く、これを頼りに継続をするには元々無理があると私は考えています。

理由は私にも経験があるのですが、皆さんもご自身の胸に手を当てて考えていただければおわかりいただけるのではないでしょうか。継続で挫折する代表的なものとして、勉強、ダイエット、体力作り等が思いつきます。やろうと決めて、最初は意気込んでやるものの、数日で辞めてしまったという経験は、私も含め多くの方がお持ちではないでしょうか。それでは、「意思力」に頼らないとするのであればどうすればいいのでしょうか?

答えは「環境を作ること」が重要になります。例えば、「サッカーで強いチームに人気が集まるのはなぜか」、「偏差値の高い学校に人気が集まるのはなぜか」ということを考えてみましょう。
サッカーで強いチームには、強くなるための練習方法や考え方があってそれを身につけたいからですよね。つまり、強くなるための環境が整っているからです。偏差値の高い学校もそうですよね。レベルの高い教育を受けられる環境が整っていますよね。その「環境」に魅力を感じて人気がでます。そして実際、そのような環境に入れば、継続して努力をせざるを得ず、いやでもレベルがあがるはずです。
つまり、継続のためには「やらざるを得ない環境をいかに作るか」ということが最大のポイントとなります。

誰でも継続できる3つの法則

それではサッカーで「やらざるを得ない環境をいかに作れば良いのか?」について、私の経験を交えてお伝えします。多くの手法がありますが、今回は最も重要だと思われる3つに絞りました。

法則1.小さな一歩から始める

どんな取り組みでもそうですが、最終目標は大きくて構いませんが、目先の目標に無理があると続きません
例えばリフティングをしたことがない子どもに、初日のリフティングの目標を「100回」と課してしまうといかがでしょうか? おそらく初日で挫折してしまうでしょう。
私の娘、息子もサッカーをしていますが、子ども達が小学生でサッカーを始めた当初は、前の日にできたリフティングの回数を1回でも上回ることを目標としました。そうすると最初のころは簡単にクリアすることができます。簡単でもクリアすると「成功体験の積み上げ」となり、「できない」という気持ちを持たなくなります。そして4年生位になった頃にはリフティングの回数は1,000回を超えるまでになっていました。

小さな一歩を積み上げてきていたので、1,000回超えのチャレンジでも本人には「できる」という感覚しかなかったと思います。小さな一歩で成功体験を積み重ねることで、徐々にできることも積み上がります。そうすると、「ここで辞めたらもったいない」という心理がはたらき、「やらざるを得ない環境」ができるのです。

法則2.一人でやるのではなく、誰かと約束して行う

一人で黙々と取り組むのもいいですが、それよりも誰かを巻き込んだ方が継続はしやすくなります
私の娘、息子は小学生~高校生になるまでの約10年間、毎日朝練を続けました。平日の朝練は6~7時で、これは「私と子ども達との約束」として取り組んでいました。そして、土日はサッカー仲間の家族とも約束して朝練を行っていました。恐らく私と子ども達だけの約束では挫折していたかと思いますが、土日のサッカー仲間との朝練が練習の成果を試す場になったことで、平日の朝練にも課題を持って頑張れるようになっていたと思います。

このように、約束があることが「やらざるを得ない環境」を作ってくれます。家族だけだとつい甘えてしまうこともあるかと思うので、友達なども誘って出来るとよりいいかと思います。

法則3.周囲に宣言する

これから何かを始めようとするとき、みなさんは始めることを誰かに話しますか? 「他人に話すと自分で自分の首を絞めることになる」とか、「できなかった時にバカにされそうで言いたくない…」という声もよく聞きます。でも、ここは自分自身の成長を考え、自分のためにやることを考えれば、ぜひ「宣言」してください。

「そうは言っても、宣言したのに続けられなかったら…」と思うかもしれません。でも、法則1、2ができていれば、まず簡単には挫折しないでしょう。それに、継続は必ずしも毎日しなければいけないということではないのです。実施する日にちに間が空いたとしても、再び行えばそれは継続です。それぐらいラフに考えて、周囲に宣言しましょう。

宣言する方法もいくつかあります。私が子ども達と使っていたのは、サッカーノートです。子ども達には、練習後にサッカーノートへ「実施した練習と次の課題を小さな一歩」を記録させていました。これは自分自身への宣言になりますし、家族への宣言にもなります。自分で見返して、実施する気持ちを思い返すのにも役立ってたようです。
あとはSNSへの投稿も行っていました。そんなに見られていませんでしたが、SNSへ毎朝投稿することが日課になると、朝練ができなかった日はSNSへアップもできないので、何か落ちつかない気分になっていたようです。
こんな風に色々なツールを使いながら周りに宣言することで、「やらざるを得ない環境」を作ってみてはいかがでしょうか。

色々な方法を試して、子どもに合った継続の環境を作ろう

以上、代表的な3つの法則をご紹介させていただきました。
私は「色々考えるより、まずは行動」が大切だと思っています。行動することで課題が見えます。皆さんにも自分に合った環境の作り方があると思いますので、参考にしていただきつつ、ぜひ実行して、ご自身の子ども達にとって「オリジナルの良い継続の環境」を作っていただければと思います。

WRITER PROFILE

丸山寛之

コア・エリート株式会社 代表取締役社長。 JFA公認C級コーチ、JFA3級審判員。 強いチームをつくる、チームプロデューサーとして経営コンサルティング、企業研修、講演等の傍ら東京都においてU-12の女子サッカーのトレセンコーチ、U-15の女子クラブチームのコーチを行う。また、年に数回はJFAのガールズフェスティバル等の開催にも加わり、将来のなでしこ育成に携わっている。